8月25日、26日に弊社主催で「WithコロナにおけるHR領域の変化」をテーマに人事カンファレンスをオンラインにて開催いたしました。延べ1500以上のお申込みをいただき、改めてWithコロナ時代の社会や組織づくりに対する関心の高さを感じました。

変化の激しい世の中において、どのような組織づくりが必要か。答えは明快です。「次世代の人材」が活きる組織づくりが重要だと私は考えます。

もう少し踏み込んだ言い方をすると、多くの企業において、これまでの組織環境では、「次世代の人材」が活躍するどころか、価値観が合わずに辞めてしまう、もしくは、能力を存分に発揮することなく機会を損失してしまう可能性が高いと言うことができます。

それは、なぜか。

昨今の学校教育はアクティブラーニングをはじめとする「能動的な教育」が存在感を強めており、自立と個が教育の中心に置かれ始めています。さらに自立を目的とした教育は、学校教育の前の幼児教育でも注目されています。

将棋界の藤井聡太2冠が受けてきた「モンテッソーリ教育」をご存知でしょうか。教育コンセプトに「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てること」を掲げ、

１．物事に興味を持たせる環境をつくる
２．子どもでもできるように整備する
３．好きなようにやらせる
４．大人がやってみせる

というアプローチで、正解がない（先行き不透明の）世の中で生き残るために、幼少期から“自立”を育む教育法です。

自立と個を尊重される教育を受け、“これまでの優秀な人材”とは異なる個性を持った人材が、たとえば、YouTuberとして収入を得たり、SNSを活用してビジネスを展開したりと、多様な活躍をみせる未来が広がっています。

その中で、受け入れる企業側がこれまでとマネジメント・育成・コミュニケーション・ルールを何も変えずにいては、ミスマッチが増えると考えた方が自然です。

私は企業の組織変革の一つの指標として、モンテッソーリ教育のコンセプトを取り入れることができるのではないかと考えています。

１．会社や仕事に興味を持たせるために目的や意義を与え続ける（主体性の発揮）
２．活躍が見えるように成果の細分化など貢献の見える化（称賛文化の醸成）
３．裁量を与える（自己効力感の向上）
４．先輩や上司による率先垂範（ゴールの共有）

など、自分自身の意思の醸成と発揮の場を意識的につくることが、次世代の人材の活躍を引き出すためには欠かせないのです。

もちろん、これまで組織を支え続けてきた社員にとって好ましい環境整備も大切です。しかし、新たな時代を勝ち抜く強い組織をつくるには、次世代の人材が活躍できる組織へと変化する必要があります。

コロナウイルスの影響で働き方の変革が必然的に迫られるこのタイミングで、改めて自社の風土やマネジメント方法に目を向けてみてはいかがでしょうか。