コロナウイルスの影響を受けて、企業活動に様々な変化が生じました。
中でも、オンライン対応は多くの皆さんの頭を悩ませているのではないでしょうか。

2021年度の新卒採用は、いわゆる「オンライン化元年」です。
ZoomなどのWeb会議ツールを駆使し、オンラインでインターンや説明会を開催していること自体が差別化につながった年でした。

2022年度の新卒採用活動は、多くの企業がオンライン対応に追いついたことで、単にオンライン化しただけでは、差別化が図れず、採用を成功させるための施策を模索しているといった声もよく耳にします。

?教?学経営学部中原淳研究室のデータによると、
「学生が採用担当者の話を理解できた割合」は項目ごとに、

〇 仕事の魅力ややりがい：対面 79.4％／Web 58.8％（差は20.6％）
〇 社風：対面 68.3％／Web 40.6％（差は27.7％）

と、対面と比較すると、Webでは企業が伝えたいことや想いが相手に届きづらいという結果になっています。

オンライン化することで伝達力が下がるという事実の前で、いかに効果的にオンラインを活用するか。あらゆる企業にとって避けて通れないテーマです。

さて、今回のコラムでは、「様々な企業の説明会や選考でのオンライン化による失敗談」という視点で情報をお伝えします。

・PCのスペックが低く、何度も画面が固まってしまう。
・プレゼンターがミュートのまま話してしまい、おかしな空気に。
・参加者から「URLに入れません」と事前問合せが多数届き、対応に追われた。
・動画配信する際、音源の共有が出来ておらず、無音で動画が流れていた。
・説明会終了直後、ミュートにし忘れ、退出前の学生に反省の声を聞かれてしまった

など、ITリテラシーに起因する失敗や、

・対面と比較すると1.5倍程時間が掛かってしまい、終了時間が大幅にズレてしまった。
・スライドの文字が小さく、文字量も多かったため、学生から見えづらいという声が。
・アンケートをgoogleフォームで取っているが未回答が増加する結果に。
・気付いたら、説明会開始時よりも終了時の参加者数が半減していた。
・Web面接で評価が高かった学生と実際にリアルで会ってみると印象が真逆だった。

など、企業の採用力を問われる、新しい壁もオンライン化により出現してきました。

これまでは、母集団の数、予約率、参加率、合格率、辞退率をKPIに設定している企業が多く存在していましたが、オンライン化したことで、上記に加えて、「アンケートの提出率」、「説明会の途中離脱率」など新たな数値にも着目する必要が出てきました。

今後、オンラインでの採用活動は主流になります。同時に、求人倍率の低下により、例年と比較すると採用しやすい市況になるというポジティブな要素もあります。

採用市場の変化を柔軟に受け入れ、既存の方法論に縛られず、採用手法をアップデートし、採用力を飛躍的に伸ばす企業が登場することが予想されます。

貴社も、ぜひその一社になってください。