中途採用ノウハウ

求人が多い時期は求人募集を避けたほうがよいのか?中途採用を始めるスケジュールについて解説

求人が多い時期は求人募集を避けたほうがよいのか?中途採用を始めるスケジュールについて解説

中途採用戦略は、組織の活性化や持続的な成長に重要な役割を果たします。

しかし、「どのタイミングで着手すればよいのか」「採用活動を避けるべき時期はあるのか」と疑問を感じる採用担当者も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、人材市場の繁忙期や求人数が増える背景、採用活動のポイントについて解説します。
採用活動のタイミングを見極め、成功率の向上を実現してください。

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求人が最も多い時期はいつ?

年間の新規求人数を概観すると、例年類似した増減傾向で推移しており、採用市場には基本的なサイクルが存在することを示しています。
2024年度のデータは以下の通りです。

2024年度 新規求人数
4月 501,950
5月 509,524
6月 490,577
7月 520,223
8月 496,144
9月 495,950
10月 556,199
11月 495,509
12月 486,668
1月 540,897
2月 507,145
3月 491,193

上記のデータから、求人の繁忙期は以下の3つと考えられます。

  • 7月前後
  • 10月前後
  • 1月前後
    ※実数(パートを除く)

7月前後は、夏のボーナス支給後に転職を検討する人が増えることから、企業が人材確保策に乗り出している可能性があります。

10月前後は下半期始動に向けて、企業が採用を強化する時期です。

また、1月前後は3月の年度替わりに向けて求人が集中する傾向にあります。

(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について」)

年間で最も求人数が増える3大繁忙期とは

求人動向が活発化する時期は、企業の事業計画や組織の改編時期と重なる傾向があります。

下半期がスタートする10月前後や、12月決算の企業にとって年度始めとなる1月前後は、求人数が増加。
新たな戦略に向けて、採用を強化する企業が少なくありません。

また、求人数は転職希望者数に比例して増加する傾向にあります。

夏のボーナス支給後や10月の人事異動など、退職希望者が増える時期に求人活動が活発化するのはそのためです。

3月~5月にピークを迎える新卒採用と異なり、中途採用は3つの繁忙時期に応じた戦略が求められます。

7月前後:ボーナス支給後に求人数は増加

夏のボーナス支給後に転職希望者が増える傾向にあり、企業は人材の流出を補うため、採用活動を強化している可能性があります。

また、7月に上半期の業績分析と下半期の計画見直しをおこない、業務量増加を見越して人材を確保するケースもあります。

また新卒採用においては、広報活動が解禁される3月を境に活動を本格化する企業も少なくありません。

3月~5月は、就職フェアや会社説明会、内定者フォローなどが重なり、採用担当者が多忙になる傾向があります。

そのため、新卒採用の業務が落ち着く7月頃、中途採用に注力するケースがあります。

10月前後:下半期に向けた採用強化の時期

10月は採用強化月とも言える期間です。

3月決算の企業では、上期の実績に応じて組織戦略を見直すため、下期の目標達成に向けて中途採用が本格化する傾向にあります。

年度末までに人材を育成するべく、研修スケジュールを見越して10月に人材を確保する企業もあります。

物流や小売などの業界では、年末の繁忙期に向けて秋から人材補充に動き出す傾向があります。

また、10月は転職活動も活発化する時期です。
10月の人事異動をきっかけに転職を決意したり、年明けの転職を目標に活動を開始したりする求職者が増加します。

それに合わせて企業も採用活動に力を入れていると考えられます。

1月前後:求職者にとっても年度末・年度始めは転職チャンス

12月決算の企業では1月が年度始めとなり、新たな予算を組んで事業をスタートするため、新体制の強化に向けて採用活動を活発化する傾向にあります。

それだけでなく、新卒内定者の辞退によって欠員を補充する必要性が生じたり、新卒者と第二新卒者の研修を一本化するため第二新卒者をターゲットにしたりと、人材募集の目的が重なる時期です。

パーソルキャリアが実施した調査によると、1月、2月は転職求人倍率が比較的低い傾向にあり、転職希望者にとっても好機と言えます。

2024年度 転職求人倍率
4月 2.66
5月 2.57
6月 2.6
7月 2.74
8月 2.83
9月 2.86
10月 2.75
11月 2.82
12月 3.15
1月 2.74
2月 2.46
3月 2.51

(出典:doda「転職求人倍率レポート(データ)」)

求人数が増える理由と背景

企業は、年間の事業計画と人員計画、育成計画を連動しながら、持続的な成長を図る必要があります。

事業計画の一環として売上高や営業利益の数値目標を掲げたなら、達成のためにどれだけの人材をいつまでに育成すればよいか、プランを作成しなければなりません。

企業がPDCAを見直す10月や1月に採用活動が活発化するのはそのためです。
人事制度に基づき、必要な採用人数や採用ターゲット、採用時期などを決定します。

事業拡大や業績向上に向けた採用活動は「増員募集」ですが、より緊急性が高いのは退職者の穴埋めを目的とした「欠員募集」です。

欠員募集では、業務が停滞しないようスピーディーな人員確保が望まれます。

企業の人事採用サイクルと求人時期の関係性

企業は、決算後に来期の採用予算を確定するケースが多く、決算期と人事採用サイクルは密接に結びついています。

決算前は予算不足などのリスクを回避するため人件費を削り、採用活動が停滞するケースがあります。

決算期が近づくと、予算消化や未達目標のクリアに向けて集中的な採用活動をおこなう企業もあります。

また、決算後は新たな会計年度の予算に基づき、事業計画の達成に向けて採用活動を活発化することも多いです。

企業間では、決算期の違いによって求人の繁忙期に違いがあります。

日本では年1回決算の企業のうち3月決算の企業が約18%と最も多い割合を占めており、中間決算後の10月に求人の繁忙期が訪れるのはそのためです。

9月決算の企業では、下期がスタートする4月頃に採用活動が活発化する傾向にあります。

退職シーズンと求人数増加の相関関係

退職者が増えるシーズンは、一般的に7月と年末の12月、年度末の3月です。

「金銭的に余裕をもって転職活動をおこないたい」という転職希望者は、ボーナス支給後に退職を申し出る傾向にあります。

また、年度末の3月は「スムーズに業務の引き継ぎをおこないたい」という転職希望者が増加するタイミングです。

7月と12月、3月は、人員の穴埋めや新年度の準備のために求人を出す企業が増え、求人市場が活発化します。

退職者の増加は、中途採用の求人市場に即時的なインパクトを与えます。
退職者の穴埋めとして人員を補填する場合、新たな人材に求める役割やスキルが明確なため、募集までの流れがスムーズです。

さらに、退職者が出た部署にかかる負荷をなるべく早く軽減しようと、採用活動が加速します。
そのため、退職シーズンは補充需要によって一時的に求人が急増する可能性があります。

業績発表後に採用枠が拡大するメカニズム

企業の業績発表時期も、採用活動に変化が起きやすいタイミングです。
業績が好調な場合、増益の勢いに乗って設備投資や研究開発、人的資本に予算を投じ、さらなる成長を図る企業が少なくありません。

また、ステークホルダーとの良好な関係構築を図るため、株主に明確な採用計画を説明することで、採用活動が加速するケースもあります。

安定成長している企業にとって、業績とともに採用枠拡大を公表することは、顧客エンゲージメントやブランド力の強化につながります。

逆に、業績が停滞・悪化している企業では、採用の凍結や縮小もやむを得ません。
内定出しの保留や採用計画の見直しを迫られるケースが考えられます。

実際に、コロナ禍や金融危機の年には、業績不振を理由に内定取り消しを決断する企業が相次ぎました。

採用は中長期的な投資であるため、不確実性の時代では新たな雇用は大きなリスクが伴います。

採用計画の縮小はどの企業も避けたいところですが、市場状況や費用対効果などを総合的に判断し、実行すべきときは迅速に行動する必要があります。

中途採用をはじめるべきスケジュールとは?

中途採用に着手すべきタイミングは、採用ターゲットや採用戦略によって異なります。

中途採用において1人の採用に要するリードタイムは、一般的に1ヶ月~2ヶ月程度です。

しかし、専門職や経営層のような採用難易度が高いケースでは、3ヶ月~6ヶ月超と長期化する可能性があります。

採用にかけられる人員やコストも考慮しながら、最適な時期に入社できるよう採用活動を進めなければなりません。

求人市場が活発な7月・10月・1月の前後に中途採用を始めるのも母集団形成に有効ですが、競合との人材獲得競争によって採用活動が難航する可能性も考えられます。

市場の動きに着目しながら、自社の事情に応じた採用計画を立てましょう。

中途採用を進めるときのポイント

中途採用の採用活動を進める際は、求職者動向に応じた戦略を立てなければなりません。
繁忙期と閑散期では留意すべきポイントが異なります。

繁忙期のポイント

多数の求職者が市場に出てくる繁忙期は、競合との差別化やスクリーニングに成功すれば、求める人材を確保しやすい時期と言えます。

重要なのは「選考のスピード感」です。

売り手市場の採用市場では面接前後の辞退も増えており、他社へ流れてしまう前に選考を進める必要があります。

また、選考結果をいち早く応募者に伝えることは「あなたこそ求めている人材です」というメッセージにもなり、採用決定率の向上に有効です。

閑散期のポイント

GWや夏季休暇期間は採用活動を休止する企業が増え、求職者の動きも減退しがちです。

しかし、多忙なビジネスパーソンこそ休暇期間を利用して転職活動をおこなう傾向にあるため、閑散期の採用活動によって優秀な人材を獲得できる可能性があります。

退職後のブランク(無職期間)を作らないために、退職予定日の数ヶ月前から情報収集を始める転職希望者も少なくありません。

求人市場の閑散期に求人を定期的に出し続けることで、競合の求人に埋もれることなく、転職希望者の目に留まりやすくなります。

まとめ

中途採用支援ならカケハシ スカイソリューションズ採用成功のカギは、自社の状況と人材市場の動向に合わせて選考スピードや採用手法を変更する柔軟性です。

必要な人物像がブレないよう採用現場と連携しながら、採用計画を調整しましょう。

採用・育成・定着の支援までワンストップでソリューションを提供する「カケハシ スカイソリューションズ」では、これまでのべ12,000社の中途採用支援を通して培った採用ノウハウを駆使し、応募数を最大化する求人サイト、プランをご提案しています。

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よくある質問

求人の多い時期に関する質問に回答します。

求人が一番多い月はいつですか?

年間を通して求人が増える月は複数ありますが、7月・10月・1月前後に求人の増加が見られます。

求人が活発な時期はいつですか?

企業の決算後や年度末は、新たな戦略に向けた体制作りや退職者の穴埋めに向けて求人が活発化する傾向にあります。

監修者情報
知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。中途採用の知恵袋では、採用担当向けに、中途採用全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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