2024/8/7 vol.315 KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信 “分けることで、わかること” 取締役 土方求 空前の人手不足が続いています。
仕事の関係上、採用活動がうまくいかなくて困っているという話題であふれかえっているのです。 各社、採用活動に様々な工夫を施し、予算・スタッフを増強しているにも関わらず、人員が充足できているという話はほとんど聞きません。 少子化、労働人口の減少、売り手市場対応、選んでもらえる組織施策、離職率の上昇、採用活動の複雑化・長期化。頭を悩ませる状況が続いています。 出典:人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月) 株式会社帝国データバンク 採用活動のオンライン化により、応募者を自社のみに惹きつけて入社に導き、その後も長く活躍・定着してもらうことの難易度が上がっているのは間違いありません。 今回は、こういった問題を解消するヒントとして「仕事内容を分けてみる」というお話をしたいと思います。 仕事内容を分けるメリットはわかりづらいかもしれません。 「同じ職種だから、どこの企業も同じ仕事でしょ?」 「幅広く、様々な仕事に携わった方が社員の成長機会にもつながるのでは?」 という意見はごもっともです。 私が若手時代の営業の仕事といえば、アポイントを取り、見込み客をフォローし、商談でプレゼンをし、クロージングをかけて契約をとるのはもちろんのこと、 納品活動や、お客様のサポート、次の営業活動につなげるまでの全てを自分でおこなうことが当たり前でした。 現在は、問い合わせの獲得をマーケティングが、アポイントの取得はインサイドセールスがおこなってくれています。定期的な見込み客への連絡もサポートしてくれ、晴れて受注した後は、カスタマーサポートが納品活動を手伝ってくれています。 時代は変わったものだなぁと感じます。当時と比べると、とても効率的で、はっきり言うと楽になったのです。 仕事の役割を分けたことで、丁寧で正確な対応が可能になり、お客様にも喜んでいただける。よいことだらけです。 「自分は全てをやってきたし、これからも変わらずやるべきだ」という意見に対しても、様々な仕事を経験することから得られる成長についても、否定するつもりはありません。 しかし、時代の流れとして、仕事内容はどんどん分けられています。タクシーの配車アプリや、飲食業の注文タブレット、配膳ロボなどのテクノロジー施策は分かりやすい例だと思います。 仕事を分けていくことのメリットは2つあります。 1つめは、社員の教育や技能習得が早くなること。限定された役割と経験値が積み重なることで、戦力化が早まるのです。 もう1つは、企業と採用人材の仕事内容のすり合わせ精度が上がることです。やりたい仕事や、やりがいは多様化しており、応募者のニーズも細かくなりましたので、仕事内容が細分化されている方が、よりマッチングしやすくなるのです。 分けていくことで、わかりあえる度合いが上がる。このことは、採用だけでなく、既存社員の定着にも同じような効果があります。 仕事内容を分けていくという視点で、ぜひ自社の分析をおこなってみてください。 分けていくことで、気づきや、わかることがあり、採用活動や定着にも、必ずプラスのメリットが出てくるはずです。 Pick up Seminar Articles |