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2024/11/13 vol.321

KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信
「人と組織の成長を加速する」カケハシ スカイソリューションズのメールマガジンです。

★今回のTOPICS★
■コラム「いったい他社は採用にいくら使っている?」
(西日本事業部 事業部長 大塚哲平)
■おすすめセミナー「新卒採用成功に向けた採用戦略会議

“いったい他社は採用にいくら使っている?”

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西日本事業部 事業部長 大塚哲平


言わずもがなですが「空前の売り手市場」です。
正社員からアルバイトパートなど、様々な雇用形態で、応募がない、内定を辞退されるなど、これまで通用していた採用パターンが崩れてきています。
大卒採用だけを切り取っても、もはやバブル期並みの採りにくさ、との声も聞かれます。大卒採用に20年ほど携わってきた自身としても、コロナ禍以降の採用市場の変化には驚かされます。

バブル期の再来?の中、どんなところに投資をすべきなのか。このコラムがそんな疑問のヒントになれば幸いです。


■バブル期並み?
バブル期と最近の学生数及び新卒求人倍率は以下の通りです。

バブル期(1990年代初頭)
1990年(平成2年)には約37万人が大学を卒業(22歳人口は200万人程度)
1991年3月卒業者の新卒求人倍率は2.86倍

現在(2020年代)
2020年(令和2年)には約61万人が大学を卒業(22歳人口は120万人程度)
2025年3月卒業者の新卒求人倍率は1.75倍

求人倍率の上では、バブル期に及びませんが、22歳人口の減少と大学進学率の伸長の背景を鑑みると、「質を重視した採用」では、ほぼバブル期と同程度の採用難易度と考えられます。


■採用単価は?
バブル期の採用状況を振り返ると、文系は1人あたり100万円、理系は150万円の採用コストがかかっていたという話を耳にします。
採用単価は需給バランスに基づくと考えられますので、1948年以降の全国有効求人倍率の数を調べると1990年で約1.4倍、2023年で約1.3倍になっています。


(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「早わかり グラフでみる長期労働統計」

バブル期の採用単価を元に、求人倍率の割合で単純計算をすると、2023年時点においての採用単価は、文系で約93万円、理系で約140万円と導き出せます。
つまり、他社は平均120万弱の投資をしていると考えてもよさそうです。
(ちなみにリーマンショック後の2010年は、求人倍率が約0.5倍ですので、採用単価は、平均45万円と考えられます。)


■採用施策は掛け算。何に投資する?
採用単価は平均値のため、企業規模や業種、募集職種や地域で上下しますが、外部に出ていく費用と内部で施策する費用という分け方をすれば、採用単価に大きな差は生まれないのではないかと考えています。

下記の通り、採用は「施策の掛け算」で成り立っており、どれかがゼロなら、採用は難しくなります。
今回は外部に出ていく費用と内部で施策する費用を含めて、ざっくり(1)~(5)に分けてみました。

(1)ターゲット
どんな人を採用するか?
学歴や学部などのハード情報が他社と競合しづらい、絶対数が多いターゲットならば、採用単価は下がっていきます。
また自社で活躍しそうな人材要件を細かく定義するなどの施策をすれば、無駄な広報費を抑えられる可能性もあります。

(2)コンセプト&コンテンツ
どんな会社なのか?
魅せ方や出会い方、コミュニケーションの取り方など、他社と差別化を図る工夫が散りばめられている企業は歩留まりが向上し、採用単価を下げることができます。
社内で実施する、外部に依頼するなどの投資余地はありそうです。

(3)チャネル
何を使って告知をするか?
求人広告はもちろん、採用サイトやSNS、リファラル(縁故)なども求職者とつながるチャネルです。ターゲットに出会う手法は様々ですが、主にはここが外部に出ていく費用の中心になります。

(4)採用体制
誰が対応するか?
社長やトップセールス、トップエンジニアが求職者対応をすれば、おのずと歩留まりは向上します。人事担当者に現場の第一線で活躍されている方を据える会社もあります。
外部に出ていく費用ではありませんので、採用単価を抑えることはできますが、内部施策の費用としてカウントされます。

(5)待遇
給与や休暇などの見直しは待遇改善にあたり、直接外部に出ていく費用にはなりませんが、採用後にかかる費用となります。
待遇を上げることができれば、採用体制やチャネルへの投資にパワーや費用を割かずとも、ターゲットの採用確率を上げることができそうです。

今回は、(1)~(5)に分けて考えてみましたが、超売り手市場の昨今、外部に出ていく費用だけを下げることや、採用予算にも限界があります。
ただ、現在の市況感を正確に捉え、ターゲットを再定義してみる、コンセプトやコンテンツに工夫を凝らす、採用体制を強化する、待遇を改善するなど、内部の施策にも投資することが、バブル期再来とも言える現在の採用マーケットにおいて、重要なポイントではないでしょうか?

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