![]() 2025/7/9 vol.337 KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信 “大谷翔平選手を安く獲得する方法を教えてください” ![]() キャリア採用事業部 執行役員 金子憲昭 これは少し大げさな表現かもしれません。 しかし、実際に似たような要望を受けることは珍しくないのです。
「できるだけコストをかけずに、優秀な人を採用したいんです!」 そういったご相談が後を絶ちません。
今の世の中、物価高は誰の目にも明らかです。 CPI(消費者物価指数)を見ても、1年前(2024年5月)と比べて3.4?3.5%ほど上昇しています。
日常の買い物や飲食、ガソリン代に至るまで、「年々高くなっているな…」と実感されている方も多いのではないでしょうか。
当然、この物価上昇は企業活動にも波及しており、採用市場も例外ではありません。 私たちが現場で感じているのは、採用単価(一人当たりの採用費用)が昨年と比較して20?30%ほど上がっているということです。
それにもかかわらず、「いい人を、安く採りたい」という声は根強く残っています。 厳しい言い方のように聞こえるかもしれませんが、まるで、世の中の物価が上がっていることと、自社の採用は無縁だと考えているかのように感じられることもあります。 もちろん、私たちも「採用費をとにかく高くしましょう」と主張したいわけではありません。 あくまで「適正な採用費を考えてくださいね」という提案です。
たとえば建設業界では、今や1級建築施工管理技士などの有資格者は喉から手が出るほど欲しい人材です。 この資格と経験があるだけで、企業は3億円以上の案件を安定的に受注できます。
となれば、企業としても年収800万円以上は当たり前で、採用単価にして250万円を下回ることはありません。
にもかかわらず、「年収500万円、採用単価100万円くらいでなんとか採用できないか」といったご相談をいただくことも多いのです。 企業側からすると「そんなに年収は払えない」という切実な事情もあるのだと思います。
しかし、それでは求めるような高スキル人材は、決して振り向いてはくれません。 「人材紹介会社に依頼しているから大丈夫」というお声も聞きますが、そこにも落とし穴があります。
人材紹介会社のビジネスモデルは成功報酬型。 年収が高く、入社確率が高い人材に対してリソースを集中させるのが当然のビジネス判断です。 無名企業や条件が悪い企業が後回しになってしまうのは、避けられない現実と言えるでしょう。
かつて、ある企業様が「採用って、入社してくる方に三顧の礼で迎え入れるようにしないといけませんよね」と仰っていたことを思い出します。 この企業様は、採用市場が過熱している現在も、優秀な人材をしっかり獲得されています。
結局のところ、本当に必要な人材を手に入れたいのであれば、採用費・待遇・スピード・時間、すべてにおいて投資する覚悟が求められるのです。 採用は「先行投資」であり、目先のコストだけで判断すべきものではありません。 大谷翔平選手を安く獲得する方法が存在しないのと同じように、採用する人材に対しても、適正な対価と敬意を持って迎え入れる必要があります。 それが「人材を資産と捉える」企業の姿であり、採用成功への第一歩なのです。
カケハシ スカイソリューションズでは、キャリア採用相談会を開催しています。 業界別の成功事例もお伝えし、参加企業様に合ったアプローチ方法をご提案します。
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