新入社員育成

人材育成のプロ集団が中途社員におこなう驚きの研修方法をレポート

新入社員が入ってきたとき、みなさんの会社ではどのように教育をおこなっていますか?「まずは研修を実施する。」という会社も多いのではないでしょうか。

研修には様々な方法があります。講義形式のもの、ワークショップ形式のもの、最近ではe-ラーニング形式の研修を実施している会社もあるでしょう。

私は、人材業界の企業から同業である株式会社カケハシスカイソリューションズ(以下、カケハシ)に入社した中途社員です。

本記事では、人材業界から人材業界へ転職した私が驚いた、「人材のプロ」ならではの研修方法の概要とそのメリットについて自身の体験をもとにお伝えしていきます。

人材育成のプロ集団が中途社員におこなう研修方法とは

カケハシに入社した私が配属されたのはマーケティング課です。同じ課への入社者は私を含め2名。マーケティングをおこなう上で、自社の商材知識は欠かせません。

今回は商材知識をつけることを目的とした、カケハシのマーケティング課独自の研修方法をお伝えします。

研修の概要

カケハシでは事業部ごとに複数の商材を扱っています。どの事業部がどんな商材を扱っているか、いち早く理解することが新入社員には求められます。

商材知識をつける方法として、講義形式の研修を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかし、カケハシでは商材についての説明はおこないません。商材知識をつける方法として、「企画書から独学で商材を学び、商材についてプレゼンする」という方法をとっています。

研修の流れ

研修の流れは以下4つのステップで構成されています。

研修の流れ
  1. 入社者がそれぞれ担当する商材を1つ選択する
  2. 企画書から独学で商材について学ぶ(1時間程度)
  3. 企画書だけではわからなかった点を担当事業部に質問して理解を深める(30分程度)
  4. 理解したことを入社者同士でプレゼンし、質疑応答をおこなう(1人15分程度)

今回の研修では、担当する商材については先輩社員が指定する形で決定しました。

各項目の時間配分は大まかに設定されたものの、何を質問するか、誰に質問するかの判断は個々人にゆだねられます。企画書をとにかく読み込んで理解するもよし、担当事業部にとにかく質問するもよし。

結果的に商材について知らない相手にプレゼンできるまで商材知識をつけることが研修のゴールとして伝えられました。

入社者同士が教え合う研修方法がもたらす3つのメリット

商材知識をつける上で、自ら質問しない限り一切説明を受けられない今回の研修方法。本研修を体験して感じた入社者側のメリットは3つあります。

  1. 他事業部の社員と積極的に交流できる
  2. 学んだ知識をすぐプレゼンすることで商材知識が定着する
  3. 自分にはない視点での学び方、アウトプットの仕方が学べる

1.他事業部の社員と積極的に交流できる

新入社員が配属部署以外の社員に自ら話しかけることは、最初は勇気がいるものです。

しかし研修の一環となれば話は別です。企画書だけで商材を完璧に理解することは通常困難であるため、必然的に担当する事業部の社員に商材について質問することが求められます。

会社の規模にもよりますが、特に社員数が100名以下程度の中小企業であれば、業務上他の部署の社員と関わることも多くあるのではないでしょうか。

入社間もないうちから、他部署の人も含めて顔と名前、および担当している業務内容を理解しコミュニケーションをとっておくことは、その後の働きやすさにもつながります。

2.学んだ知識をすぐプレゼンすることで商材知識が定着する

もっとも効果的な学習方法は「自分が学習した内容を誰かに教えることだ」ということが
2014年、脳科学者であるJohn Nestojko博士の研究でも明らかになっています。

John Nestojko博士の研究では、被験者を2グループに分け、新しい情報を学習させるのですが、一方には学習後にテストをおこなうと伝え、もう一方には学習後に他人に教えることになると伝えました。

実際にはどちらのグループも他人に教えることはせず、テストのみをおこなうのですが、他人に教えるように指示されていたグループの方がテストでよい結果を残したというのです。

今回の研修でも、最後に入社者同士で商材についてプレゼンし合うように伝えられたことで、自分が商材を理解することはもちろん、どのように説明すれば相手が商材を理解できるかまで考えながら学習する必要がありました。その結果、過去講義形式で商材について学んだときよりも、今回の方がより知識が定着したように感じました。

3.自分にはない視点での学び方、アウトプットの仕方が学べる

同じ商材を学んだとしても、学び方やプレゼン方法は人によって異なります。

企画書を一から説明しようと考える人もいれば、事例を読み込み、まずは具体例を使って商材のイメージを大まかにつかむことを優先する人もいます。

お互いに商材についてプレゼンし合うことで、どのように商材を学び、どのようなアウトプットにするとわかりやすかったのかについて新たな気づきを得ることができます。

自社に合う研修方法を見つけよう

今回はカケハシが中途入社者向けにおこなった商材知識をつけることを目的とした研修についてご紹介しました。しかし、商材知識をつける研修方法として、今回の方法が一番効率的な方法だとは限りません。

のちに先輩社員になぜ入社者同士が教え合う研修方法を選択したか聞いてみたところ、
以下3つの理由があげられました。

  • 同時入社者がいたこと
  • 業務をおこなう上で早急に商材知識をつける必要があったこと
  • 業務をすすめる上で他部署の社員と関わることが多い部署であったこと

この他、マーケティング課のマンパワーの問題で先輩社員がつきっきりで教える必要がないことも、入社者同士が教え合う研修方法を選択した理由の一つだったようです。

このことからもわかるように、企業の規模感や入社者の人数、研修の目的をどこに設定するかによって、適切な研修方法はかわってきます。

カケハシではこれまでのべ3,000社以上の企業の教育・研修をお手伝いしており、研修に関するノウハウは豊富にあります。研修方法にお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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