ゲーミフィケーションという言葉をご存知でしょうか。ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素や原理をゲーム以外の領域で活用することを意味します。
近年、ゲーム形式の会社説明会やインターンシップが開催されるなど採用領域においてもゲーミフィケーションの活用が注目されてきています。
本記事ではゲーミフィケーションを採用領域に活用することで企業の採用課題解決をお手伝いしてきた当社が、実際に採用に活かすためのプロセスについて解説していきます。
ゲーミフィケーションを採用に活かすメリットや具体的な内容が知りたい方は、以下の記事も合わせてお読みください。
目次
ゲーミフィケーションを採用に活用する上で理解しておくべき前提
ゲーミフィケーションを採用に活用する上で押さえておきたいポイントが3つあります。
- 学生は表面的な条件で企業を比較しがち
- 目立たせる・楽しませることが目的ではない
- 伝えられる情報量はプレゼン形式と比べてかなり少ない
1.学生は表面的な条件で企業を比較しがち
新卒採用市場は売り手市場で、学生が企業を選ぶ立場がつづいています。学生はどのような判断基準で企業を比較しているのでしょうか。
社会人経験のない学生は、企業の規模感や設立年数、売上などといった単純な条件で比較しがちです。
特に事業内容や商材、ビジネスモデルなどで他企業と明確な差別化がはかりにくい中小企業の場合であればなおさら、初任給の高さや立地、従業員数などといった表面的な情報だけで比較されてしまう可能性が高くなります。
他社に絶対に負けないと自負できるほどの好条件が出せる場合を除き、表面的な条件だけで比較されては困る場合も多いのではないでしょうか。
表面的な条件だけで比較されないようにするためには、企業の印象付づけを強化することが重要になります。
2.目立たせる・楽しませることが目的ではない
採用にゲーム的要素を取りいれると聞くと、「派手なことをして目立たせようとしているのではないか」「学生をただ楽しませることが目的なのではないか」と考える人もなかにはいるでしょう。
ゲーミフィケーションを採用に活用することで注目が集まることや、集客の増加が見込まれることは事実です。しかし、単に目立たせる・楽しませることがゲーミフィケーションを活用する趣旨ではありません。
ゲーミフィケーションの趣旨は企業理解の促進です。ゲームという体験学習を通して情報を吸収することで、話を聞くだけでは印象に残らなかった情報の印象を強め、応募意欲を向上させることを目的としています。
3.伝えられる情報量はプレゼン形式と比べてかなり少ない
ゲームというコンテンツの特性上、盛り込める情報量には限りがあります。
60分間のゲームで伝えられる情報量と60分間の講義で伝えられる情報量を比較すれば、圧倒的にゲームの方が情報量は少ないことは容易に想像できるのではないでしょうか。
しかし情報とは多く伝えればよいというものでもありません。伝えたいメッセージを絞ることでより強く印象に残せる場合もあります。
ゲーミフィケーションを採用で活用する場合には、「何を一番伝えたいメッセージとするか」といった情報の絞り込みが重要なポイントとなります。
ゲーミフィケーションを採用に活用するための4つのプロセス
ゲーミフィケーションを採用に活用するためのプロセスは大きく4つに分かれます。
- 企業の魅力となる要素の関係性を図式化する
- 競合との差別化ポイントを創り出す
- ゲームを通して差別化ポイントを体験学習させる
- 体験学習で得た経験に補足説明を加え情報を腹落ちさせる
1.企業の魅力となる要素の関係性を図式化する
まずは企業の魅力となり得る要素をすべて書き出しましょう。
企業の理念や社風、福利厚生など、ジャンルは問わずひたすらあげてみてください。このとき他社との差別化ポイントとなるかは考慮する必要はありません。
魅力となる要素が書き出せたら、それぞれの要素の関係性を図式化してみましょう。そうすることで企業が大事にしている根底となる価値観や個性が見えやすくなります。
2.競合との差別化ポイントを創り出す
採用をおこなう上で重要となるのが競合との差別化ポイントを明確にすることです。
売り手市場の昨今、競合との人材獲得競争は避けられません。競争になったときに勝つための差別化ポイントを明確にできるかどうかで採用の明暗が分かれるといっても過言ではないでしょう。
中小企業の場合は特に、「わかりやすく競合に勝てる差別化ポイントが見つからない」という声も多く聞かれます。
その場合にはさきほど書き出した魅力となる要素の掛け合わせで競合に勝てるポイントを創り出しましょう。
例えば「社員の成長を企業のもっとも重要な軸を考えている」という企業があったとしましょう。それだけでは同様の理念をもった企業があるかもしれません。そこに「創業50年という安定基盤がある」という魅力が加わるとどうでしょうか。
それでもまだ重複する競合がいる場合にはさらに魅力となるポイントを掛け合わせていく、あるいは別の魅力を打ち出すことで独自の差別化ポイントを創り出しましょう。
3.ゲームを通して差別化ポイントを体験学習させる
差別化ポイントが明確になったら、差別化ポイントを体験学習できるようなコンテンツのゲームを用意します。
ここでポイントとなるのが、体験学習で情報を吸収させることです。プレゼン形式のような受動的な学習とは異なり、能動的な学習である体験学習は知識として定着しやすく印象に残りやすいとされています。
企業の根底ともいえる魅力を強く印象づけ知識の受け皿をつくることで、ゲーム後におこなう企業の補足情報が浸透しやすくなります。
4.体験学習で得た経験に補足説明を加え情報を腹落ちさせる
ゲームが終了したら「なぜこのゲームをおこなったのか」等ゲームの意図について必ず解説しましょう。
その上で企業の魅力を伝えると、体験学習の効果で情報の信憑性が増し腹落ちしやすくなる効果が期待できます。
ゲーミフィケーションを活用して企業の魅力を強く印象づけよう
繰り返しになりますが、現在の新卒採用市場は売り手市場です。学生との接触機会を確保することはもちろん、いかにその場で学生に企業の魅力を印象づけられるかどうかが重要なポイントとなります。
ゲーミフィケーションを採用に活用すれば、学生との接触機会の増加と企業の印象づけの強化を合わせて実現することも可能です。この機会に採用への活用を検討されてみてはいかがでしょうか。
伝えたい魅力はあるけど、どうやってゲームに落とし込めばいいのかわからない。
そのように思われた方もいるのではないでしょうか。
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