従業員の離職が後を絶たない。離職防止対策を打ちたいが、何に取り組めばいいのかさっぱりわからない。
当記事では、上記のように悩んでいる人事担当・リーダー層の方の疑問にお答えします。
人材不足が叫ばれる中、既存社員に対する離職防止対策について頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。離職防止対策を考えるためには、社員から挙がる離職理由を分析することが重要です。
離職理由を正確に把握することで、適切な対策を立てることができます。今回の記事では、離職率の高い企業が取り組むべき離職防止対策を4つご紹介します。
目次
離職防止対策には離職理由の分析が重要
社員の離職に悩む企業様では、離職を少しでも食い止めるために、離職防止対策を検討しているのではないでしょうか。
何かしら施策を講じたけれども、目に見えるような成果が出ずに悩むこともあるでしょう。
離職理由は多岐にわたるため、自社の離職率を低下させる対策として何が一番適しているのかを判断することは決して容易ではありません。
離職を防ぐためには、まず社員の離職理由を吸い上げ、何が離職を考えるきっかけになっているのか分析することが重要です。
離職理由に、企業の成長を妨げる課題が潜んでいる可能性もあります。コストと時間をかけて採用した従業員が離職しないようにするためにも、離職理由に基づいた対策を選択しましょう。
よくある離職理由については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
離職防止対策4選!すぐに導入できる具体的な施策とは
離職防止にはどのような対策が効果的なのでしょうか。すぐにでも取り入れたい具体的な対策を、4つのカテゴリに分けてご紹介します。
- 労働条件・職場環境の見直し
- 人間関係やコミュニケーションの改善
- 仕事へのやりがいを感じるようにする
- キャリアデザインを描きやすくする
対策(1) 労働条件・職場環境の見直し
離職防止対策としてまずあげられるのは、労働条件・職場環境の見直しです。
給与や福利厚生、勤務時間など、労働条件がネックになり離職を考える社員が多い場合、自社の就労規則の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。賃金や処遇などに影響する社内評価制度も定期的に振り返り、整えていきましょう。
長時間勤務や非効率な業務の進め方、休日が少ない、残業の多いという労働環境の悪さに不満を感じ、離職を考える社員もいます。これらに対しては、業務時間の削減、業務に対する負荷を均衡化、適切な人材配置などの対策である程度改善できるはずです。
新入社員や若手社員は、業務内容や組織の風土に対して「思っていたものと違う」とギャップや不安を抱えてしまうことがあります。
悩みを溜め込んでしまう前に気付けるよう、社員の心理状態を把握するためのストレスチェックや、ブラザー・シスター制度の導入も効果的な対策と言えるでしょう。
対策(2) 人間関係やコミュニケーションの改善
離職理由として無視できないのが人間関係の悪化です。業務内容や職場環境に不安がない場合でも、苦手な上司や部下がいるだけでストレスに感じることもあります。
適切な人材配置やコミュニケーションツールなどの活用で、社内の風通しを良くすることが重要です。コミュニケーションによる社員の悩みを早期発見できるよう、従業員アンケートや面談などを定期的に行うとよいでしょう。
また、上司と部下、社員同士が積極的に関わりあえる、社内イベントやランチミーティングなどを取り入れることも有効な対策となります。安心して仕事に取り組める環境作りを目指しましょう。
対策(3) 仕事へのやりがいを感じるようにする
仕事へのやりがいや満足度が低いほど、早期離職に結びつく可能性も高くなります。
やりたい仕事であるか、仕事の量や責任の重さが適切であるか、成果が見込めるか、見合う賃金が支給されているかなどは、仕事へのモチベーションに大きく影響します。
また、チャレンジしやすい風土や環境にあるかどうかも、やりがいに直結する問題と言えるでしょう。社内表彰制度や、数字では表れにくい活躍を評価する「ピアボーナス」などを、離職防止の対策として活用してみてはいかがでしょうか。
また、社員の仕事への満足度を知るためのエンゲージメントサーベイなどを定期的に取り入れ、社員のモチベーションを正確に把握することも大切です。
対策(4) キャリアデザインを描きやすくする
「この会社で働いていてもキャリアを築けない」というキャリアに対する不安が、離職に結びつくこともあります。
自社で働くことでどのようなキャリアを作っていけるのか、「キャリアデザイン」を描きやすくすることは、離職防止対策になります。
まずは面談やアンケート調査などで、社員が抱えている将来に関する不安を明らかにしてみましょう。
キャリア形成に対する不安が多ければ、上司や人事部に直接相談できる機会を設けるのも効果的だと言えます。
また会社側は、従業員に対して経営方針や会社の将来性を常に提示しておくことを意識しましょう。将来のキャリアがイメージしやすいよう、社内ロールモデルとなる社員を発掘し育成すれば、離職を悩む社員に対しても良い影響を与えられます。
離職防止アドバイザーに聞く、離職防止に有効な対策
離職を希望する社員に対し、人事担当者やリーダー層はどのような対策を取ることができるのでしょうか。離職防止アドバイザーに、離職防止のための有効な対策について聞いてみました。
教育研修事業部 事業部長
離職を希望する社員にどのように向き合えばよいでしょうか?
離職理由は、世代別や階層別で違うということを理解する必要があります。
例えば、若年層ですと理想と現実にギャップを感じて現状に満足していない場合がありますし、5~10年目になると家庭の事情で離職する場合もあるでしょう。
そのような背景を知ることで、対策に繋げることができます。
「離職したい」と切り出されてからでは、説得はとても難しくなります。上司が普段からどれだけ関わりを持てているかが大切です。
業務に関してだけではなく、プライベートの様子も図れるようなコミュニケーションをとれているか、上司自身の面談スキルを上げることも意識していただきたいですね。
企業としては、離職率を下げることだけに捉われるのではなく、その先にある社員のキャリアについてもしっかり考えてあげましょう。
キャリアを積みながら活躍していける組織像を提示できれば、社員たちの意識も変わるはずです。
離職防止対策を取り入れ、実際に離職率が低下した事例を教えてください
店舗運営をされているある企業を例にお話しすると、OJT制度や管理職研修に力を入れたことで離職率低下を実現したケースがあります。
研修をきっかけに様々な対策を取り入れたのですが、特に入社から一年未満の社員に対しては、人事担当者が実店舗に出向いてフォローし、相談しやすい環境を整備したそうです。
すると、以前は「離職したい」と決意した後に報告する社員が多かったところ、「離職を考えている」と前段階で相談を受けることが増えたそうです。
そのような相談に適切に対応した結果、離職率を大幅に下げることができました。事前に相談があれば管理側も対処ができますよね。
コミュニケーションの量が増え、相談しやすい風土に変わったことが、離職防止に繋がった事例と言えるでしょう。
離職防止対策は日々の模索・改善の繰り返しが重要
離職の理由は社員によって違うため、離職防止の対策も多岐に渡ります。会社として、管理者として、社員といかに関わり合うかが重要となるでしょう。
アンケートや面談など、社内コミュニケーションを活性化するとともに、管理職のマネジメントスキルも向上させる必要があります。
社員にとって働きがいのある会社であり続けるために、離職防止対策を模索し、改善していくようにしましょう。
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