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2018/10/10 vol.175

 

BUSINESS COLUMN

“アメリカよりも10年遅れている日本のHRテクノロジー”

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『HR Techに一度も出席していないのなら、ここがあなたの冒険を始める場所です』

ラスベガスで9月におこなわれた世界最大のHRテクノロジー展示会のオリエンでの言葉です。アメリカらしいイベント性と、この領域への期待を感じさせる内容でした。

今年で第21回を数えるこの展示会は、まだ日本でIT普及率が低かった時代から開催されています。

日本におけるヒューマンリソース分野でのテクノロジー活用は、まさにこれから。
いまこそ、一気にHRテクノロジーが広がっていくタイミングなのではないでしょうか。

・世界の潮流がどこへ向かうのか
・日本マーケットでの活用

この2点をキャッチアップすることを目的に、弊社では、昨年からこの展示会に参加しています。

この2年、毎年400社以上が出展をし、GoogleやIndeed、Microsoft、SAPなど日本でもなじみのある顔ぶれがブースを構えていました。

キーワードとしては、AI、タレントマネジメント、エンゲージメント、オンボーディング、HRアナリティクス、ウェルネスなど、日本でも導入が始まっている言葉が目立ちます。これらは概念としては日本でも知られ始めており、今後日本独自の進化を遂げる可能性が感じられるサービスの展示もありました。一方で当たり前と言えば当たり前ですが、魔法のような発明や、日本に全くないサービスは見当たらなかったように感じます。

違いを感じたのは、オールインワン(トータル)ソリューションというテーマが多かったことです。これは既に企業が何らかのHRテクノロジーを導入・使用している前提で、新たに導入したいツールを導入済みのツールに統合してより高い価値を生み出そうという考え方です。このオールインワン(トータル)ソリューションがアメリカでは主流となっています。しかし残念ながら、まだ日本では、まず何かの領域で導入しようという段階で、マーケットとして、10年ほど遅れていると感じざるを得ませんでした。

では今後、日本で活用されていくHRテクノロジーはどのようなものなのでしょうか。
今回の視察で感じたポイントとなる領域が2つあります。

一つは、オンボーディング。

言葉の由来となった「on boarding」とは、船や飛行機に乗っている状態を表しています。ここから派生して、自社の加入社員をサポートし、慣れさせていく意味を持った「オンボーディング」という言葉が生まれました。具体的には、採用~定着期間に対しての施策を指します。

マネジメント層が属人的におこなっていた個別の配慮や声掛けを、テクノロジーを用いて標準化し、何かが起きる前にアラートを鳴らす仕組みを組織に導入することで、離職防止・定着させていくことを狙うのが、この領域です。採用の売り手市場を考えても即効性があり、マネジメントを効率化することにもつながります。

そしてもう一つは、採用(候補者)管理。※CRM(Candidate Relationship Management)

採用ルート、採用プロセス、候補者・退職者管理などの最適化を目指すためにデーターベースを蓄積、活用する手法のことです。

展示会で見たサービスは、SNSクローリング機能も備えており、マッチング性の高い人材の把握はもちろん、今は希望職種の募集がなされていない層や興味はあるが転職時期が未定な候補者等がデータベースにプールされ、最適なタイミングでアプローチできるというものでした。

視察に行ったからこそ、日本の独自性や欧米との違いを感じました。いま欧米にあるサービスをそのまま持ち帰ってもこういったサービスが、日本に定着するイメージが湧かなかったことも事実です。

しかし、大きな流れとしては必ず、10年後、こういったテクノロジーの導入が日本でも当たり前になり、日本にマッチする形で導入を進めた企業と、そうでない企業とでは、大きな差がついてくることになります。

だからこそ、今、人事に携わる方にとってHRテクノロジーにアンテナを立てることが非常に重要なのです。


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KAKEHASHI Q&A

“最近よく耳にする「HRテクノロジー」、
        自社に合うものをどうやって選べばいいの?“

Q28. 長野県 / サービス業 / 従業員数350名 / 新卒採用

 HRテクノロジーとは、IT技術を用いて人事分野の課題解決や効率化を図るサービスの総称です。採用、育成、勤怠、評価など、ジャンルごとに特化したサービスがあります。
 人事の負担軽減を見込んで使用されることが多いHRテクノロジーではありますが、導入の効果を得るためには、まず自社の課題を見極めることが肝心です。例えば「若手の離職」が課題であると感じている場合でも、入社後のサポート不足が原因なのか、採用時のミスマッチが原因なのかによって導入するツールも異なります。入社後に原因があれば定着促進系のシステムを、採用時に原因があれば採用管理システムを導入することを検討してもいいかもしれません。表面上は同じ課題に見えても、本質的な原因が異なれば、有効なサービスも違います。
 ただ目新しいものを導入するのではなく、課題に合ったサービスを導入し、人にしかできない仕事に注力することで効率化を図り、成果に繋げましょう。


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