いきなりですが、皆さん最近テレビをどのくらい観ていますか？『テレビ離れ』が進んだと言われて久しいですが、かくいう私も以前に比べて視聴時間が大幅に減っています。YouTubeやAmazonプライムビデオ、Netflixといった代替コンテンツが生まれたことも理由の一つかもしれません。でも、それ以外にも視聴者の志向の変化が強く影響している気がしてならないのです。

テレビ番組のジャンルの中で、今何が一番観られているか。様々な調査がおこなわれていますが、総じて『1位ニュース』『2位ドキュメンタリー』『3位ドラマ、もしくはスポーツ』という結果が出ています。一方で、「つまらない」という回答が寄せられたコンテンツの第1位が『バラエティ』。確かに私もめったに観なくなりました。

私が最近強く感じるのは、バラエティ番組特有の“リアルに似せたフェイク”に視聴者が飽きているのではないか、ということです。先日お会いした動画クリエイターの方が、「Netflix、Hulu等の動画配信サービスが今一番力を入れているのは、映画やバラエティではなく、ドキュメンタリーらしい」と話していました。フェイクに敏感な視聴者ニーズを察知して、即座に舵を切ったのだと思います。

そうした生活者の志向の変化は、企業の採用活動にも確実に影響してくるでしょう。今の就活生は、1990年代後半～2000年代生まれのいわゆるZ世代。今年37歳の私より、そしてこのコラムを読んでいる大半の方より、ずっと情報リテラシーが高い。つい先日、「生の情報を検索するにはGoogleよりTwitterの方がよっぽど早い」と弊社の若手が言っていましたが、Twitter検索で得られる情報の鮮度の高さに、私も正直驚きました。

テレビや企業が発する公式情報以上に、TwitterやYouTubeの情報を信じる。そんなZ世代は、企業の嘘や誇大広告にとても敏感です。私たちには思いもよらない手法で、広告よりよっぽどリアルな生の情報にたどり着きます。採用広報と彼らが独自で得た情報に大きな隔たりがあったとしたら、その会社の採用は決してうまくいきません。オシャレな採用サイトもモデルを活用した採用動画も「嘘っぽい」と思われたら最後、即座にクローズボタンを押されてしまうでしょう。

そうした人材に興味を持ってもらい、かつ「この会社で働きたい」と思ってもらうためには、コラムタイトルにもある通り“本当にいい会社になるしかない”と思うんです。採用広報だけ整えても意味がない。育成の風土、福利厚生、仕事内容、ビジョン、事業の将来性etc…。それらすべてが一気通貫して求職者の共感を得られる会社になることが、回り道に見えて、実は採用成功の一番の近道なのだと思います。特に、これからの時代は。

そう考えると、採用をサポートしてくれるパートナー選びの基準も今後は変わっていくのかもしれません。小手先の採用手法を提案する会社ではなく、育成の仕組みづくりやビジョンの言語化等、トータルで組織の成長をサポートできる企業がこれからは求められるのだと思います。弊社も先日企業スローガンをリニューアルしました。『人と組織の成長を加速する』。人材採用、組織強化、HRテック、ブランディングetc…。全方位からお客様の発展をサポートしようという意志を表現しています。

というわけで、長々とカケハシの事業方針と新スローガンの宣伝をさせていただきました。想いが少しでも伝われば嬉しいのですが。