2021年4月、カケハシは新たに3人の新入社員を迎えることができました。新たな生活様式の中で、新たな組織づくりをおこなう現在において、何が正解なのか。今までの経験はどこまで活用できるのか。新入社員に教えること1つ取っても、お互いに初めて尽くしで、手探りでの組織運営はまだまだ続きそうです。

このような状況下では「過去の成功に縛られない」ことが大切だと私は考えます。

理由は明確です。置かれている時代が違うからです。この10年で、働き方改革が叫ばれ、さらにDX時代に突入したことで企業の基幹システムを中心にIT化が進みました。さらに2020年からは一気にオンライン時代へと突入しています。つまり人の価値観はもちろん、自社内のシステム活用状況、自社の顧客をはじめとした世の中の当たり前が変化しているので、自分の過去の経験値だけで“答え”を出していては通用しないということを理解しなければなりません。

時代の変化を組織に根付かせるためには、新たな価値観を受け入れ続けることが大切です。その最も本質的で効果的な方法が定期的な人材採用です。新たな人材が組織に入ってくることで、世の中の変化をリアルに実感することは、元来、新卒採用の大きな効能の一つでもありました。

しかし現状は採用活動に大きなリソースを割けずに、採用活動の中止や縮小を決断している会社も多いと思います。

こんな状況下だからこそ、あえて提言いたします。

新たな価値観を組織に注入し続けるために必要なのは、
１． 全社を巻き込んだ採用活動を止めない
２． 若い人材を経営層の代弁者に育てる
です。

１については採用人数に関わらず、「採用は全社活動」という認識を社内に根付かせ続けることが大切です。今はOfferBoxなど成功報酬型の求人サービスが新卒採用・中途採用共に充実しており、小規模採用であれば広告投資を大きく抑えた採用活動の選択肢も増えてきました。そのため、予算の関係で採用自体を止める必要がなく、またオンライン化が進んだことで現場の社員や管理職以上の役職者含めて社員全員が採用活動に参加しやすい状況だと言えます。
時代にマッチした採用手法を取り入れ、社員と求職者が接する機会をつくることで、社員が直接求職者のマインドやリアクションに触れる場を得ることに大きな意味合いがあるのです。

２については社内の若い人材の価値観や認識を、組織変革や商品開発などに活かすことが重要です。管理職や幹部とは違う視点・立場から意見を出せる環境をつくり、互いに吸収しあう風土をつくることができれば、経営判断が現場に浸透するスピードも上がり、現場の意見が経営にも届く仕組みができます。実現するためのポイントは若い人材に「2つ上の役職者のマインド」に触れさせ、意識させることです。つまるところ、相互理解をする仕組みときっかけづくりが肝なのです。

今は我慢の時とお考えの方も多いと思います。しかし、時代は変化を続け、新たな価値観は生まれ続けます。だからこそ、社員も会社も「今」に取り残されないように、常に新たな価値観に触れ、受け入れられる組織をつくり続けることが大切です。そのための採用活動や社員間のコミュニケーション手法も増え続けているので、自社の次の変化を後押ししてくれる方法を見直す良い機会なのではないでしょうか。