錦織圭選手の全米オープン準優勝。
本当に素晴らしいですね。
ものすごいスピードのサーブを打ち返し、
ラリーになっても集中を切らさず、
ランキング上位の選手に立ち向かい、勝利を収める姿に、
多くの人が勇気と感動をもらったのではないでしょうか。
錦織選手は13歳でテニス留学でアメリカへ渡りました。
留学先であるアメリカ・フロリダ州のIMGアカデミーは
世界トップクラスの選手が拠点を置き、練習に励むところ。
アカデミーの経営者であるコーチ、ニック・ボロテリー氏の
指導の基本基本は、「ほめる」ことだそうです。
そして「ほめる」中には、具体的指導が含まれているそうです。
「君の良さは○○すればもっともっとよくなるよ。」
「素晴らしい!さらにこう動いたらもっと魅力的になる。」
というようなほめ方です。
才能あふれる人が集まり、高いレベルのところでさらに磨きあう。
身近に手本となるべきプレイヤーがいる。
その上、コーチにほめられて長所を発見し、存在を認められる。
もちろん本人の努力も並大抵のものではないことは当然として、
それでもコーチの存在が大きかったのだろうと感じました。
コーチは、会社組織で考えると管理職、マネージャーです。
部下を育成することは、管理職の大切なミッションです。
では、ニックコーチのように、
部下が持つ才能や可能性を引き出すことができているでしょうか。
管理職の役割は、果たしてその名の通りに管理すること、
指導することなのかといえば、
言わずもがな、徹底的に管理することが成果に結びつく時代は、
とっくに終わっています。
また、指導という言葉を辞書で調べると、
「ある意図された方向に教え導くこと」とあります。
しかし正解を見つけにくい今の時代、
マネージャーの意図する方向が必ずしも正解とは限りません。
まさに、ニックコーチが育成しているような、
「自分で考えて行動する能力を、
相談役との対話の中から引き出す自己改善技術」
を身に付けた人材が戦力となり、活躍する時代なのです。
ほめが8割、指導が2割の方針で、
部下の存在を認め、可能性と才能に気付かせる。
それが、今求められている管理職の姿なのではないでしょうか。
ここで課題となるのが、男女の違いです。
男性管理職の女性マネジメント力がよく問題になりますが、
逆も同じことなのでしょう。
特に、女性の積極採用がどの企業にも必要になっている今、
政府が目標に掲げている「2020年までに女性管理職の割合を
30%以上(現状11%)にする」を考えても、
男社会に女性を取り入れるのではなく、
女性を管理職に登用するだけでもなく、
男女がお互いに違いを理解し、双方歩み寄ることが、
これからの時代に求められる組織運営の基本なのだと思います。
自己改善技術を磨くほめ8割のマネジメントと、
女性の積極採用と活用を前提とした組織マネジメント。
まずはこの2つを意識して、
人材育成と組織作りを見直してみてはいかがでしょうか。
女性社員が多く、採用にも積極的な弊社も、
管理職は男性ばかりなのが実情です。
まずは私たちが、この組織運営改革に取り組みたいと思います。
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