![]() 2025/8/27 vol.340 KAKEHASHI SKY NEWSは、第二・第四水曜日配信 “賃上げだけじゃない。 「選ばれる会社」になったEVP採用とは” ![]() AP事業部マネジャー 石川沙羅 この1~2年、多くの企業が賃上げや待遇改善に踏み切りました。 採用市場において、高い水準の給与はもはや特別な武器ではなく、“スタートラインに立つための前提条件”になりつつあります。 では、どの企業も同じスタートラインに立った今、優秀な人材に「この会社で働きたい」と選んでもらうためには、何が必要なのでしょうか。 その答えの一つが、前回のコラムで古田が紹介していたEVP(Employee Value Proposition)。この考え方を、採用に活用することだと考えます。 つまり、給与だけでなく“この会社だからこそ提供できる本質的な価値”を定義し、的確に伝えることです。 しかし、多くの採用現場で、私たちは“もったいないズレ”を目の当たりにします。 それは、“人事が考える強み”と“社員がリアルに感じている価値”のズレです。? 先日、ある企業の社員の方は、自社の魅力を「部活動みたいな雰囲気でとにかく楽しいこと」だと語ってくれました。これ以上ないほどリアルなEVPです。 しかし、同席されていた人事担当者の方は、少し困った顔でこう割って入りました。 「いえ、うちの強みは創業以来続く黒字経営でして…」 もちろん、安定した経営基盤も魅力の一つです。 ですが、企業スペックは、正直どこの会社でもアピールできます。 その会社“らしさ”を伝え、候補者の心を動かすのは、社員の“生きた実感”の方であり、本来届けるべき魅力なのです。 EVPの観点を取り入れた採用とは、このズレをなくし、自社の本質的な価値を見極めることから始まります。 私がご支援したあるクライアントも、まさにこの課題に直面していました。 給与水準を引き上げると同時に、「私たちが本当に提供できる価値は何か」を突き詰め、“事業規模のスケール感”と、それに紐づく“圧倒的な成長環境”をEVPとして再設定しました。 そして、そのEVPをただの言葉で終わらせず、採用サイトやパンフレット、面接の場で、その“成長環境”を裏付ける具体的なエピソードやプロジェクトの話を伝える設計に注力しました。 結果は、目覚ましいものでした。 2026年卒の採用では、目標人数の達成はもちろん、これまでアプローチが難しかった優秀な理系学生との多数マッチングに成功したのです。 EVPの正しい設定と、それをリアルに伝える設計が的確に作用したと言えます。 あなたの会社の本質的な価値は何でしょうか? それは、社員が日々感じているリアルな実感と一致していますか? 採用パンフレットや面接の場は、会社のスペックを述べる場ではありません。 EVPに紐づく、社員一人ひとりが感じている飾り気のない“この会社で働く理由”を伝える舞台です。 賃上げの次の一手は、この“リアルな価値”を見つけ出し、採用広報でも伝達しつつ、面接官やリクルーターがそれを自らの言葉で安心して語れる文化を作ること。 それこそが、待遇だけでは動かない優秀な人材の心をつかむ、最も確かな戦略なのではないでしょうか。 カケハシ スカイソリューションズでは、EVP個別相談会を開催しています。 本相談会では、働く価値を見定め、今後の採用・定着における貴社だけの戦略プランをご提案します。 採用・定着の課題を一気に解決したい企業様は、ぜひお気軽にご参加ください。 【採用・定着課題を一気に解決】 Pick up Seminar Articles |