ドラマ「ドラゴン桜」をご存知でしょうか？

元暴走族の貧乏弁護士が平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるまでを描いた作品で、2003年に連載が開始された漫画です。そこから15年経ち「ドラゴン桜2」が連載開始、今年ドラマ化・テレビ放映された話題作です。

ドラゴン桜2では前作と同じように、低偏差値の学生を東大へ導くストーリーになっていますが、学習手法が大幅にアップデートされていることが印象的でした。アプリを用いた動画学習や、YouTubeやTwitterなどのSNSを使用して英語のアウトプットを実施するなど、ITやオンラインの力をフル活用する学習スタイルに変化していました。東大数学の鬼と呼ばれるご高齢の数学教師、柳鉄之介先生でさえLINEを取り入れた勉強法を実施するなど、年齢に関係なく手法をアップデートしていたのも印象に残りました。他にも、15年前よりもより個々の性格タイプに合わせた勉強手法を用意したり、詰め込み型の指導から自発性を促す指導に変えたりなど、前作から読んでいると、大きな変化を感じる内容となっています。参考文献も巻末ごとに掲載されており、今の若者の思考をかなり研究された上で描かれている漫画だということがわかります。

変化が起きているのは、ビジネスの現場も同じです。

10年前と2021年度新入社員の意識調査（リクルートマネジメントソリューションズ社調べ）の比較を見てみましょう。例えば「上司に期待すること」の項目を見てみても、「厳しい指導や引っ張っていくような上司」よりも「傾聴し丁寧に指導をする上司」が若い社員から求められるように変化したことがわかります。

※参考　株式会社リクルートマネジメントソリューションズ　2021年 新入社員意識調査

このような若手の志向の変化に合わせて、研修の内容や評価制度、管理職のマネジメントスタイルなども、過去の成功例に固執せずにアップデートしていくことが必要になるでしょう。

例えば、新入社員が早く職場に定着し戦力化することを目的とした、職場全体を巻き込んで支援する「オンボーディング」の概念なども、近年多くの人事担当者や経営者から注目を集めるようになってきました。さらに最近ではコロナウイルスの影響で物理的に会うことへの制限も加わり、ますます働き方やマネジメント手法の変化が求められるようになっています。

カケハシでは、8月に「変化対応の最前線に学ぶ人事カンファレンス」と題し、各企業の変化対応の実践例をシェアし合うイベントを開催予定です。LINE、ユニリーバ、カルビーなどの先進企業人事の最新の取り組みを学んだり、元NECの人事経験や100を超える講師経験から得たリモート時代のマネジメントの実践例を共有いただいたり、青山学院大学教授による若手に対しての称賛や感謝の役割と効果について解説いただいたりなど、現代の変化に合わせた実践例や知見を知ることができます。スピード感をもって変化することを求められている今、ぜひご活用ください。