みなさま、初めまして、土井祥康（土は「土」に「、」が入る漢字が正式名）と申します。私は大手就職情報会社に30年以上在籍しておりましたが、1年前の6月にカケハシ スカイソリューションズに入社しまして、今月で丁度丸一年となります。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

さて、2023年度新卒採用の現在のご進捗状況はいかがでしょうか。
「活動真っ最中である」「思っていたよりスムーズに進捗している」「一進一退だ」「内々定者がぽろぽろ抜け落ち、まだまだこれからである」・・・等、各社状況はそれぞれだと思います。そんな中、今回は採用においてその選考過程で最重要といっても過言でない「面接官について」考えてみたいと思います。

人事（採用担当部門）の方は、面接官の様子を垣間見たり、事後チェックをされているでしょうか？しっかりと社長や担当役員の頭に「会社（社長）が必要としている人材要素」をインプットさせ、面接をおこなえるように出来ていたでしょうか？面接官も「彼は、彼女は人を見極める力がある」などと今までの評判・経験だけで選抜してないでしょうか？コロナ禍で変わった学生を取り巻く環境、状況を踏まえ、変化を意識した面接を出来ていますでしょうか？また何より、2023年卒の大学4年生は、1年生の冬からコロナ禍に巻き込まれ、学生時代を勉強、サークル、アルバイト、留学、旅行、そのほか極めてみたかったものなど、やりたい事がなかなか満足にできなかった世代の筆頭です。となれば当然、面接官はコロナ以前での感覚で面接すべきではないし、ましてや対峙するのではなく、向き合うのだという事を忘れてはなりません。では、果たしてそのことを念頭に面接を出来ていたでしょうか？判を押したように、「アルバイトとか勉強以外に学生時代に力を入れた事は？」「もっとも成果を出した事はなんだったの？」などと聞いたり、はたまた「うちの弱点はなんだと思う？」「君が経営者だったらコロナ禍、うちの会社をどうする？」など、自分たちも答えを持っていないような話を聞いていませんでしたか？それなのに「やっぱり学生だね」「そんな甘いもんじゃないんだよね」などと面接官が嘯いているようなことはなかったでしょうか？

もし上記のようなことがあれば、せっかく応募してくれた学生を人事が必死に選考まで引っ張ってきたにもかかわらず、その機会を活かしきれていない要因となり、とても残念なことです。人事はそのようなことがないよう、面接官をマネジメントしなければなりません。面接官が、限られた時間の中で相手の素質を引き出し、確認できるように、面接官自体の会話のスキルや質問を磨いておかなければなりません。また、現在の学生を取り巻く状況、その意図や背景について理解を深めておかねばなりません。またそもそも、それらを実行できる社員に面接官を引き受けてもらう、あるいは教育すべきなのです。

例えば応募者が本来の自分を出せるよう、リラックスさせる会話力はとても重要です。学生に高い能力があるにもかかわらず、緊張が原因で充分にアピールできないと、企業・学生双方にとって大きな機会損失になります。「人生をかけた面接」だと思えば、学生が緊張するのは当然のこと。会社それぞれのスタイルがあるとは思いますが、面接に臨むときは本題に入る前にアイスブレイクをおこない、学生に不安感を無くして話せるよう配慮したいところです。また、オンライン面接をおこなう際はオンライン独特のマナーも重要です。就活生の声を聴くと「オンラインで遅刻しても謝罪もなく始める」「話している途中に理由も言わずいきなり離席」「ナビの面接システムの操作が出来ない」「Zoomなどの操作不得手で面接官の映像が映らず顔が最後まで分からなかった」「NGの質問を平気で聞いてくる」などオンラインマナーが全くなっていない面接官も少なくないようです。

面接官＝会社の代表です。説明会の担当者や面接官の印象が今後に影響することはもちろんですが、昨今はSNSで拡散されやすいため、面接官の態度が会社のイメージを左右してしまうと言っても過言ではありません。また、たとえ縁がなかったとしても、その後どこで縁が訪れるかわかりません。面接は企業が学生を見極める場であると同時に、学生側が企業を見極める場でもある事を忘れてはなりません。逆に言えば、しっかりとした選考は合否にかかわらず会社のイメージアップに貢献するということです。みなさまには、是非、今年の採用を振り返るときに、このテーマを思い出していいただき、実りある採用をして頂きたいと思います。