採用ノウハウ

中小企業のための「初めての新卒採用マニュアル」

悩める人事
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初めて新卒採用を行う上で、いったい何を準備していいかわからない!

本記事では、新卒採用とは、どのようなステップで行っていくのか、そもそも新卒採用ってどうやってやるんだ?という疑問に対して、入社一年目から「初めての新卒採用」のお手伝いを行っている筆者が、7つのステップを解説します。

中小企業のための「初めての新卒採用マニュアル」

初めて新卒採用を行うために押さえておきたいのは以下のステップです。順番にご紹介していきます。

新卒採用で押さえておきたい7つのステップ
  1. 基本的な新卒採用の流れ
  2. 採用ターゲットと採用コンセプト
  3. 新卒採用広報施策
  4. 必要人員の調整と採用戦略の共有
  5. インターンシップとは?
  6. 説明会・選考のポイント
  7. 内定出しの注意点

ステップ1:基本的な新卒採用の流れ

「新卒採用をやってみよう!」と決まったはいいけれど、まったく知識がない!というご担当者様向けに、基本的な新卒採用の流れを解説します。

まず、就活生が企業を探す際、求人媒体、合同企業説明会、学内企業説明会、新卒人材紹介、ダイレクトリクルーティング、ハローワークという方法があります。いずれかで接触した企業に学生が興味を持つと、その企業のインターンシップや説明会に参加します。

インターンシップや説明会の場で企業をさらに深く知り、選考を希望するかどうか選択します。選考を希望した学生は、面接に進みます。そして面接を通過し、内定を得ることになります。

また、ご存知の通り、現在、新卒採用市場は空前の売り手市場です。売り手市場では、一人の学生が企業の内定を複数社以上得ているのが普通です。

内定を出したらからと言って、終了ではありません。内定出し後が本当の勝負です。学生に内定承諾をもらえるまでは企業の魅力付けを止めてはいけません。

例外も多々ありますが、こちらが今の新卒採用の基本的な流れです。初めて取り組まれる企業様には、想像以上に大変に感じられるかもしれません。

しかし、新卒採用には、世代のバランスを整えること、ロイヤリティーの高い人材確保、受け入れ体制をつくることによる社内組織の活性化など、様々なメリットがあります。時間やマンパワーなどのコストをかけてでも取り組む価値はあるのではないでしょうか。

ここからはやるべきことを順番に説明していきます。

ステップ2:採用ターゲットと採用コンセプト

初めて新卒採用を行うときに、求人媒体などの採用手法から考えてしまいがちですが、ちょっと待ってください。

採用ターゲット

まずは、「どんな学生を採用したいのか」を考えましょう。どの漁場(媒体、イベント)で勝負するのか決めるためには、ターゲット設定は欠かせません。しかし、それだけでは、まだ50点です。

さらに、「どんな学生なら自社に興味を持ってもらえそうなのか」ということまで考える必要があります。プロ野球球団が、どれだけ才能があるからと言って、サッカー選手になりたい人を獲得するのには無理があります。

ほしい学生が採用可能なのかどうか、もターゲット設定には非常に大切なファクターです。

採用コンセプト

採用ターゲットが決まれば、次は採用コンセプトを決めましょう。そのターゲットに対して、「何を訴求するのか」です。

企業の魅力はたくさんあるかと思います。たくさんの魅力をPRしたくなってしまいます。

簡単に言うと、学生に「どのような企業」だと思われて、採用するのか。その採用コンセプトを軸に採用活動を行っていき、困ったときに立ち返る企業の魅力こそが採用コンセプトです。

自社の魅力の整理や、どういう人が活躍しそうなのか。なかなか自社の魅力を洗い出すのは難しい作業です。ベテランの方になればなるほど、本来は魅力になる部分も当たり前の環境だと感じてしまう可能性があります。その辺りの検討は第三者に入ってもらうのも良いでしょう。

ステップ3:新卒採用広報施策

採用ターゲットとコンセプトが決まれば、次は、「どこで」学生にアピールし、集めるのかということを考えます。

ターゲットや業種によって、様々な手法を検討してください。それぞれの手法のメリット・デメリットを考慮して選んでいきましょう。答えは一つではありません。

大手ナビ媒体への掲載

一般的な意見にはなりますが、現時点で中小企業様が初めて採用を行うなら、大手ナビ媒体に掲載するのが良いと考えます。

確かに、非常に多くの企業が掲載していて、埋もれてしまう可能性はあります。しかし、ナビ媒体に載っている事実こそが学生を安心させます。

「しっかり新卒採用をしている企業なんだ」と思ってもらうことにつながるのです。プランは低くても良いので、ナビ媒体には掲載しましょう。決めた採用ターゲットと採用コンセプトを最大限伝わるよう原稿作成を行いましょう。

合同企業説明会

もちろんナビだけでは学生に知名度のない中小企業は埋もれてしまいます。そこで中小企業様にお勧めするのは、ナビ媒体+合同企業説明会です。

すでに大学とのつながりがあり、学内説明会に参画できるのであれば、積極的に参加しましょう。合同説明会に関しては、コストをかければどの企業でも参加できます。

合同説明会などのイベントは、学生に直接PRできる場です。企業への興味の程度は関係なく、接触することができるので、準備をしっかりできればという条件付きですが、ナビ媒体で戦うよりは下克上しやすいのです。

そして、PR対象の学生のパイはできるだけ多いほうが良いでしょう。できるだけ大きいナビ解禁直後の合同説明会、インターンシップ期間の大きな合同説明会がねらい目です。

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ステップ4:必要人員の調整と採用戦略の共有

さて、広報施策は決まりました。学生を集めて終わるというわけにはいきません。今度は社内のリソースをどう使うのか、というお話です。

リクルーター制度

今の学生は、企業を選ぶ際に注目しているポイントや最後に1社に決めた理由として、「社員同士の関係性」や「採用担当や社員の印象が良かった」というような項目を重視しています。

現在の新卒採用は人事部だけでは完結しません。例えば、大手企業はリクルーター制度を必ずと言っていいほど取り入れています。学生1人に対して、先輩社員(大学の先輩、タイプの似た社員)をつけて、何度も面談をするのです。

学生からすると、「志望企業の先輩社員が自分のために時間を使ってくれている。」状態です。志望度が上がって当然といえます。

また、単純接触効果により、接触を重ねれば重ねるほど志望度は上がります。学生との接触のタイミングで、例えば、新卒入社で現在活躍している社員様、変わった経歴のある社員様などに話をしてもらい、惹き付けるのが有効でしょう。

採用キックオフ

本来の業務もある中で、採用に入ってもらうのは気が引けるかもしれません。そこで重要なのは、「新卒採用」というプロジェクトが社内の中での重要度がどれくらいなのかを共有することです。

手段としては、経営層を巻き込んだ、採用キックオフを行いましょう。新卒のターゲット、コンセプト、採用フロー、社員の役割を共有する会を採用キックオフと呼びます。

そこで、経営層の方から、社員の皆様に新卒採用の重要度を語っていただくことで、社内での新卒採用の立ち位置が一気に上がります。「こういう活動に積極的な社員ほど評価します。」と言ってしまってもいいかもしれません。

いずれにせよ、「会社として力を入れて新卒採用をやっていくんだ。」という姿勢を共有する場を設けることは当然重要になってきます。

ステップ5:インターンシップとは?

ところで皆様。「インターンシップ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。インターンシップとは、「職業体験」を行うことを意味します。

以前は企業の中に学生が入って、実際の業務の体験をすることという認識がありました。それを通じて、企業選びの参考にしたり、あるいはそのまま入社したり。現在でもアメリカの就職活動ではメインになっています。

日本のインターンシップ事情

しかし、日本でのインターンシップとは、まったく違うものになっています。以前の認識は捨てていただいても良いかと思います。

日本では一斉に就職活動が始まります。2020年採用では、2019年3月に情報解禁となり、学生は企業を探し始めます。情報解禁の前に、学生に接触することができる活動、それがインターンシップです。

内容としては、就業体験は少なく、就業体験という名のグループワークや簡易な営業ロープレ、むしろ説明会と言っても過言ではない内容が多くなってきています。

机上の空論にしてしまうことで、伝えたい魅力を内容に落とし込みやすいですし、半日や1日のインターンシップの方が学生は参加しやすく、参加人数も多くなります。

また、本当の就業体験では、実際の仕事のつらい部分はどうしても見え隠れしてしまうので、コンテンツの自由度が高い方法を各社行っているのです。要は、情報解禁よりも前にプレ説明会を開催し、学生と接触し企業の魅力付けをするということです。

2020採用でも、3月にマイナビ2020に掲載している企業のうち、約半分の企業がインターンシップ用のナビサイトに掲載していました。また、およそ9割の就活生はインターンシップに参加しています。

早期の活動は必須

裏を返すと、3月の一斉オープンの時点で、半分の企業はすでに多かれ少なかれ学生と接触しており、9割の学生はすでに企業を一旦探し終えているということになります。

「中小企業だから、そこまではできない。」という声はよく聞きます。しかし、就活慣れしていない、まっさらな学生が多い時期にいかに魅力付けできているか、が採用成功への近道です。

中小企業こそ、早期にインターンシップを行った方が採用成功に近づくのです。

ステップ6:説明会・選考のポイント

残すところあと2ステップ。説明会・選考についてです。これもよく言われていることですが、採用は恋愛です。企業と学生、お互いが両想いになって、企業からの内定という告白を経て、付き合うことになります。

大手有名企業であれば、接触前から志望度が高い場合はありますが、中小企業の場合、初めての接触前に志望度が高いことはありません。ですので、中小企業はそれぞれの接触のタイミングで会社のことを少しづつ好きになってもらわないといけません。

エントリー → インターンシップ → 説明会 → 選考 → 内定
すべてのタイミングで惹きつけを行うという意識で進めてください。

説明会のポイント

説明会においては、単なる企業説明になってはいけません。学生にとっての「入社するメリット」を提示するように心がけてください。学生は企業を選べる立場だからです。

説明会や選考の時点では、入社希望者ではなく、入社検討者にすぎません。また、現場社員様との接触の場も作ってあげて、実際のお仕事の概要ややりがいを説得力のある言葉でお伝えください。

伝える順番やボリュームのバランス、コンテンツは企業によっても、アサインされる社員様によっても変わってきます。最適な説明会を作り上げましょう。

選考のポイント

選考は、すでに中途採用などでご経験があるのではないでしょうか。

中途採用の場合、ある程度志望度は高い状態で面接にくる場合が多いですが、新卒採用はまだまだそんなレベルではありません。学生は同時に5社10社選考を受けています。いつでも切り捨てられる状態です。

選考では、学生の悪いところを見る選考にならないようにお気を付けください。それは極論、内定出しの時の判断で大丈夫です。選考の中では、企業の魅力を伝えること、学生との親和性があるということを示唆することを中心に実施しましょう。

いくつか方法がありますが、あくまで「入社検討者」ですので、会社を好きになってもらうということを念頭に置いて、設計・実施してください。

ステップ7:内定出しの注意点

選考をクリアした学生に対して、最後に内定出しを行います。冒頭で述べた通り、内定を出したからと言って、入社してくれるわけではありません。

採用が数名の場合は、入社意思の固まっている学生にのみ、内定を出すというやり方もあります。人事の方や社員の方とその学生さんのリレーションを選考段階で構築し、内定出しの直前で本音を聞き出すというやり方です。

そこで、入社意思が固まっているのであれば、内定出し。まだどこか引っかかっているのであれば、事情を聴き、もう一度話し合う必要があります。

その辺の情報を得るために選考での情報収集も非常に大事になります。

  • 学生の就活の軸はどこなのか
  • どことバッティングしているのか
  • 企業のどういう点が響くタイプなのか

上記を見極めて、それを内定出しのタイミングで有効に使うことができるとベストです。

そして内定を出した後も、まずは内定式まで、
社内イベントに呼んだり、研修を組んだりしながら、接触を続けてください。

いずれにしても、入社後のスタートダッシュのために、内定者期間中にロイヤリティーを高めておくことは有効かと思います。学生の都合を伺いながら積極的に接触してみてください。

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知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。新卒採用の知恵袋では、採用担当向けに、新卒採用全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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