マイナビ、リクナビ主催の大規模イベント中止、平均60％の企業が3月の説明会開催を自粛（大手企業は約70％）、説明会規模縮小、エントリーシート期限延期など、新卒採用に携わる多くの方々が、変わりゆく状況の中で慌ただしい日々を過ごしていると思います。

もちろん、何よりも優先すべきは感染症対策です。
感染がこれ以上広がらないよう、各社で施策を講じることが最優先事項です。

同時に、例年実施してきた各社の採用手法の王道パターンが実施できなくなった今、現段階でどれだけ先を見通し、過去の慣習に囚われず、先手を打つことができるかが、採用担当者の腕の見せ所です。

変化する市況の中で考えるポイントは2点。
１．母集団形成をいかに成功させるか
２．クロージング（内定承諾の取得）の精度をどう高めるか

まず、母集団形成に関してですが、
インターンシップを実施した企業は、ある程度の学生母集団が存在しますが、合同企業説明会での集客をメインで見込んでいた企業は母集団形成が大きな壁となります。

無償提供されているインタビューメーカーの利用や、マイナビのWEBセミナーやウェブメン、リクナビのFaceMovieなど、採用活動のWeb化の流れが一気に進みましたが、中小企業は、そもそも学生に存在を認知されていない企業が多いため、動画視聴までこぎつけること自体が、最初の、そして最大の課題として残ります。

そんな今だからこそ、媒体をフル活用してみてはいかがでしょうか。

イベントは中止になっていますが、学生は動いています。
事実、マイナビ社における総エントリー数（3月1日～5日）は、前年を大きく上回っており（前年比112.5％）、学生が外に出ず、自宅で企業探しをしていることがわかります。

検索キーの設定増加はもちろん、フリーワード検索を視野に入れた原稿の修正、企業マイページの更新、採用実績校の更新など、基本的な、しかし多くの企業が面倒で実施していないことを徹底的におこなうことが、成果に繋がると考えています。
合同企業説明会に割いていた予算を媒体オプションに振り替えることも良策です。

次に、クロージング（内定承諾の取得）です。

本年度の採用活動は、スケジュールの後倒れ、リアル接触の減少による惹き付け不足により、例年と比較し、クロージングの難易度が高まります。

「まだ他社が終わっていないので、待ってください」と言われないように、現段階で採用ストーリーを練り直す必要があるのです。

オススメしたいのが、選考終盤での惹き付け強化。
各社、イベントやインターンシップ、説明会など入口では惹き付け強化施策を多数打ちますが、終盤でそういった施策を打っている企業は多くはなく、面接官や採用チームの属人的な対応が目立ちます。

だからこそ、最後に学生の背中を押すための施策を会社として整備することができれば、クロージングの精度向上に繋がります。

幸い、時間はまだあります。
過去の辞退理由を分析した上でのクロージングブックの作成や、評価・採用理由が記載された手紙の送付、内々定通知時におけるサプライズ演出など、これまでにない、取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

この状況の中で、一発逆転を狙うのではなく、コツコツと小さな工夫の積み重ねが成功のカギになります。

ピンチはチャンス。
今回の市場の混乱、経済の悪化を踏まえて、風向きは変わります。
中小企業にとって、優秀な人材を確保するまたとない機会を、ぜひ、活かしてください。

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