離職防止

心理的安全性が低いのはなぜ?原因を把握し改善する方法とは

組織やチームの生産性向上に影響を与える概念として注目されている「心理的安全性」。

心理的安全性の高い組織やチームであるために、社員が安心して発言・行動できる環境づくりへの取り組みも進んでいます。

その中で、自身の属する組織やチームの心理的安全性が低いことに、課題を感じているマネジメント層や管理職層の人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、心理的安全性が低い原因をはじめ、心理的安全性を高める方法やその際の注意点についてご紹介します。

まずは心理的安全性とは何か、測定するにはどうすればいいのかを知りたい方は以下の記事からお読みください。

心理的安全性が高い組織とは?心理的安全性の測り方と高めるメリット心理的安全性とは、自分の発言や行動に対する周囲の反応を恐れたり、恥ずかしく感じたりせず、ありのままの自分を出せる状態を意味します。 ...

心理的安全性が低い原因

心理的安全性が低い企業にはどのような特徴があるのでしょうか。心理的安全性が低い原因をみていきましょう。

変化に対する意識が低い

心理的安全性が低い企業は、あらゆる変化に対して意識が低い傾向にあります。

変化に対して意識が低い企業には、「昔ながらの体制で、組織として成長を感じられない」「社員が発言をためらい、言われたことしかしない」などの特徴がみられます。

変化が激しい現在の社会では、社員や管理職層からアイデアが出てくる組織でなければ、時代に取り残されてしまうでしょう。

また、心理的安全性の低い組織では、上司の顔色をみて発言を控える場合も少なくありません。

それでは社員からの本当の意見は吸い上げられないため、一人ひとりが意見を出しやすく、みんなが貢献感を得られる組織であることが重要です。

企業が変わっていくためにも心理的安全性を高める必要があると言えるでしょう。

マネジメントが今の社会に合っていない

心理的安全性が低い企業では、マネジメントが今の社会に合っていないことも原因の一つに挙げられます。

成熟社会となり、個人の消費の仕方や働く意義が変化している現在、若手社員の意見も汲み取れるような心理的安全性を意識したマネジメントが求められています。

例えば、トップダウン型の上から命令されるだけのマネジメントでは、時代に合っていないだけではなく、機能しない可能性もあるでしょう。

トップダウン型の企業は変化が難しいため、心理的安全性を意識したマネジメントに舵を切れるよう、マネージャーの意思統一を図ることが大切です。

心理的安全性が低い原因となる4つの不安

心理的安全性の低さが原因で、社員に起こる4つの行動特徴があります。それぞれの行動特徴について解説します。

行動特徴(1)無知だと思われる不安

心理的安全性が低いと、社員に「無知だと思われる不安」が起こります。

これは、業務で知らないことや不明点を聞く際に「こんなことも知らないのか」と思われないか不安になることです。

無知だと思われる不安により、上司や同僚に必要な質問ができなくなってしまうなど、社員同士のコミュニケーションも減少してしまいます。

行動特徴(2)無能だと思われる不安

無能だと思われる不安とは、自分が業務などで失敗したときに「こんなこともできないのか」と思われるのではないかという不安です。

無能だと思われる不安によって小さなミスでも報告せずに隠したり、自分の間違いを認められなかったりといった行動につながります。

行動特徴(3)邪魔をしていると思われる不安

邪魔をしていると思われる不安とは、自分の発言によって議論が長引いてしまったり、本題から外れてしまったりした場合、メンバーに「いつも議論の邪魔をしてくる」と思われないか不安になることです。

この不安によってミーティングなどで発言できなくなる、アイデアを出せなくなってしまう恐れがあります。

行動特徴(4)ネガティブだと思われる不安

ネガティブだと思われる不安とは、現状を改善していこうとする考えの発言であっても「いつも他人の意見を否定する」などと思われないかと不安になることです。

上司や同僚に否定的に捉えられることを心配して、発言をためらったり、重要な指摘をしなくなったりします。

この状態が続けば、不安によって本来の自分を出せず、常に自分を押し隠して働いてしまうでしょう。

心理的安全性を高める方法

心理的安全性を高める方法には、個人で取り組めることと、企業として取り組みたい施策があります。それぞれ解説します。

個人で取り組めること

チームの心理的安全性を高めるためには、個人での取り組みも重要です。

例として、「仕事を実行の機会だけではなく、学習の機会と捉える」「自分が間違うことを認める」「好奇心を形にし、積極的に質問する」などが挙げられます。

これらの取り組みを習慣づけることで、上司や同僚に対する質問やミスを恐れることなく、積極的に発言できるようになるでしょう。

企業が取り組みたい施策

企業として心理的安全性を高めるために取り組みたい施策には、上司と部下が1対1で定期的に対話をする「1on1」があります。

お互いを知り、目標に対する現在地を確認する場としても活用できるでしょう。また、企業の目標やビジョンを理解し、共有することも大切です。

OKRとは「同じ目標に向かって計画を進める」ことですが、企業の目標やビジョンをしっかり理解することで、チームや個人の目標とリンクさせられます。

さらに、称賛制度の「ピアボーナス」などを活用することで、お互いを認め合い、尊重し合えるでしょう。

カケハシ スカイソリューションズが提案する離職防止ツール「HR Ring」には、社員同士が日頃の感謝の気持ちをポイントとして付与し合える「ポジティブポイント」機能があります。

お互いに称賛し合える文化を醸成し、チームパフォーマンスを向上させると期待されています。

オンライン時代の企業組織の心理的安全性創出アプリ「HRRing」

心理的安全性を高める際の注意点とは?

組織やチームの心理的安全性を高める際に、どのようなことを注意すればよいのでしょうか。カケハシの離職防止アドバイザーに、マネジメント層や管理職層がチームメンバーと接するときに心がけたいポイントを聞いてみました。

N.J
N.J
(株)カケハシ スカイソリューションズ
教育研修事業部 ゼネラルマネジャー
離職防止アドバイザー

心理的安全性を高める必要性とは?

心理的安全性があると、社員の働く意欲は高まります。

一方、心理的安全性がなく、数字を追うだけの目標になっていたり、企業のビジョンが浸透していなかったりすると、働く意欲は下がってしまうでしょう。

心理的安全性を高めるためには、みんなで成果を出そう、夢を叶えようとすることが大切です。

企業の目標を達成できている状態はチームの目標が達成できていて、個人の目標も達成できている状態のはずです。

ここをしっかりリンクさせるためにも心理的安全性は欠かせません。

心理的安全性を高める際の注意点とは?

心理的安全性を高めるための注意点として、仕事に取り組む際にその意義や意味を理解することが大事です。

「誰のための、何のためのものなのか」という意思統一ですね。不明点があれば確認することも心がけたい点です。

物事に取り組む際の意義や意味は、ほとんどの場合、成果を高めるためですが、メンバーが同じ目的意識を持っていると議論は深まるでしょう。

また、この過程で上司が考えを押し付ける必要も、部下が発言を控える必要もありません。

目的達成を意識した発言であれば、ただ好きなことを言う馴れ合いの議論や、起案者のご機嫌を伺う発言にはつながらないでしょう。

「誰のために仕事をするのか」を常にチームで意識することが、心理的安全性を高める第一歩ではないかと思います。

心理的安全性を維持するために心がけたいこととは?

メンバー個人の夢や目標をチームに共有し、達成するための道筋を周囲と協力してつくり続けることが大切です

夢や目標が変わった場合に共有できていなければ、上司は間違ったマネジメントをしてしまうため、新たな夢や目標を共有し続けることもポイントですね。

個人の夢や目標について話し合える関係性を築き、一人ひとりが目的を持ってどんどん行動できる環境であることが心理的安全性の維持につながります。

また、心理的安全性を低くする不安に「無知だと思われる不安」がありますが、無知を指摘してはいけないというわけではありません

お尻を叩くつもりで「勉強不足じゃない?」と言ってあげることも必要なシーンがあるでしょう。叱ってはいけないという考えは、間違った心理的安全性につながる恐れもあるため注意が必要です。

間違いを指摘し合える関係性も心理的安全性が確保されているからこそですね。

まとめ

心理的安全性を高めるためには、心理的安全性が低い理由を知ることも大切です

心理的安全性が低い原因として、「企業の変化に対する意識が低いこと」「マネジメントが今の時代に合っていないこと」を挙げました。

今回の記事を参考に、自社ではどのような原因があるのか、心理的安全性を高めるには何が必要なのかを検討してみてはいかがでしょうか。

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知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。離職防止の知恵袋では、人事担当向けに、社員の定着・離職防止に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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