管理職を目指さない働き方が性別問わず増えています。
男性であれば、上を目指すことが以前は普通でしたが、最近はそうでもないとも感じます。大変な思いをするくらいなら、暮らせる分の給与でのんびり暮らしたいと話す若手の男性社員に研修の場でお会いすることも少なくありません。
働き方がますます多様化している昨今、そんな中でも女性が管理職を目指す意味を考えてみたいと思います。

働く上で男女の違いは色々あると思いますが、ひとつ挙げるならば、
男性と女性の時間軸の違いです。

男性の場合、結婚や出産まで仕事を頑張ろうとリミットを決めている人はほとんどいないと思いますが、女性の場合、自らが出産する可能性について考え、ライフイベントをきっかけに、仕事を辞めたり、働き方を変えたりする選択肢がうまれます。
その選択を有意義なものにするためにも、そこまでにどうなっていたいのか？を逆算して考える必要があるのです。

女性のスタートダッシュ（戦力化）が早いのは、もともと男性と比較して早熟だということと、１つ目のターニングポイントとなるライフイベントまでが「短距離走」だということが言えます。

私は、28歳の時に管理職になるチャンスがありました。
そのころを思うと、スキルもなくやる気と勢いだけでよく手を挙げたなと思いますが、今はそのころの自分をほめたいと強く思います。30歳になるまでに周りはどんどん結婚していき、女性にとっては生き方を考え揺れ動く微妙な時期です。手を挙げた理由は、そんな微妙な時期を目前にして、自由な身のうちにいかに可能性を広げるか、アドバンテージを高めるかが今後の人生において重要だと思ったからでした。

マネジメントは苦労しましたが、メンバーに恵まれ多くのことを学びました。後にマネジメントスキルは、採用市場の中で評価される武器となることを知りました。

女性が管理職に向いている理由は３つあると私は考えます。

1つ目は、女性には母性があるので人の育成やケアをすることが習慣づいているからです。組織においては育成文化を作りやすくなります。

2つ目は、女性はコミュニケ―ションに長けていて場を円滑にします。顧客やメンバーとのやりとりに組織としてもバリエーションが増えるでしょう。

3つ目は、仕事だけではなくてライフワークバランスも考えている人が多く、若手の世代を考慮すると、仕事一辺倒でない上司は自身のワークライフにも理解を示し最適値が相談しやすくなるでしょう。

女性活躍推進や働き方改革で、女性管理職登用について世の中的には追い風です。ひとつのチャンスとして女性にこそ管理職を勧めたいのです。

女性管理職研修の受講者からよく聞かれる言葉として、「私なんて」という謙遜や「管理職なんて考えたことがなかった」というリーダー経験の乏しさがあります。そんな方々にも自分らしいリーダーシップの発揮方法は多くあるので安心してほしいと切に思います。

また、30歳前後で管理職候補になる女性は、まじめで、頑張り屋が多い印象です。
結局は、どんな立場でも頑張るのだから、どうせやるなら新しいチャレンジで可能性を広げ、新しい武器を身に着けて欲しい。なぜなら、私たちが自分のためだけに自由に活動できる期間は男性よりもずっと短く、迷っている暇はないと思うからです。
そして、結果的に自身のライフイベントにも裁量を持って臨むことができるようになるでしょう。

できるかできないかというよりは、やってみようというのびのびとした気持ちでチャレンジし、女性管理職がもっと増えるといいなと願っています。

時代が後押ししている今、管理職としての世界を広げる絶好のチャンスなのです。