新入社員は「育つ」のか、「育てる」のか。

1920年~1930年代は65年。
1990年代では15年。2010年では10年。

これらは各年代におけるビジネスモデルの
平均寿命と言われている数値です。
時を重ねるごとに、寿命は短命化しており、
最近では5年と言われるほどに。

一方で、新人が独り立ちするまでに要する期間は
一般的には3年間と言われていますが、
リクルート社の調べによると、
実際独り立ちするまでの期間は平均4.25年となっており、
ビジネスモデルの平均寿命を5年とした場合、
ほぼ同数の期間を要することになります。

これでは、新人が独り立ちしたタイミングで、
新しいビジネスモデルへの転換が生じ、
これまでの実務経験を活かし会社への利益貢献を
最大限成し得ないまま次のステージへ進むことに。

インターネットの普及や様々な技術革新により
新しいモデルが次々と生まれる中で、
ビジネスモデルの平均寿命が伸びることは考えにくく、
そうすると、今後企業が取り組むべき大きなテーマが
「新人の早期戦力化」になるのは明白です。

では、それを実現するにはどうすれば良いか。
その為に、まずこの問いについて考えてみたいと思います。

人は「育つ」のか「育てる」のか。

このテーマは昔から議論されているものですが、
私は、それぞれがこう認識することが良いと考えています。

■育てる側(上司、会社)の認識
相手が半人前:人は「育てる」と考え、育成の為の様々な施策を実施。
独り立ちしたら:成長の最大の要因は、新人の努力の賜物だと認識する。

■育つ側(新人)の認識
半人前の時代:人は「育つ」と考え、自身の努力を積み重ねる。
独り立ちしたら:会社や上司に「育ててもらった」と感謝の気持ちを持つ。

新人が、育ててもらうものだと認識し、
受身で仕事をした場合、よほど制度が整っていない限り
成長スピードは遅くなります。

また、上司や会社が成長は新人個々に依存するものだと認識し
育成を怠ると、成長スピードは鈍化します。

自分は先輩に直接指導されていない。
背中を見て、盗んで育ってきた。
という方も多くいるとは思いますが、
こういった無言の指導は、対象者の成長スピードという観点で見ると
極めて遅いという認識が必要です。

大切なのは、会社や上司が新人は「育てる」ものだと認識し、
育成計画を立て、それに沿った施策を実行すること。
定期的な面談を行い、都度すり合わせを行うことはもちろん、
仕事の目的は何か、具体的にはどう進めていくのかなど、
対話を重ね、細かく指導を行う。

その際、注意していただきたいのは、
新人を「育てる」と考え実行をするが、
実際に独り立ちした際の認識は「育てた」ではなく、
「育った」と捉えること。

育とうと本人が思っていない限り、
育たないという事ももちろんですが、
「育てた」という認識は上司のエゴに繋がっています。

自分が仕事をしやすい部下に育てよう、
といった自己都合での育成は新人の人生としてみても、
企業利益としてみても良い結果に繋がらないケースがほとんどです。

コミュニケーションにおける感度が高い新人が、
上司のエゴを察知し、信頼関係を築くことが出来ず
早期離職に繋がったというケースも耳にします。

育てようと上司が接するからこそ、
新人はその期待に応えようと自ら育とうと努力を重ねる。
反対に、自分の力で育つんだと思っている新人こそ、
上司は育てたいという感情が募る。

大切なのは自分本位ではなく、相手を想うということ。
このスタンスを会社の風土として根付かせることが、
新入社員の成長を加速させる為の大いなる一歩になるのではないでしょうか。

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