【無料テンプレート】募集要項の書き方と注意点！採用成功への最短ガイド

募集要項とは、企業が人材募集にあたって労働条件や応募条件などをまとめた文書のことです。

求人票や求人広告において主要な部分を占める重要な文書であり、適切に作成しなければなりません。

募集要項は、応募者への情報提供とともに、スクリーニングや企業ブランディングの役割も担います。

そこで今回は、募集要項に必要な記載項目や表現のポイント、禁止事項などをご紹介。
無料テンプレートも参考に、他社と差別化を図れる募集要項を作成してください。

募集要項の書き方テンプレート

募集要項の書き方次第で、応募者が企業に対して抱くファーストインプレッションは大きく変わってきます。

以下のテンプレートを参考に、自社の特徴や強みを余すところなく発信しましょう。

項目	内容例
募集職種	営業職
業務内容	生命保険営業：顧客への提案営業
応募資格	高卒以上 社会人経験2年以上 営業経験者優遇 必須スキル：Excel（関数やピボットテーブルの操作ができる方）
雇用形態	正社員
契約期間	期間の定めなし
試用期間	あり（入社後3ヶ月間）
就業場所	東京都渋谷区◯◯ビル5F JR山手線渋谷駅下車、徒歩5分 一部在宅勤務可
就業時間	9:00～18:00（休憩1時間）
賃金	【試用期間中】月給18万～23万円 【試用期間後】月給25万円～40万円（経験・能力を考慮）
昇給賞与	昇給年1回（4月）、前年度実績 平均◯％ 賞与年2回（夏・冬支給） 、前年度実績 計4ヶ月分
休日・休暇	完全週休2日制（土日）、祝日、年末年始休暇、有給休暇、慶弔休暇、試験休暇
諸手当	通勤手当（上限3万円／月） 残業手当 リモートワーク手当 書籍購入補助
福利厚生	各種社会保険完備 社内研修制度
受動喫煙防止措置	オフィス内禁煙（入居ビル内に喫煙所あり）
企業概要	【代表者】◯◯◯◯ 【設立】2015年4月 【従業員数】150名 【事業内容】生命保険業
募集者の名称	株式会社◯◯
選考プロセス	書類選考 ▶ 一次面接 ▶ 最終面接 ▶ 内定
応募方法	応募フォームより必要事項をご記入の上、履歴書・職務経歴書を添付してご応募ください。
PR	ファイナンシャルプランナー資格の取得支援や研修制度によってキャリアアップも可能です。 お客様一人ひとりに寄り添い、高品質なサービスを提供するために、新たな仲間を募集します。

募集要項に記載すべき必須項目一覧

募集要項には法律で定められている必須項目があり、雇用形態や求人媒体にかかわらず明示が必要です。その項目は以下の通りです。

また、明示の義務はありませんが、応募者が働き方を具体的にイメージできるよう、以下の記載も望まれます。

各項目をわかりやすく、かつ正確に記載することが、安定した人材確保やミスマッチの予防、労使間トラブルの回避につながります。

法律で義務付けられている12の記載項目

募集要項の必須項目は、職業安定法や職業安定法施行規則によって定められています。

2024年の法改正によって、「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」が追加されているため、注意が必要です。

契約期間は、正社員雇用の場合でも誤解が生じないよう「期間の定めなし」と表記する場合があります。

試用期間の項目には、具体的な期間や給与形態、試用期間と本採用後の労働条件変更など、詳細を記載しましょう。
試用期間がない場合でも項目を削除せず、「試用期間なし」と記載します。

就業場所は、配置転換や転勤などが想定される場合、雇入れ直後の就業場所だけでなく「変更の範囲」を明示しなければなりません。

就業時間・休憩時間を記載する際は、労働基準法第34条の定めに従っているか確認が必要です。
変形労働時間制の場合は、想定される就業時間のパターンや想定労働時間を記載しましょう。

裁量労働制の求人をおこなう際は、時間外労働の項目にその旨を記載し、「裁量労働制により出退勤の時間は自由であり、◯時間働いたものとみなされます」などの文面を追記します。

固定残業代制を採用する場合は、賃金の項目に「固定残業代を除いた基本給」「労働時間数と金額等の計算方法」「固定残業時間を超える時間外労働、 休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨」を明示しなければなりません。

休日を記載する際は、土日休みの場合は「完全週休2日制」、1ヶ月に1回以上週2日の休みがある場合は「週休2日制」となるため注意が必要です。

受動喫煙防止措置の項目については、全館禁煙の場合は「屋内禁煙」という表記で問題ありませんが、喫煙スペースがある場合は具体的な情報を記載します。

募集者の氏名もしくは企業名を記載する際、子会社や関連会社の募集であるにもかかわらず親会社の名称を記載しないよう注意しましょう。

業務内容・勤務条件の明示ポイント

業務内容や勤務条件は、応募者が働く姿をイメージできるよう記載します。

なるべく抽象的な表現を避け、数字などを用いて具体的に表記しましょう。
以下が記載例です。

同じ営業職であっても、法人営業なのか個人営業なのか、またプッシュ型営業なのかプル型営業なのかによって応募者の応募意欲が変わります。

作業の頻度や使用ツールなども記載すると、応募者が仕事をイメージしやすくなります。

応募者は通勤の便を重視する傾向にあるため、具体的な就業場所だけでなく最寄り駅やアクセスを記載することがポイントです。

また、教育制度や資格取得支援制度、在宅勤務の可否など、キャリアアップやワーク・ライフ・バランスに直結する情報はできるかぎり表記しましょう。

給与・福利厚生の効果的な記載方法

給与の項目は、初任給だけでなく将来的な数字も提示すると、応募者が目標を抱きやすくなります。

昇給の頻度や条件、金額などを記載すると給与の透明性をアピールできますが、記載内容と実態が乖離しないよう注意が必要です。

昇給の条件は「勤続年数」なのか「能力や実績」なのか明示しましょう。

また、「昇給 前年度実績 平均◯％」「賞与 前年度実績 計◯ヶ月分」のように直近の実績を記載すると説得力が高まります。

多くの応募者は、労働条件が同等であれば福利厚生に着目するため、健康保険や休暇、手当などの記載は同業他社と差別化を図れる要素です。

「健康的に安定して働ける職場」をアピールできるよう、詳細に記載しましょう。

たとえば、休暇は取得可能な期間や取得率を示したり、手当の上限支給額を書き添えたりして、サポート可能な範囲を明らかにします。

働き方改革によってニーズが高まっている在宅勤務制度やテレワーク制度も、応募者の関心を集めやすい要素です。

募集要項の書き方のポイント

募集要項を記載する際は、以下のポイントを押さえることが大切です。

応募者は、会社に在籍しながら転職活動をおこなうケースも少なくありません。
不安と期待が入り混じった中、効率的に転職活動を進めたいと考えています。

そのような応募者に読んでもらうには、難解な用語を避け、わかりやすい内容を心がけることが大切です。

また、曖昧な表現は応募者の不安を誘引する恐れがあるため、具体的な数字を用いながら、働く姿をイメージできる募集要項を作成しましょう。

応募者の心を掴む魅力的な企業紹介文の作成法

企業紹介文は、カルチャーフィットを重視する採用活動において核となる項目です。

しかし、曖昧な表現や虚飾に終始する表現は、応募者の不信感を招きかねません。

たとえば、「やる気があれば高収入は確実。風通しのよい職場で社員同士が家族のような関係を築き、一つの目標を目指しています。自由な働き方を実現してください」といった企業紹介文は失敗例と言えます。

「風通しのよい」「家族のような」といった表現は主観に偏っており、現実味に欠けます。

また、「やる気があれば」という表現によって、応募への心理的ハードルが上がってしまいかねません。

以下のような一文であれば、企業の魅力を発信できる可能性があります。

「私たちはあらゆるいのちを守るために、安心安全な食と幸せを提供します。社員一人ひとりの挑戦こそが企業成長の原動力ととらえ、チャレンジ精神を尊重。それぞれの社員が自分らしく働ける環境を提供し、ホワイト企業アワードを5年連続受賞しています」。

このように企業理念や文化、具体的な実績を発信し、応募者の共感と信頼を得られれば、母集団形成に有効です。

求める人物像を明確に伝えるテクニック

ターゲット人材にダイレクトにアプローチするには、採用ペルソナに基づいた募集要項を作成する必要があります。

募集要項を見たターゲット人材が「自分の能力と経験を活かせそうだ」と確信できれば成功です。

以下のような抽象的表現はNGです。

上記のような漠然とした表現では、どの程度のレベルや役割を求められているのか判然とせず、応募者を躊躇させてしまいます。

以下のような具体的表現が望まれます。

上記のように求める人物像を明確にしつつ、採用ペルソナが「向上心の高い人材」であれば教育支援制度について記載し、「自律的な人材」を求める場合は裁量の自由度を訴求すると効果的です。

募集要項作成時の注意点と禁止事項

募集要項の作成を含めた求人募集には法的制約が多数存在し、違反した場合は社会的信用の失墜につながる恐れがあります。
以下に禁止事項を取り上げます。

差別的表現とは、性別や年齢、国籍を限定する表現です。

最低賃金を下回る条件の提示は、最低賃金法に違反する恐れがあります。

また、実態とは異なる虚偽・誇張表現を用いると、職業安定法第65条に違反し、罰則の対象となり得るため注意が必要です。

求人票に限らず、インターネットやSNS上での求人広告でも、応募者に誤解を生じさせる表示は禁止されています。

法的トラブルを避けるための表現チェックリスト

年齢や性別、居住地などを限定した差別的な求人は、職業安定法や男女雇用機会均等法などの法律に違反する恐れがあります。

NG表現を用いないよう、以下のチェックリストを参考にしてください。

禁止事項	NG表現例	適切な表現例
性別を制限する表現	女性歓迎 看護婦 営業マン	性別を問わず 当社は多様性を尊重しています
年齢を制限する表現	18歳以上の方 35歳未満歓迎 若手向きの仕事です	年齢不問 幅広い年齢層が活躍しています
出身に起因する表現	外国人不可 長野オフィスで長野県出身者募集	出身地・国籍を問わず 勤務地：長野県長野市
障害者差別にあたる表現	障害のある方は対象外 心身ともに健康な方	障害のある方の雇用促進に取り組んでいます
容姿を限定する表現	華やかな容姿の方 身長◯◯cm以上の方	清潔感のある身だしなみができる方

募集要項の目的は、応募者の能力や適性に基づいて選考をおこなうことであり、それ以外の要素について記入を求める記載は、差別につながる可能性があります。

ただし例外も存在します。
警備員や助産師、更衣室のスタッフなど、防犯上や風紀上の理由による場合、性別を限定した求人が可能です。

男女比が偏っている職場で機会均等を図るために性別を限定する求人は、「ポジティブ・アクション」の一環として認められます。

また、長期勤続によるキャリア形成のため若年者を募集する場合など、特定の条件下では年齢制限が認められる場合があります。

まとめ

募集要項は、応募者との第一の接点であり、採用活動における重要な戦略ツールです。

採用活動の方針や採用ペルソナを踏まえた上で、適切に作成する必要があります。

表現方法を誤ると、ミスマッチや労使間トラブルのみならず法的リスク発生の恐れがあるため注意しなければなりません。

採用の戦略やターゲット設定でお困りの企業様は、代理店や採用コンサルティング会社に支援を求めてみるのも一案です。

カケハシスカイはこれまでのべ3,000社の中途採用支援を通して培った採用ノウハウを駆使し、即戦力人材採用に向けたプランをご提案します。

中途採用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

募集要項について、よくある質問に回答します。

募集要項テンプレートは無料で入手できますか？

はい、募集要項のテンプレートは様々なWEBサイトやサービスを通じて無料で入手できます。

本記事の「募集要項の書き方テンプレート」もぜひご活用ください。

募集要項に必ず記載すべき項目は何ですか？

募集要項の必須項目は、「業務内容」や「契約期間」など主に12の項目があります。

詳しくは本記事の「募集要項に記載すべき必須項目一覧」をご覧ください。

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