中途採用ノウハウ

【面接官必見】面接で使える質問例!応募者を見抜く質問意図と深掘りのコツ

【面接官必見】面接で使える質問例!応募者を見抜く質問意図と深掘りのコツ

面接の質問リストは、採用の精度を高める重要なツールです。

面接官は、「この質問によって何を把握すべきか」を理解した上で面接に臨み、応募者一人ひとりのスキルや人間性を見極める必要があります。

本記事では、アイスブレイクから逆質問まで、面接の流れに沿った豊富な質問例を網羅し、応募者の本質を見抜くコツも詳しく解説。
新卒・中途など対象別の質問リストも必見です。

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面接官の役割とは

面接官は、応募者のスキルや行動特性、潜在能力などを洞察し、自社に必要な人材を見極める役割を担います。

主観に左右されない「公平な評価者」であるべきですが、それと同時に「評価される側」でもあるという認識を持たねばなりません。

応募者は、面接官を通して企業の実態を探り、入社の是非を検討します。

面接官にとって、企業のビジョンや将来性を伝え、応募者の動機形成を促すことも重要な役割です。

人材の評価とミスマッチの防止

面接官の主な役割は、応募者の適性と能力を見極め、ミスマッチを防止すること。

履歴書や職務経歴書だけではわからない人物像や、業務を遂行する力量があるかどうか、直接会話を通じて評価します。

面接は一人ひとりを短時間で見極める必要があるため、偏見を持たないように客観的な視点で評価することが求められます。

また、企業全体の人材需要と応募者の特性をうまく結びつける洞察力も必要です。

企業の魅力を応募者に伝える「動機づけ」

企業の魅力を伝え、応募者の惹きつけを強化することも面接官の重要な役割の一つです。面接官は企業の代表として応募者と接することになります。

企業の文化や仕事の魅力、働きがいなどを伝える役割も担っているため、面接官自身も応募者によい印象を与えられるよう心がけることが重要です。

面接の基本の流れ

一般的な面接の流れをご紹介します。

まず、面接は挨拶や自己紹介から始まります。ここでは、言葉遣いや態度、自己表現力を確認します。

挨拶や自己紹介を通して、応募者の第一印象とコミュニケーション能力を確認することは、採用の一つの判断軸となります。

続いて、職務経歴などの情報や志望動機を確認します。前職や経歴、現在の状況などを深く掘り下げ、応募者の強みや可能性を探ります。

その後、職務に関する質疑応答の時間を設け、仕事に対する理解度や関心度を確認しましょう。

最後に、応募者自身が知りたいこと・不明点を解消するために「逆質問」の時間を設けるケースもあります。逆質問を通して企業の情報をより深く理解し、具体的な業務や将来へのビジョンが形成され、志望度を高める効果が期待できます。

以上が面接の基本的な流れです。ただし、企業や業界によっては異なる流れの方が適切な場合もあるため、適宜流れは組み換えましょう。

面接の質問リストと質問意図・深掘りのコツ!

面接の質問リストは、応募者の潜在的な資質まで深堀りできる内容が求められます。

作成の際は、「Will:自社で働く意欲があるか」「Can:自社に貢献する能力があるか」「Culture:企業文化にフィットするか」という3軸のフレームワークで整理するとよいでしょう。

この章では、面接を時系列で4段階に分類し、各ステップで何を把握すべきか解説します。

(1)序盤(アイスブレイク・自己紹介)の質問

面接の導入部では、アイスブレイクによって応募者の緊張をほぐし、本来の人柄や能力を発揮できるよう促しましょう。
アイスブレイクの質問例をご紹介します。

アイスブレイクの質問例
  1. お越しの際の交通状況はいかがでしたか?
  2. 暑い日が続きますが体調はいかがですか?
  3. あなたの出身地はどこですか?
  4. 最近読んだ本や観た映画について教えてください。
  5. 最近特に関心を持っているニュースや出来事は何ですか?

応募者の回答によって、「TPOに合わせた話題選びができるか」といった基本的なビジネスマナーが伺えます。

さらに深堀りする場合は、以下のような質問をおこないましょう。

深堀りする場合の質問例
  1. 移動の際は、不測の事態を想定して計画を立てるタイプですか?
  2. 体調を維持するために心がけていることはありますか?
  3. 出身地の◯◯県にはどのような魅力があるか教えてください。
  4. 最近読んだ本や観た映画から得たものはありますか?
  5. そのニュースや出来事に関心を持った理由は何ですか?

次に、自己紹介を求める際の質問例をご紹介します。

自己紹介を求める際の質問例
  1. 簡潔に自己紹介をお願いします。
  2. あなたを表す一言は何ですか?
  3. 今までの経験やスキルを基に、あなたの強みについて教えてください。
  4. あなたの専門的なスキルや知識について述べてください。
  5. あなたがこれまでに最も誇りに思う成果や過程は何ですか?

自己紹介から、コミュニケーションの基本姿勢や要約力を把握します。
回答に対する深堀り質問例は以下の通りです。

深堀りする場合の質問例
  1. 「◯◯タイプ」とご紹介いただきましたが、それを象徴するエピソードを挙げてください。
  2. あなたを表す一言「◯◯」と、周囲から見たあなたの印象にギャップはあると思いますか?
  3. あなたの強みは、どのような場面で活かせると思いますか?
  4. あなたのスキルを使って、どのような課題を解決した経験がありますか?
  5. あなたが成果を挙げる課程で、どのような困難があり、どのように乗り越えましたか?

収穫の多い面接に向けて、序盤はリラックスした雰囲気づくりを重視しましょう。

(2)中盤(経験・スキル・志望動機)の質問

面接中盤で、応募者の経歴や能力を深堀りします。

エピソードを聞く際は、「STARメソッド」を活用し、「S:置かれた状況」「T:解決すべき課題」「A:具体的な行動」「R:行動の成果」の4点について質問すると、応募者の判断力や行動特性が見えてきます。

以下に、履歴書・職務経歴書に関する質問例をいくつかご紹介します。

履歴書・職務経歴書に関する質問例
  1. 履歴書・職務経歴書の中で特にアピールしたいことは何か教えてください。
  2. 携わったプロジェクトの詳細について、成果とその過程も含めて具体的に説明してください。
  3. 記載されているスキルについて直近の職場では実際にどのように活用しましたか?
  4. あなたが自己評価で最も高くつけるスキルは何ですか?
  5. ここに書かれている経験を弊社ではどのように活かして貢献できると考えていますか?
  6. 前職の退職理由について詳しく聞かせてください。

応募者のキャリアの軸が自社の方向性や文化にフィットしているか、また、応募者が経験を学びに転化できているかを把握します。

上記質問の回答に対する深堀り質問例は以下の通りです。

深堀りする場合の質問例
  1. 特にアピールしたいこととして◯◯を挙げた理由を教えてください。
  2. 携わったプロジェクトでは、チームメンバーとどのように合意形成を図りましたか?
  3. あなたのスキルについて、現時点の課題や、今後伸ばしていきたい部分はありますか?
  4. あなたのスキルを後輩に教えるとしたら、どのような点を強調しますか?
  5. あなたの経験を弊社で活かす際、まず何から着手しますか?
  6. 前職の退職理由と同じことが、弊社では発生しないとお考えでしょうか?また、その理由を教えてください。

次に、志望動機に関する質問例について、解説を交えてご紹介します。

志望動機に関する質問例
  1. 弊社を志望した理由は何ですか?
    └応募者が具体的になぜあなたの企業を選んだのか、その理由、応募者の独自性を理解するための質問です。
  2. この職種・業種を選んだ理由は何ですか?
    └応募者がなぜその職種や業種に魅力を感じ、志望するに至ったのかを把握するための質問です。
  3. 3年後、5年後はどのような仕事をしていたいと思いますか? 理由も交えて教えてください。
    └応募者の頭の中に描いているビジョンや将来のキャリアプランを理解するための質問です。
  4. 他社ではなく、弊社に応募した最大の理由は何ですか?
    └競合他社と比べて、あなたの企業の何に魅力を感じているのかを理解するための質問です。応募者の志望度合いが確認できます。

志望動機から、応募者の企業理解度や意欲の方向性を伺い知ることができます。

上記質問の回答に対して深堀りする際は、以下のような質問をしましょう。

深堀りする場合の質問例
  1. 弊社のよさだけでなく、現時点で見えている課題はありますか?
  2. この職種・業種を続けていく上で大変だと思うことは何でしょうか?それとどのように向き合っていきたいですか?
  3. 3年後、5年後のキャリアプランを実現するために、弊社にどのようなことを期待しますか?
  4. 弊社への応募理由は「◯◯」とのことですが、そのように感じられたのは、どのような情報に触れたからですか?

次に、仕事に対する姿勢・考え方を確認する質問例を解説を交えてご紹介します。

仕事に対する姿勢・考え方の質問例
  1. 特定の目標に向かって努力した経験はありますか?それはどのようなことで、努力した目的はなんですか?
    └応募者が具体的な目標に向かって努力できる意欲があるか評価できます。
  2. 今から話すシナリオについてあなたならどのように対応しますか?
    「例えば、あなたが休暇で旅行をしているとします。
    その最中、大切な書類の提出を忘れていることに気がつきました。
    締切は旅行から戻る予定の日で、その日の夜には提出することが必要です。
    あなたならどのように対応しますか?」
    └この一風変わった質問は、応募者が自分自身に突如生じた問題をどのように解決するのか、またその問題を受け入れ、それを乗り越える意欲があるのかを確認する質問です。
  3. あなたはどのように効率的にタスクを終えますか?特に忙しい時間や多くのタスクがある場合はどうしますか?
    └応募者がどの程度効率的に物事をこなすスキルを持っているのか、またはその技術を磨く意欲があるのかを確認できます。
  4. あなたにとって働く目的は何ですか?
    └仕事や働くことに対する本人の価値観や目的を明らかにするための質問です。

仕事に対する姿勢・考え方を確認する質問は、応募者のオペレーティング・システムやプロ意識の把握につながります。

上記質問の回答に対する深堀り質問例を見てみましょう。

深堀りする場合の質問例
  1. 目標達成に向けて、どのような計画を立て、どのような行動を起こしましたか?
  2. 「書類提出を忘れていた」という事態を防ぐために、どのような対策が考えられますか?
  3. 計画通りにタスクが進まなかった場合、どのようにリカバリーしますか?具体的な経験があれば教えてください。
  4. もし、経済的な理由で働く必要がなくなったとしたら、あなたは何をしますか?

続いて、自己PRに関する質問例をご紹介します。

自己PRに関する質問例
  1. 自身の長所(強み)は何だと思いますか?具体的なエピソード、理由を教えてください。
    └自己PRを引き出すための質問として一般的なものですが、応募者の自己分析や自己評価の深度を図ることができます。
  2. 過去の経験の中での成功体験は何ですか?また、自身が困難に直面し、乗り越えた経験はありますか?
    └具体的な経験に基づいた自己PRを引き出すための質問です。その人の柔軟性や課題解決能力、リカバリー能力を確認することができます。
  3. 自分がこの職場に入って貢献できる点は何ですか?
    └応募者が自分の能力をどの程度理解して、企業に対してどのように貢献しようとしているかを評価するための質問です。

自己PRに関する質問によって、応募者が自分の価値を客観的に分析し、ニーズに応じたプレゼンテーションができるかを判断します。

上記質問の回答に対する深堀り質問例を取り上げましょう。

深堀りする場合の質問例
  1. ご自身の長所を活かす上で、気をつけていることはありますか?
  2. 成功体験はご自身の力で達成できたものですか?チームで達成した場合、あなたの役割はどのようなものでしたか?
  3. あなたが弊社で貢献を実現する上で、どのような連携が必要だと考えますか?

面接中盤は、上記のような質問によって応募者の本質を見極め、自社とのマッチ度を測る重要なフェーズです。

(3)終盤(人柄・キャリア・条件確認)の質問

応募者のキャリアプランと企業ビジョンが互恵的な関係にあれば、長期的な活躍を期待できます。

応募者が求める将来像や条件を確認し、カルチャーフィットする人材をスクリーニングしましょう。

まずは、以下のような質問を通じて、応募者の人間性を確かめます。

応募者の人間性に関する質問例
  1. あなたが最も尊敬し、または影響を受けた人物は誰ですか?その理由も教えてください。
    └応募者の価値観や理想とする人物像など、自身の人間性が何に根差しているのかを見極めることができます。
  2. あなたが困難な状況に直面した場合はどのように対処しますか?
    └困難な状況に対処できる力や、課題解決能力、不測の事態に備える力量を判断することができます。
  3. チームで働くことについて、あなたの思いを教えてください。
    └チームワークの重要性を理解しているかどうか、また他者と協力し、協調性をもって作業を進める力量を把握するための質問です。
  4. あなたがこれまでの経歴で達成感を持ったことは何ですか?それにより自分がどのように成長したと思いますか?
    └個人の達成感からその人の価値観を理解すると共に、自己成長に向かって積極的であるかどうかを探る質問です。
  5. あなたが自己改善や自己成長のためにおこなっていることは何ですか?
    └目的に向かって進むための意志や行動力、そして自己啓発の努力を評価することができます。

人間性に関する質問によって、社内外で信頼関係の基盤を築ける人材か否かを判断します。

上記質問の回答に対して深堀りする際は、以下のような質問が効果的です。

深堀りする場合の質問例
  1. あなたが尊敬し、または影響を受けた人物から得た学びを、仕事に活かした経験はありますか?
  2. 困難な状況下での対処方法を実際に駆使した経験があれば教えてください。
  3. チームの目標とあなたの意見が食い違った場合、どのように行動しますか?
  4. 達成感を持った経験の前後で、あなたにどのような変化がありましたか?
  5. 周囲からのフィードバックを自己改善や自己成長につなげた経験はありますか?

次に、キャリアプランを確認する質問例をご紹介します。

キャリアプランを確認する質問例
  1. ここ3〜5年で描くキャリアビジョンを教えてください。
  2. 弊社ではどのようなキャリアを歩みたいと考えていますか?
  3. 勤務開始後、最初の1年間で達成したいことは何ですか?
  4. 自分のスキルをどのように伸ばしていきたいと思っていますか?
  5. あなたが考える未来のリーダー像とは何ですか?
  6. あなたにとって仕事のプロフェッショナルとして自己実現することは何を意味しますか?
  7. 自身にとっての成功はどのように定義しますか?

キャリアプランに関する質問は、将来性や自己啓発の意識、深層的な価値観の把握に役立ちます。

応募者のキャリアパスと自社の方向性が一致しているか否かも掘り下げましょう。

深堀り質問例を以下でご紹介します。

深堀りする場合の質問例
  1. そのキャリアビジョンに向けて、すでに取り組んでいることはありますか?
  2. もし、ご希望のキャリアとは異なる業務を任された場合、どうしますか?
  3. あなたの目標達成は、チームや部署にどのような影響を与えると思いますか?
  4. インプットしたスキルを、実際の業務でどのように活かしていきたいと考えていますか?
  5. 逆に、「このようなリーダーにはなりたくない」と感じた経験はありますか?その理由も教えてください。
  6. 自己実現の達成度は、何をもって測りますか?周囲からのフィードバックでしょうか、それとも具体的な数字でしょうか?
  7. 仕事における成功と、プライベートにおける成功について、それぞれどのように考えていますか?両者のバランスをどのように取りますか?

続いて、募集要項や条件に関する一般的な質問例を、解説を交えてご紹介します。

募集要項や条件に関する質問例
  1. 弊社の求人情報をどこで見つけましたか?
    └この質問は、企業が求人広告の出稿先に対する効果を確認するのに役立ちます。
  2. 募集要項について何か質問はありませんか?
    └応募者が求人広告の内容を理解しているか、不明点を明確にして納得してもらうために効果的な質問になります。
  3. 弊社が提示する条件(勤務時間、シフト、給与等)について、何か質問はありますか?
    └この質問は、応募者が提示された条件を受け入れられるかどうかを確認するためのものです。
  4. 給与や勤務時間の条件について、何か交渉したいことはありますか?
    └これまでの役職や職歴、資格の保持状況によって条件交渉の余地がある場合に、応募者が何を期待しているかを理解するために役立つ質問です。

募集要項や条件に関する質問を通じて、応募者が抱く期待値と実態との間にギャップがないかを探ります。

上記質問の回答に対する深堀り質問例をご紹介しましょう。

深堀りする場合の質問例
  1. 弊社のどのような点に興味を持たれましたか?
  2. 募集要項の内容を踏まえて、入社後のご自身の働き方をどのようにイメージされていますか?
  3. 勤務時間や給与以外に、働き方の条件として特に重視されている点はありますか?
  4. ご希望の条件に完全に沿うことが難しい場合、どの程度の条件であればご検討いただけますか?

これらの質問を通じて、自社と応募者がWin-Winの関係を築けるか否かを見極めます。

(4)クロージング(逆質問)

最後に、言い残したことや質問はあるか応募者に尋ねます。

クロージング(逆質問)の質問例
  1. 弊社について何か疑問点はありますか?
  2. 募集している部署についてより詳しく理解したい部分は何ですか?
  3. 弊社での勤務を仮定したときに、どの部分に不安を感じますか?
    また、確認したいことはありますか?
  4. 弊社のビジョンやミッションについて、何か質問はありますか?
  5. 具体的な業務内容やチームについて、何か質問はありますか?
  6. 自身のキャリアについて、弊社にどのような期待を持っていますか?

応募者に自由な発言を促すことで、入社意欲の把握や不安の解消につながります。
また、面接官の回答次第で、企業のイメージアップが可能です。

以下のように、逆質問に対する回答例も想定しておきましょう。

逆質問に対する回答例
  • 残業時間に関する質問に対して
    『◯月は繁忙期のため月◯時間程度の残業が発生することもありますが、生産性向上に向けてノー残業デーの徹底や業務効率化ツールの導入を進めています。』
  • 事業展望に関する質問に対して
    『市場における◯◯事業のポジションについては、こちらの資料をご覧ください。
    現在、水平型多角化の戦略によって、◯◯分野への新サービス投入を進めています。
    新たに入社される方には、戦略の中枢を担う人材になっていただきたいと願っています。』

ネガティブな情報にも触れながら企業の改善努力を伝えることで、信頼関係の構築につながります。

採用対象別の面接での質問項目

面接官として聞く質問内容は、応募者の現状や経歴により異なります。

以下に、新卒採用、中途採用、異業種や未経験業種からの転職、そしてブランクがある場合の面接における質問の具体例を挙げます。

新卒採用における面接の質問例

新卒採用の面接では、学生時代の経験や将来のビジョンなどを問うことで、候補者の可能性や適性を探ることが目的となります。

以下に、新卒採用時の面接における質問例を解説を交えてご紹介します。

  • 職務経験が少ない中で、あなたが弊社で発揮できそうな強みとは何ですか?
    └学生が自身の強みを理解し、その強みを企業でどのように発揮できると考えているか把握します。
  • 大学生活で最も達成感のあった成果は何ですか?
    └学生がこれまでどのように自己啓発をおこない、成果を挙げてきたか、自分自身の能力に自信を持っているかを判断します。
  • 専門的な学問以外において、大学生活の中で学んだ最も価値のあることは何ですか?
    └専門的な学問以外における、応募者が得た生きる上での教訓や価値観を理解します。
  • 専攻した学科を選んだ理由は何ですか?
    └学生の専門領域への情熱や興味関心を理解し、適性や取り組み方を確認します。
  • 5年後、10年後に自分がどのように成長していると思いますか?
    └学生が自身のキャリアパスに対するビジョンを持っているかどうかを確認します。
  • 弊社を志望した理由は何ですか?
    └学生が企業研究をどの程度おこない、自身のキャリアの希望を明確に理解しているかを確認します。

新卒採用における面接では、学生の様子を確認するのと同時に、企業とどれだけマッチしているかを検討することは必要不可欠です。

上記の質問事項を応用して、企業で活躍できる新入社員を見つけましょう。

中途採用における面接の質問例

中途採用の面接では、新卒採用と異なり、応募者の今までの職務経験やスキルを重視する傾向があります。

具体的な質問例を解説を交えて見ていきましょう。

  • 以前の職場での主な業務内容を教えて頂けますか?
    └応募者がどのような職務内容に携わっていたのか知ることで、その経験を評価します。
  • 前職で経験した一番大きな成功体験は何ですか?
    └応募者がどのような状況でどのように成功したかを質問することで、応募者の能力や適性を見極めます。
  • 前の会社を辞めた理由を具体的に教えてください。
    └応募者の働き方に対する価値観や希望する条件を知り、自社から再び転職するリスクを評価します。
  • 前の職場での失敗経験とその反省点は何ですか?
    └応募者の失敗への対応や失敗後の成長意欲を見ます。
  • 弊社と前の職場とは何が違い、どの点について魅力に感じましたか?
    └会社への理解度や興味度を評価します。また、どのような点で自社を選んでいるのか把握します。
  • 今までの経験を活かして弊社にどのような貢献ができると思いますか?
    └これまでの経歴を活かす具体的なビジョンや、アイデアを持っているかどうかを見極めます。

応募者の上記質問への回答からは、過去の経験や成果だけでなく、応募者自身の性格や働き方、企業理解、志向性なども読み解くことができます。

面接官は、ただ応募者に話させるだけでなく、具体的なエピソードを引き出すようにしましょう。

異業種や未経験業種への転職面接の質問例

ここでは異業種や未経験業種への転職を希望する応募者への質問例について、解説を交えてご紹介します。

  • あなたが弊社の業種へ転職を希望する動機は何ですか?
    └応募者が新しい業界や業種へ興味を持つきっかけを確認します。
    具体的な経緯を詳しく聞くことで、応募者が本心から業種変更を望んでいるのかを見極めます。
  • 弊社で業務をこなすための知識や、学習した事柄はありますか?
    └異業種への転職者にとっては未経験の業務も多くあります。
    そのため、これまでに学んだ知識があるかを確認します。
    ない場合は、今後どのように習得していくかの具体的な想定を求めることも有効です。
  • 前職での経験が新しい業種で活かせる部分はありますか?
    └応募者の経験が、他業種でも活かせるという場面は多々あります。
    応募者がこれまで培ってきた経験や視点が、新たな職場でも有効そうかどうか、事例を尋ねます。
  • この業種への転職に対して、抱えている懸念点は何ですか?
    └新たな業種での働き方に対して、不安や懸念はないかを確認します。
    現状の認識やリスク管理の視点から、具体的な想定とそれに対する対策・準備があるかを尋ねます。
  • 弊社の業界に対して、どのようなイメージをお持ちですか?また、どうしてそのイメージを持ちましたか?
    └応募者から見た業界へのイメージを理解し、応募者が今後企業でどのように働くことを想定しているか確認できます。

上記の質問はあくまで応募者に対する理解を深め、適応力を確認するためのもの。
そのため、面接官側も自社の業種について改めて応募者に伝えることが大切です。

ブランクがある場合の面接の質問例

ブランク期間が存在する応募者は、その期間に何をしていたか、どのように自己成長を促していたのかなどを評価しましょう。

具体的な質問例を解説を交えてご紹介します。

  • ブランク期間中にどのような活動をしていましたか?
    └応募者から「自己成長のために勉強をした」、「専門的な資格を取得した」などの回答が見られた場合、採用後、業務に対して積極的に取り組むことが見込まれます。
  • なぜブランク期間ができたのですか?
    └健康上の問題や家庭の事情など、一人ひとりブランクの理由は異なります。
    理由を理解した上で、その問題をどのように解決したかなど、問題解決力を評価することができます。
  • 再就職・転職を考えたタイミングとその理由を教えてください。
    └「ブランク期間中に自身の状況が改善したので、転職活動を始めた」など、転職活動を始めたタイミングや理由を聞くことも応募者の思考や行動パターンを知る上で役立ちます。
  • ブランク期間中に学んだことや成長したと感じる部分は何ですか?
    └ブランク期間中にも新たなスキルを学んだり、考え方を変えたりする機会はあります。
    その経験がどう自己成長につながったかを具体的に聞くことで、応募者の職務への適性や向上心の高さを確認することができます。

上記の質問のように、応募者にブランク期間がある場合はその理由と、ブランク期間中の行動、そして現状における職務への向上心や適応力を確認する質問をおこないましょう。

面接で応募者を見極めるコツ

面接官として、多くの人材の中から自社にとって最適な人材を選び出すことは簡単なことではありません。

しかし、いくつかのコツを学び、応用することで、効果的に応募者を見極める技術を磨くことができます。

以下に面接で応募者を見極めるコツを5つご紹介します。

(1)形式に縛られず、フレキシブルな視点で応募者を見る

典型的な質問だけに頼らず、応募者の思考のプロセスや問題解決のアプローチを掘り下げるような質問をおこなってみるのも効果的です。

面接官による予想外の質問に対して、応募者がどのように回答するか、新たな一面を見ることもできます。

(2)総合的なパフォーマンスを評価する

応募者の能力や適性は、総合的に見ることが重要です。

特定の質問に対する答えだけを見て判断するのではなく、面接全体を通じて言葉遣いや態度、反応などをチェックしてみてください。

(3)長期的な観点から応募者を見る

応募者がその場の質問に答えるだけでなく、将来の可能性や成長性を持っているか見極めることも大切です。

そのためには、今後のキャリアについてどう考えているかや将来に対するビジョンを問う質問を取り入れましょう。

(4)実績に注目する

応募者が過去に何を達成したか、どのような経験をしてきたかなどをよく把握することで、入社後の働きぶりについて予測がたてやすくなります。

(5)隠れた能力を見つける

度々見落とされがちなのが、応募者の学歴や職歴以外にある潜在的なスキルです。

応募者が持つ潜在的なスキルがどのようなものかを見極めることで、自社に必要な人材が見つかる確率を高めることにつながります。

ここまで紹介した5つのコツを駆使し、応募者それぞれの経歴やスキル、考え方や価値観などを明らかにすることが重要です。

面接官の業務は容易ではありませんが、それぞれの応募者を充分に見極める能力と正確な判断力を身につけることで、自社にとって最適な人材を採用することができます。

面接の質問以外の評価項目

採用面接では、応募者を理解する上で多くの情報を得ることができます。

質問の回答内容も大切ですが、それだけでは完全に個人の評価をすることはできません。

それでは、面接の質問以外でどのような項目を評価するとよいのでしょうか。
以下に確認すべき項目を5つ挙げます。

言葉遣い・礼儀
面接時における言葉遣いや態度は、その人の人格や教養を示します。敬語の使い方や挨拶など基本的なマナーが適切に使えているかを注視する必要があります。

コミュニケーションスキル
面接は一方通行なものではないため、応募者の対人スキルやコミュニケーション能力を見ることができます。相手の話を理解し、適切に反応できる能力はあるかが判断材料になります。

準備性
面接の場に早めに来ているか、面接に備えてどれほど準備をしてきたかも大事な評価ポイントです。遅刻や資料の準備不足などは、思慮深さや責任感の欠如を示すかもしれません。

視線・表情
応募者の視線はその人の誠実さを示します。しっかりと目を見て話すことができれば、自信と真摯さが伺えます。

また、自然な表情を保つことができるか否かも、ストレス対処能力や感情のコントロール能力と結びつきます。

服装・身だしなみ
清潔感があり、面接に適した身だしなみを整えられているか確認することは、その人の生活習慣や自己管理能力を示す指標となります。

以上のように、面接を通じて確認すべき情報は質問の回答だけにとどまりません。応募者の全体像を見るために、様々な観点から評価をおこないましょう。

まとめ

面接は、応募者の適性や人間性を探求するための重要なプロセスです。

上述のように面接には様々なポイントがあり、面接官は対話を通して応募者を見極め、自社に最適な人材を見つけ出すことが求められます。

アイスブレイクの質問から始まり、自己紹介、職歴、志望動機、働く姿勢、人間性、キャリアプラン、自己PR、求人に対する理解度などを聞き出し、最後に逆質問を促すことで応募者の意欲を確認しましょう。

採用する対象ごとに質問項目が異なる点にも注意が必要です。

新卒者、中途者、異業種からの転職者、そしてブランクのある求職者など、それぞれに対して有効な質問は異なります。

効果的に情報を引き出すためにも、各対象者の背景や特性をふまえて質問しましょう。

また、単に質問するだけではなく、応募者の到着時間や身だしなみ、言葉遣い、反応速度、倫理観、情熱などからも合否を見極めましょう。

オンライン面接も増えた昨今、面接での見極めの難易度は高まっています。

本記事を参考に、相手の可能性を引き出し、自社にとっての最適な人材の採用を目指しましょう。

監修者情報
知恵袋編集部
「採用と育成の支援をとおして、人と組織の可能性を耕す。」というミッションのもと、人材施策の軸となる採用から育成までの支援をおこなうカケハシスカイならではの知見をお届けする記事を執筆・編集。中途採用の知恵袋では、採用担当向けに、中途採用全般に役立つノウハウを幅広く発信しています。
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