新入社員育成

新入社員の育成計画の立て方とは。効果や手順、作成のポイントを紹介

新入社員の受入時には、新たに育成計画を立てる企業や育成計画を見直したいと考える企業も多いのではないでしょうか。

育成計画を立てる際、「新入社員の育成計画をどのように立てたらよいかわからない」「育成計画を立てることによって得られる効果を知りたい」と感じている人事担当者や育成担当者もいるでしょう。

今回は、新入社員の育成計画を立てる手順や得られる効果、立て方のポイントなどを紹介します。

新入社員の育成計画を立てる目的と得られる効果

新たに企業に加わる社員に対し、経営理念や事業内容から、ビジネスマナー、コミュニケーション力までさまざまな項目を身につけてほしいと望む企業は多いです。

育成計画を立てる目的は、企業側が育成したい項目を、効率的かつ効果的に学んでいけるようなプログラムを作ることといえます。

育成計画を立てることで、目指すべき人材像が具体化されるため、新入社員のモチベーションを高める効果が期待できます。

さらに、計画に対する進捗状況がわかりやすいことから、育成担当者が全体像を把握しやすくなります。

教育方法が明確になることで育成担当者の負担が減り、効率的な教育や生産性向上が可能です。

企業側としても新入社員の育成に注力することは、個人の成長が期待できるだけでなく、いずれはチームや組織を動かす側になる能力が得られるというメリットがあります。

早期育成を促すと同時に、今後に活かせるマネジメント力の醸成にもつながります。

新入社員の育成計画時に最低限抑えておきたい手順

新入社員の育成計画を立てる際はいくつかの手順を踏み進めていきましょう。ここでは育成計画の作成手順の中でも、最低限抑えておくべきものを3つに絞って紹介します。

育成計画時に最低限抑えておきたい手順
  1. 目標の明確化
  2. 習得すべきスキルと時期の決定
  3. 指導内容の考案

手順(1)目標の明確化

新入社員の目指すべき姿を決める際、目標を立てる上で重要なのは経営理念との整合性といえます。

経営環境によって経営や人事の戦略が変化するため、経営戦略をもとに「求める人物像」を明らかにしていくとよいでしょう。

また、一人ひとりに対して目標を明確化することも大切です。

潜在的に持つ能力や学んできたスキルもそれぞれ違うため、新入社員1人ずつに「どのような役割を期待するのか」を伝えられるよう準備しておくと、より目標に向かって取り組みやすくなります。

手順(2)習得すべきスキルと時期の決定

育成計画において目標を設定する際は、入社前や入社後数ヵ月、現場着任後など段階に分けて目標を立てると、より明確で達成しやすくなります。

段階別に習得してほしいスキルや時期、それに対する目標や手段、フォローの仕方などを決めていきましょう。

手順(3)指導内容の考案

指導内容を考える際は、新入社員に共通する問題を洗い出し、まずフォローや評価をパターン化することが大切です。

教育手段として集合研修やe-ラーニング、OJTトレーナー制度を導入するなど、スキルの特徴に沿ったカリキュラムの設計が重要だといえます。

新入社員の育成計画を立てる時に役立つツール3選

実際に育成計画を立てる際、イメージしているものを計画に落とし込むことは難しく、参考となるものがないという企業もあるかもしれません。

厚生労働省では人材育成で活用できる3つのツールを公開しています。

(1)職業能力評価基準

職業能力評価基準とは、仕事内容を細分化したものであり「知識」や「技術・技能」に加えて「職務遂行能力」を業種別、職種・職務別に整理したものです。

人材のレベルを4段階に分け、それぞれのレベルに応じた基準が設けられているため、新人から管理職までの育成に使用できます。

具体的にどのような行動や能力が備わるとよいのかが明確化されているため、育成計画を作成する際に参考にしてみてください。

(2)キャリアマップ

キャリアマップとは、職業能力評価基準の4つに分けたレベルをもとに、それぞれの職種に沿った標準的なキャリアを示したものです。いわゆる「組織図」にあてはまります。

「キャリアまでのステップ」と「各レベルの習熟目安となる年数」が一目でわかるため、社員の目的意識を高めやすいです。

注意点として、企業規模や業務内容など企業の特性によって内容は異なるため、あくまで参考程度と考える方がよさそうです。

はじめはスタッフとして店舗で働いており、昇格することで本社や本部に上がっていくような業種、事務職や営業職などでは比較的取り入れやすいといえます。

(3)職業能力評価シート

職業能力評価シートとは、職業能力評価基準をもとに「職務遂行のための基準」を簡略化したものであり、人材育成に有効なヒントを得られるチェック形式の評価シートです。

はじめに社員自身が自分の知識やスキルをチェックシートに記入し、その後同シートに上司が評価・コメントをする仕組みです。

これを活用することで、「自分または部下の能力レベル」や「次のレベルに上がるために不足しているもの」が具体的に把握できます。

新入社員の育成計画を作成するポイント

これから新入社員の育成計画を立てる企業に向けて、作成のポイントをカケハシ スカイソリューションズで実際にさまざまな研修を立案・提供している研修開発者に聞いてみました。

K.Y
K.Y
(株)カケハシ スカイソリューションズ
教育研修事業部マネジャー
研修コンテンツ開発者

新入社員の育成計画時、必ず盛り込んだ方がよいことは?

育成計画を作成する際に、新入社員の「目指す姿」を明確化するのはマストです。

このときポイントとなるのは、「いつまでにその姿を目指すのか」と行き先を示すことです。具体的に、1年目の「何月までに」と時期を提示することで、目標に向かいやすくなります。

また、新入社員の意向を汲み取ることも重要です。

育成担当者も新入社員の意向を把握しておくことで、「フィードバックがしやすい」「伝えるべきポイントが絞りやすい」といった効果が得られます。

新入社員の考えを知るきっかけになるだけでなく、「自分の話を聞いてくれる」という安心感も与えられるため、成長を加速させることもできそうです。

この2点は必ず盛り込んでほしい内容であるにもかかわらず、見落としやすい点でもあります。

育成計画は企業の意向や育成担当者のやりやすさを含んで作りがちですが、そこに新入社員の目指す姿や意向を入れることで、企業や上司に対する信頼感の醸成にもつながるため重要な内容といえますね。

人材育成に関する自社の課題を把握するには?

自社の課題を把握するには、課題の本質の部分を具体化していくとよいと思います。

たとえば「離職率が高い」という課題があった場合に、「その課題の後ろでは何が起きているのか」を紐解いていくことで、育成が組織として機能していないなどといった課題が見えてくるかもしれません。

課題の本質を言語化、明確化していくことが重要です。そのため、課題となりやすい点は企業によって大きく異なるといえますね。

課題点が企業ごとに異なるということは、社内で完結するのは非常に難しいともいえます。

そのような場合は、外部に依頼してみると客観的な視点から課題が見つけられます。

弊社のように採用から人材育成までも一貫して行っているところでは、新入社員の特性や組織体を理解しながら育成計画を立てられることが強みですね。

集合研修やOJT、自己啓発など、それぞれ期待できる育成効果は?

自己啓発は、新入社員が「自分にとって必要だと思ってはじめて自ら動き出す」もので、そのスイッチを入れる役割が「研修」や「OJT」です。

この2つはマストな両輪といえますね。

研修の目的は「行動変容につなげる」ことであり、行動が変わらないのであれば行う意味がなくなってしまいます。

研修を通して「問われて自分の頭で考える」、さらにOJTで「自ら発信していく」と気づきが得られ、行動が変わるポイントとなります。

一方で専門職の場合は、研修で「一歩を踏み出すきっかけ作り」はできても、専門的なことは現場での積み重ねが必要です。

専門性の高いスキルの習得については、現場で進めていくことが重要となります。

一歩踏み出すまでを全体向けの研修でサポートし、その後はOJTなど職場ごとにフォローしていくことが望ましいですね。

まとめ

新入社員の育成計画を立てることで、新入社員の知識やスキルの習得だけでなく、早期育成の助長や今後に活かせるマネジメント力の醸成につながります。

育成計画を立てる際は、具体的な期限と新入社員の意向を織り交ぜることが、新入社員と育成担当者の両者がより目標達成に向かうポイントです。

この2つを念頭に置いた上で、手順やツールを参考にしながら育成計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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