新入社員育成

新入社員の育て方ガイド|研修のプロに学ぶ、戦力化のポイントとは

初めて新入社員の育成を担当する方の中には、「新入社員の育て方を知りたい」「新入社員との関わり方がわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。

今回は、新入社員を育てる際にやるべきことに加え、育て方のポイントやコツをご紹介します。

新入社員育成の目的

新入社員の育成は、新入社員が企業で活躍できる人材となるよう教育していくことを目的に実施します。

新入社員の育成は、主にOJTトレーナーなどの育成担当者や上司からの指導、研修などを通して実施されます。

初めて新入社員の育成担当となった方の中には、上司に尋ねたり、本を読んだりしながらどのように育成したらよいかと悩んでいる方もいるかもしれません。

育成担当者側も「ゆとり世代」と呼ばれる世代へと移行してきており、新入社員にとってはあらゆる考え方や特徴をもつ世代から指導されることになります。

その中で、育成担当者や人事担当者は、社会人としてのルールや心構え、ビジネスマナー、業界・業種、企業理念などを伝えていくことが新入社員を育成する上で重要です

新入社員を育てる際にやるべきこと

新入社員を育てるには、どのような方法があるのでしょうか。育成担当者が新入社員を育てる際にやるべきことをまとめました。

新入社員の傾向や特徴を知る

現代の新入社員は仕事に対して、「目立たずに淡々とこなしたい」「出世よりもプライベートとの両立を図りたい」などの考えをもつ特徴があります。

また、さまざまな情報が溢れていることから、「わからないことは人に聞くよりも自分で調べる」といった傾向もあり、コミュニケーションを苦手とする方も多いと考えられます。

世代の傾向を踏まえた上で、育成担当者は新入社員の求める働き方や企業への思いを聞き、どのような考えをもつ人なのかを把握しましょう。

新入社員の意見や意向を聞き入れながら目標を定めるなど、一人ひとりに合った育成方法を考えると効果的です。

育成計画を立てる

具体的な育成計画を立てることで、「組織のニーズと人材の不一致」や「上司と部下間における育成方針の認識のずれ」などの予防につながるといえます。

どのような段階を踏んで成長してほしいかを計画に落とし込むことにより、業務に必要な知識やスキルを身につけるだけでなく、社員間での連携の取り方やコミュニケーション力も必然的に学ぶことが可能です。

目標や達成時期を明確化することで、新入社員のモチベーション向上ややりがいにつながることも期待できます。

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成長を促すためのテンプレートを作成する

PDCAを回しやすくするため、日報のテンプレートを作ってみてもよいかもしれません。

今日の目標や結果、振り返り、改善点と欄を設け、1日の目標を細かく立ててから業務をこなしていくことで、自ら考えて行動する力や次はどのようにしたらよいかと考える力が徐々に備わっていきます。

はじめは育成担当者と一緒に実施することで、ヒントを得ながらPDCAを回していくと、より効果を発揮できそうです。

「話す」「コメントを書く」など適宜フィードバックしながらコミュニケーションを図ると、育成担当者との信頼関係の醸成や新入社員の心理状態の把握にもつながります。

定期的に研修に参加する

新入社員一人ひとりの考え方が違うように、育成担当者も一人ひとり捉え方が異るため、育成担当者を対象とした研修に定期的に参加するなど、支援の仕方や声の掛け方を学ぶ機会が大切です。

自分の役割や自分ができること、してあげられることを学ぶことで、より効果的な育成へとつながります。

研修のワークやケーススタディを通して、さまざまなシチュエーションが想定できると学びが実感でき、育成する上での気づきも得られます。

活躍できる新入社員を育てるための3つのポイント

育成担当者の多くは、新入社員に対し「活躍できる人材になってほしい」「戦力化したい」と考えるのではないでしょうか。新入社員の成長を加速させるポイントとして、3つご紹介します。

  1. 目標に対する背景や理由を伝える
  2. 適切なフィードバックをおこなう
  3. キャリアプランの設計を支援する

ポイント(1)目標に対する背景や理由を伝える

1つ目は、業務内容やスキルを教える際、背景や理由も含めて伝えることです。

業務のやり方だけを伝えられるだけでは、新入社員が本質を理解しにくいもの。背景や理由を理解することで、教えられていないケースに遭遇した場合でも、求められているものを想定して行動できるようになります。

臨機応変に対応できることは新入社員の自信へとつながり、モチベーション維持の効果も期待できます。

ポイント(2)適切なフィードバックをおこなう

新入社員は研修や実践を通して、ときには失敗してしまうこともあります。

そのような時には、育成担当者が一緒に問題点を洗い出し、次回の行動や考え方をどう改めるか、適切にフィードバックしてあげましょう。

新入社員の目標や意向に沿わない行動があった場合に軌道修正してあげることは、新入社員に「見てくれている」という安心感を与えられます。

失敗時だけでなく成功したときの振り返りも習慣づけることで、客観的な自己評価や柔軟性のある学習にもつながります。

フィードバックの際、業界用語など日常会話で使わない単語を用いる場面では、説明を加えながら伝えていくよう注意しましょう。

ポイント(3)キャリアプランの設計を支援する

現在の業務を対応することで、どのようなステップで昇進や昇格ができるかなどを伝え、具体的なキャリアプランが描きやすいよう支援していくことも重要です。

この会社でどのようなことを実現させたいのか、そのためにどのようなことをすべきなのかを、育成担当者とともに考えるようにしましょう。

将来の見通しが立つことで、新入社員の早期離職防止やモチベーション維持に効果的だといえます。

研修開発者に聞く、新入社員を育成するコツ

新入社員を育成する際は、どのようなコツがあるのでしょうか。育成時に役立つ具体的な方法を、個社の要望に合わせた研修コンテンツの開発を得意とする研修開発のプロに聞いてみました。

K.Y
K.Y
(株)カケハシ スカイソリューションズ
教育研修事業部マネジャー
研修コンテンツ開発者

モチベーションを下げずに、マイナス面を伝えるコツは?

新入社員にマイナス面を伝える際は、納得感をもたせるフィードバックが必要です。新入社員が自分自身で気づけるような問いかけをすることがコツですね。

向かう先が明確でないのに同じことを何回も指摘されるのは、お互いが負のスパイラルに陥ってしまいます。初期段階で新入社員と一緒に行き先を明確に握っておくことが重要です。

「このミスを繰り返すと、1年後に目指している姿と異ならない?」「このままだとどうなる?」と質問によって新入社員自身が想像し口にすることが大切なため、考えるような問いかけがポイントとなります。

新入社員にとっても「日頃から自分を見てくれている」という安心感につながりますね。

新入社員の育成を初めて担当する人が注意すべきことは?

育成担当となる人は、自分が育てられたように育成する傾向があります。それがよい場合もあれば、落とし穴となってしまう場合もあります。

自身の育成方法を客観的に見つめ直したり、育成者同士で話したりして、自身の「育成の癖」を知っておくことが大切です。

その癖を意識下に置くことで、実際に育成する際の抑制にもつながります。

次のステップとしては、OJTトレーナー研修などを通して「声掛けの選択肢を増やす」など、さまざまなパターンを知ることが重要です。

自分の使い慣れた手札だけでなく、他の手札も併用できれば、さまざまなパターンでのアプローチが可能になると思います。

育成担当者の能力を高めるために効果的な方法は?

育成担当者には「傾聴力」や「質問力」を身につけてほしいと思います。

これらは、将来のマネジメントや営業活動、日々のコミュニケーションでも役に立つスキルです。

また、育成担当に選ばれる人材の多くは、新入社員の見本となってほしい人ですよね。

そのような人材は仕事量も多く、業務の柱となっている方であるのが一般的です。忙しい業務の中で育成に時間を割くことが難しかったり、煙たがられたりする場合もあるかもしれません。

そのような場合は、企業側が半日や1日など時間をとって研修時間を設定しましょう。

日常業務から離れて育成に集中できる環境を提供できるため、きっかけづくりとして育成担当者向けの研修開催は効果的だといえますね。

伸び悩んでいた新入社員に効果的だった育成方法は?

新入社員にとって「話を聞いてあげる」ことは一番大切なことだと思います。話を聞いていく中で、成長を抑制している要因が見えてくるはずです。

さらに質問を加えて紐解いていくことで、歯車として存在しているものがどこにあるかがわかります。

要因がわかったら、それについてとことん向き合い、解決への道筋を提示してあげるとよいと思います。

また、新入社員のよいところを10倍くらいにして褒めることも効果的ですね。

最近の新入社員の傾向として、褒められるのも叱られるのもあまり経験してこなかった方が多い印象です。

褒めてもらえることは安心感につながり、少しずつ自信にもなっていきます。

「◯◯さんがこの企画を褒めていたよ」など、第三者からの評価を伝えるのも、育成担当者に身に付けてほしいスキルですね。

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具体的な研修の内容や、受講した企業様の評価・口コミを知りたい方は以下の記事も合わせてお読みください。

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まとめ

新入社員が企業で活躍できる人材となるための育成方法は、新入社員の傾向や特徴を知ること、育成計画を立てることなど、さまざまあります。

適切なフィードバックやキャリアプラン設計の支援することが、新入社員の成長を促すポイントです。

より効果的な育成となるよう、この記事を参考に自身の育成における傾向を把握することや傾聴力、質問力を学んでみてはいかがでしょうか。

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