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採用パンフレットの構成内容と作成手順、自社の魅力を伝える作り方を解説

採用パンフレットの構成内容と作成手順、自社の魅力を伝える作り方を解説

採用パンフレットは、会社説明会などで配布し、求職者の応募意欲向上を図るツールです。

「採用活動を成功に導く採用パンフレットの制作方法がわからない」という採用担当者もいることでしょう。

制作の意図や目的が不明確なまま制作すると、訴求力は発揮できません。

そこで今回は、採用パンフレットの基礎知識から制作ポイントまで詳しく解説します。

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採用パンフレット(リクルートパンフレット)とは

採用パンフレットとは、「リクルートパンフレット」とも呼ばれる紙媒体の採用ツールです。

求職者に自社の魅力を伝え、「この会社で働きたい」という応募意欲の向上を図ります。

採用パンフレットは、合同企業説明会や会社説明会、セミナー、学校のキャリアセンターでの配布に加え、選考フローや内定者フォローなどさまざまな場面で活用が可能です。

取引先などに配布する会社案内とは目的が異なり、体裁や内容も採用に特化しています。

「昨今のデジタル時代に紙媒体が必要なのか」と疑問に思う採用担当者もいるでしょう。

確かに、Web版と比較して効果測定や情報更新の難しさはありますが、紙質や印刷方法、加工を工夫することで五感に訴えられるほか、求職者の手元に残るため熟読や再読を促しやすいというメリットがあります。

自社ならではの魅力を伝えられる採用パンフレットの活用は、採用力向上にも寄与すると言えるでしょう。

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大企業×採用パンフレット

知名度のある大企業の採用パンフレットは、コーポレートカラーやロゴを活用して世界観を統一し、求職者にブランドイメージを植え付ける効果が期待できます。

大企業に成長するまでのストーリーやさまざまな取り組みを紹介することで、読み応えのあるコンテンツも実現可能です。

紹介する取り組みとしては、ESGやSDGs、ダイバーシティ&インクルージョン、国際社会への貢献などが挙げられます。

ただ取り組みを列記するのではなく、多様な属性の社員を起用することでダイバーシティをアピールしたり、採用パンフレットにFSC認証紙やエコプレス製本を採用している旨を記載することで環境への配慮を謳ったりと、具体性をもったアピール方法が有効です。

社会貢献の意識レベルが高い求職者に向けて大企業の責任や使命の重さを伝え、ともに目指すべき未来を提示できます。

また、大企業では採用職種と採用ペルソナが多岐にわたるため、テーマ別の採用パンフレットを制作し使い分けるケースも少なくありません。

中小企業×採用パンフレット

中小企業の採用パンフレットは、大企業とは異なる角度のアプローチが必要です。

事業規模や制度の厚みよりも、成長機会や職場環境、地域密着型の取り組みなどにフォーカスすると、中小企業ならではの魅力を発信できます。

成長機会をアピールするには、「社員の一日密着ルポ」や「社長×若手社員の座談会」といったコンテンツを通じて、社員一人ひとりの裁量の大きさや事業規模拡大の展望を伝える方法が効果的です。

求職者が「自身の成長と会社の発展を両輪で実現したい」と感じられれば、採用だけでなく職場定着にもつながります。

社内行事や対面コミュニケーションが難しくなる昨今、中小企業は家庭的な雰囲気を求める求職者の受け皿となっています。

季節行事のスナップや社員インタビューなどを掲載し、親密なコミュニケーションやチームワークのよさをアピールしましょう。

また、地域密着型の取り組みとして、地域資源の活用や地域イベントへの参加、地域ニーズに寄り添う事業などを紹介すると、地元志向の求職者にアピールできます。

地元志向の強い求職者にとって、通勤の利便性はもとより、地域活性化も応募意欲を高める要素です。

予算上、ページ数やデザインが制限される場合も、社員の手描きイラストなどを起用すれば親近感を演出できる可能性があります。

採用パンフレットが果たす役割

採用パンフレットが果たす役割は、主に次の3つです。

  •  企業の魅力を伝え志望意欲を高める
  •  求職者の不安と疑問を解消する
  •  採用ブランドを構築する

採用パンフレットは採用活動の基礎資料であるとともに、求職者の共感や応募意欲を育むコミュニケーションツールや、採用ブランディングを担う戦略的ツールという側面をもっています。

採用パンフレットは、求職者に企業を認知してもらう導入部を主として、選考フローや内定後まで幅広く活用できます。

企業の魅力を伝え志望意欲を高める

読み物として成立している採用パンフレットは、求職者の興味を惹く入口となるだけでなく、応募動機の起点となり得ます。

求職者のモチベーションを高めるには、過去と現在だけでなく、成長性やビジョンなどの未来を描きましょう。

まず、創業からの歩みと現在の事業内容を「生の声」や「数字データ」によってリアルに紹介します。

その上で定量的な指標やビジョンを打ち出すと、ストーリー性と説得力が増します。

求職者の不安や疑問を解消する

採用パンフレットは、求職者との信頼関係を築くコミュニケーションツールの機能も担います。

求職者は、「この会社でどのような働き方ができるのだろう」「良好な人間関係を構築できるだろうか」と、さまざまな不安を抱くものです。

採用パンフレット内で、有給休暇消化率や平均残業時間といった具体的な数字とともに福利厚生や休暇制度を紹介すると、求職者の不安解消を図れます。

また、社員が本音を語るトークページやQ&Aのような親しみやすいコンテンツも、求職者の安心材料になります。

美化することなく社の課題もありのまま伝えると、入社後ギャップの予防にも有効です。

採用ブランドを構築する

採用ブランディングを確立するには、企業価値を整理し、すべての採用媒体で一貫性のある発信をおこなう必要があります。

採用サイトや説明会資料で体現した企業価値を、よりビジュアライズした形で補足できるツールが採用パンフレットです。

人の購買行動は、認知→興味→欲求→記憶→行動というプロセスをたどりますが、求職も同様です。

採用パンフレットは手元に残るため、企業を「認知」した後も再読し、企業価値をより深く理解することで「欲求」や「記憶」へ移行する可能性があります。

また、会社説明会に限らず、選考フローや内定後に活用すれば企業エンゲージメントの醸成に有効です。

採用パンフレットの作成手順4ステップ

採用パンフレットの制作フローは、主に以下の4ステップです。

採用パンフレットの作成手順
  1. ターゲット設定とコンセプト決め
  2. 構成・内容とデザインの検討
  3. 制作スケジュールと予算決め
  4. 制作会社の選定・依頼

各ステップの詳細について解説していきます。

STEP1:ターゲット設定とコンセプト決め

採用パンフレットは、採用ターゲット戦略に基づき、採用ペルソナの視点で制作することが重要です。

採用ペルソナとは、企業が求める人材像を細かく明文化したプロフィールのこと。

ペルソナが不明確なまま採用パンフレットのコンセプトを設定すると訴求力が高まらず、母集団の数も質も下がります。

採用ペルソナを明確に定義したのち、ターゲットの価値観と自社の企業価値がリンクする部分を絞り込みましょう。

たとえば、採用ペルソナが「グローバル志向・発想力の持ち主・挑戦的」な人物であれば、「福利厚生」よりも「海外拠点の多さ」や「裁量の自由度」などがリンクします。

採用パンフレットのコンセプトは「世界を舞台に、自分のアイディアをカタチにしよう」といったように、ペルソナのニーズに沿った案を検討しましょう。

STEP2:構成・内容とデザインの検討

採用ペルソナに当てはまる人物がパンフレットを開いたときの心の流れをイメージしながら、興味→共感→理解へ導けるよう、情報を配置しましょう。

体裁は活用シーンに応じて検討する必要があります。

たとえば、合同企業説明会であれば、求職者の「認知」を促すためにインパクトのあるデザインと端的なコンテンツを意識します。

会社説明会であれば、求職者の「認知」と「興味」をすでに獲得しているため、「欲求」を引き出せるよう情報を充実させましょう。

合同企業説明会はリーフレット、会社説明会は冊子にするなど、使い分けも検討してください。

デザインは、「遊び心」を重視するならポップなデザイン&変形タイプに、「堅実」を求めるならシンプルデザイン&実用タイプにするなど、コンセプトに合わせましょう。

STEP3:制作スケジュールと予算決め

採用パンフレットの制作期間は3ヶ月前後と言われていますが、ブラッシュアップ期間を考慮して半年以上前から準備に取りかかっておくと安心です。

制作会社に依頼する際の制作費用はページ数や企画内容によって大きく異なりますが、以下を目安にしてください。
制作部数はすべて1,000部を想定しています。

採用パンフレット制作費用の目安
  • 8ページ程度:20万~100万円前後
  • 12ページ程度:50万~150万円前後
  • 20ページ程度:90万~200万円前後

採用パンフレットの大量廃棄や在庫切れの事態を招かないよう、必要部数や在庫管理についてあらかじめ検討しておきましょう。

STEP4:制作会社の選定・依頼

制作会社を選定する際は、提案力やライティングの質、デザインのセンスなど、汎用的な力量のみならず、採用マーケティングの知見と実績を推し量ることが大切です。

同業種における採用パンフレットの制作事例があれば、実物を確認しましょう。

担当者が、企業価値をストーリーに落とし込む設計力があるか、求職者の視点をもっているかという点も重要です。

また、採用パンフレットのコンセプト設定から印刷・納品までワンストップで依頼できると、効率化を図れるだけでなく、採用ブランディングの一貫性を保てます。

ただし、制作会社に丸投げするのではなく、依頼の際は自社の企業価値や採用ターゲットを整理し、積極的に情報共有する姿勢が重要です。

採用パンフレットに欠かせない構成内容

採用パンフレットの主な構成要素として、以下が挙げられます。

採用パンフレットの主な構成要素
  • 求職者へのメッセージ
  • 企業紹介
  • 事業内容
  • ビジョン
  • 制度紹介
  • 職場・社員紹介
  • 募集要項

中でも重要な要素の紹介方法について、以下で解説します。

企業理念とビジョン

企業の根幹をなす理念やビジョンは、採用パンフレットにおいても柱となる要素です。

しかし、羅列するだけでは「理想論」という印象を与えかねません。

理念やビジョンを現場でどのように体現しているかを伝え、求職者も体現者の一員になり得ることを示しましょう。

社員がクレド(行動指針)をどのように体現しているか実際のエピソードと紐づけて紹介したり、ビジョンを実現するための具体的な制度について説明したり、リアリティのあるコンテンツを制作すると、求職者の共感を得られます。

事業内容と仕事内容

事業内容や仕事内容は求職者が最も関心をもっている要素です。

事業活動を視覚的に表現した「ビジネスモデル俯瞰図」を掲載したり、写真を使って「働くイメージ」を可視化したりと、未経験者にもわかりやすい構成を心がけましょう。

表面的な情報に終始せず、事業の原動力となっている使命感や、社会課題解決のエビデンスに触れると、求職者のシンパシーを引き出せます。

職場環境と福利厚生

職場環境の紹介方法は、採用ペルソナに応じて検討します。

たとえば、アットホームな環境を求めるペルソナを設定している場合、ワークスペースはもちろんフリースペースでの談笑風景を画像で掲載したり、社員の親密な関係をインタビュー形式で紹介したりする方法が有効です。

福利厚生は、制度内容と合わせて活用シーンを紹介しましょう。

資格取得制度を導入しているという内容にとどまらず、その制度を活用してキャリアアップした社員の事例を紹介すると、求職者の関心を高められる可能性があります。

社員インタビューとキャリアパス

社員インタビューを掲載する際は、採用ペルソナと共通項をもった社員を起用し、成功談だけでなく失敗談も織り交ぜながら構成すると、求職者の共感を得やすくなります。

社員インタビューは、会社独自の文化や風土を言語化しやすく、他社との差別化を図るには絶好のコンテンツです。

キャリアパス紹介は、求職者が「将来の自分自身」と重ねられるようコンテンツを設計しましょう。

具体的な成長ストーリーによって、「キャリアパスを自分で選択できる環境があるのか」「ステップアップのチャンスはいつ訪れるのか」という求職者の疑問に応えることが重要です。

採用パンフレット制作のポイント

採用パンフレットを制作する際は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 採用ペルソナを明確にする
  • 求職者の視点を意識する
  • 視認性を高める
  • 「読み物」として成立させる
  • データによって説得力を高める

中でも特に重要なポイントについて解説します。

ターゲットを絞り写真を効果的に使う

写真は、文章よりも多くの情報をスピーディーに伝える特性があり、採用パンフレットの完成度を大きく左右します。

ストック画像を流用するよりも、採用ペルソナへの訴求力がある画像を用意するのがベターです。

ペルソナに「働くイメージ」を喚起させる画像は、言葉以上に説得力を発揮します。

一通り撮影した後に画像を選定するよりも、あらかじめ「ペルソナの価値観を表現できる画像」をイメージしてから撮影をおこないましょう。

たとえば、「自由・先進性」という価値観を表現する場合、リモートワーク風景や最新技術を扱うシーンが考えられます。

また、「保障・安定」を望むペルソナには、ベテラン社員がいきいきと働く姿や、会社の実績を物語る歴史的な画像でアピールすると効果的です。

データとデジタル活用で説得力を高める

働きやすさや安定性、従業員満足度などを伝える上で、統計データによる裏付けは説得力を高めます。

ただし、データを羅列して自社の魅力を読み解かせるのではなく、データはあくまで補完的に使用しましょう。

また、古いデータを利用すると信頼感を損ねる恐れがあるため、情報の更新も必要です。

紙印刷と並行してデジタルにも対応しておくと、より多角的な活用が可能になります。

たとえば、PDFダウンロード形式のパンフレットを制作してスマホからも閲覧できるようにしたり、紙の採用パンフレットにQRコードを載せて特設ページに誘導したりと、方法は多種多様です。

またSNSと連動すれば、求職者の質問に即時対応するなど、双方向のコミュニケーションが可能になります。

求職者の視点で作成する

採用パンフレットは、常に求職者視点を意識しながら制作することが重要です。

企業が伝えたい情報を一方的に発信する採用パンフレットは求職者の疑問を解消できないだけでなく、専横的なイメージを与えかねません。

新入社員を対象としたアンケートや選考フローで吸い上げた応募者の声を活用しながら、求職者が求める情報を発信しましょう。

難解な単語や長文が頻発する採用パンフレットは、求職者との間に壁を作ってしまいます。

業界知識のない求職者も理解できるよう専門用語の使用を控え、必要に応じて注釈を添えるなどの配慮が必要です。

チェック体制に業界知識のない第三者を加えると、求職者視点を確保しやすくなります。

また、見出しや箇条書き、図解、インフォグラフィックなどを適宜取り入れながら、視認性を高めましょう。

まとめ

採用パンフレット制作ならカケハシスカイ採用ペルソナのニーズに沿った採用パンフレットは、応募者の不安解消や入社意欲の向上に大きく貢献します。

制作には、採用マーケティングと採用ブランディングの知見が求められるため、制作を依頼する際は人事・採用に精通した会社を選定することが重要です。

カケハシスカイでは、採用活動支援に特化したコピーライターとデザイナーが採用パンフレットの制作に携わり、採用活動を成功に導きます。

採用ペルソナの設定や採用ツールの制作に悩む企業の方は、ぜひ一度、当社が制作した採用パンフレットをご覧ください。

監修者情報
知恵袋編集部
「採用と育成の支援をとおして、人と組織の可能性を耕す。」というミッションのもと、人材施策の軸となる採用から育成までの支援をおこなうカケハシスカイならではの知見をお届けする記事を執筆・編集。新卒採用の知恵袋では、採用担当向けに、新卒採用全般に役立つノウハウを幅広く発信しています。
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