「社員の離職を食い止めたい」と考える企業では、離職防止に効果的な対策をとるために、離職理由を分析する必要があります。
しかし、退職理由は世代や職場環境によって違うため、最善の対策を見つけることが難しいのが実状です。
今回の記事では、離職理由のランキングを紹介するとともに、具体的な事例と対策をご紹介します。
目次
離職・退職理由ランキングTOP10- 最新データに基づく分析と対策
まずは、国内における離職率のデータを見てみましょう。
離職率とは、特定の期間内において、どれだけの社員が離職したかを示す指標のことです。
一般的に、離職率が高いということは離職する社員が多い、つまり組織内に何らかの問題がある可能性が示唆されます。
厚生労働省の調査によると、2023(令和5)年度の離職率は全体で15.4%となっています。
(出典:厚生労働省「-令和5年雇用動向調査結果の概況-」)
では、退職の理由とはどのようなものなのでしょうか。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」に関する結果をご紹介します。
「『初めての正社員勤務先』を離職した理由」を男女別でまとめています。
(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」)
この調査をもとに、離職理由として最も多かったものからランキング形式でご紹介します。
肉体的、精神的に健康を損ねたため
女性、男性共に多く挙げられたのは「肉体的、精神的に健康を損ねたため」という理由でした。
健康を損ねる具体的な事例として、以下が挙げられます。
- 月に80時間を超える残業が常態化し、慢性的な疲労や睡眠不足により体調不良が続いた
- 終電帰宅が多く、食生活も不規則になり生活リズムが崩れた
こうした状況を防ぐためには、以下のような対策が有効です。
- 企業が「ノー残業デー」や定時退社のルールを設け、チームで徹底する
- 定期的に業務の棚卸しを行い、業務負荷を上司や社員と共に見直す
労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため
労働条件への不満も離職理由として多く挙げられます。
労働条件について入社前に確認済みであっても、実際の業務を行う中でギャップが生じる可能性があります。
以下が、具体例と対策です。
- 労働時間が長すぎた
月の平均残業時間が60〜70時間に達し、繁忙期には100時間を超えることもあった
社内で業務量と人員体制の見直しを行い、残業削減に取り組む
- 休日出勤が多かった
休日出勤の振替休日が取れず、実質的に月の休みが2〜3日だけになることも
休日出勤の事前承認制を導入し、不要な出勤を抑制するとともに代休取得を徹底する
- 有給休暇が取得しづらかった
「周りに迷惑がかかるから」と取得を遠慮する空気があり、申請しにくい状況だった
チーム内の業務分担や引き継ぎルールを整備し、誰もが安心して休める体制をつくる
人間関係のトラブル:上司・同僚との関係悪化が離職の主要因
調査結果から、人間関係の不満を理由に退職する人が多いことも伺えます。
人間関係のトラブル例と対処法は、以下の通りです。
- パワーハラスメント
上司から毎日のように怒鳴られた、もしくは人格を否定される発言を受けた
パワハラ防止研修の全管理職必須受講制度を導入する
- コミュニケーション不足
上司や同僚と最低限の会話しかなく、業務連携がうまくいかない
週次のチームミーティングや1on1ミーティングの機会を増やす
- チーム内の対立や派閥
チーム内に対立するグループがあり、情報共有や協力体制が機能していない
人事評価へ「協調性」「インクルージョン度」指標を組み込む
結婚・出産による退職:ライフイベントへの対応と復職支援
女性に多い離職理由として「結婚・出産のため」も多く挙げられています。
国立社会保障・人口問題研究所がおこなった「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」によると、第1子出産を機に離職する女性の割合は46.9%と半数近くに上ります。
復職後の両立支援が不十分な場合、再退職につながるリスクも指摘されています。
女性の復職支援プログラムの例として、以下が挙げられます。
- 育休取得者向けの定期面談制度
育休中に上司や人事と定期的にオンライン面談を行い、近況報告と復職までのスケジュールの確認をおこなう
- 復職前オリエンテーションの実施
復職前にチームや上司と事前に仕事内容や働き方についてすり合わせを行うことで、復職後のギャップを減少する
- 社内復職支援プログラム
産休・育休復帰後に一時的なジョブローテーションやサポート付きのプロジェクト配属で、緩やかに職場に馴染める制度をつくる
実際に、女性の継続就業支援に成功している企業の取り組み事例をご紹介します。
S社(化粧品/1,000名以上)
女性社員が妊娠中から出産後の職場復帰までのプロセスを上司と確認し合えるようなコミュニケーション体制を整備。これにより、社員の妊娠・出産・育児に対する社員の不安を減らし、上司が交代した際の情報共有に用いることで、スムーズな職場復帰に活用されている。
H社(メーカー/1,000名以上)
「育児・仕事両立支援金」制度や子どもの保育所への入所を支援するサービスなどの整備、管理職の理解促進を目的としたeラーニングなどを実施。社員の仕事と育児の両立を支援するため、労働組合およびグループ会社と協同で一部事業所内に企業内保育施設を設置している。
(出典:内閣府『「共同参画」2019年5月号』)
仕事のミスマッチ:やりたい仕事と現実のギャップ
一方で男性に多く見られたのは、仕事内容への不満です。
具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
- 希望と異なる部署に配属
営業職を希望していたが、配属されたのは管理部門(経理・人事など)だった
- 想定する業務内容との相違
「企画に関われる」と聞いていたが、実際は日々の事務処理や資料作成がメインだった
- 業務量や裁量にギャップ
裁量があると思っていたら、上司から細かく指示があり、自由に動けなかった
こうしたミスマッチを防ぐためのポイントは、以下の通りです。
- 業務内容の具体例を示す
「営業」や「企画」などの肩書きだけでなく、1日の仕事の流れや具体的な業務割合をすり合わせておく
- 配属先や勤務地、働き方に関して説明する
「転勤はあるか」「配属の希望はできるか」「フレックスやテレワークなどの柔軟な働き方は可能か」などを、入社前に説明する
- 実際に働いている社員の声を届ける
OB・OG訪問、座談会、SNSなどを通じて、リアルな声を届ける
仕事が上手くできず自信を失ったため
仕事に自信が持てずに離職してしまうケースも見受けられます。
具体例と対策は、以下の通りです。
- 期待通りの成果が出ない
担当したプロジェクトが目標未達で終わった
- 上司や先輩がフィードバックをおこない、改善点を明確化する
- 短期的な目標設定(今週中に○○を完了するなど)で達成感を積み重ねる
- 上司や同僚からの評価が低い
上司から「もっとできると思っていた」と言われた
- フィードバックを「人格」ではなく「行動」ベースにするよう上司への指導を徹底する
- 評価に偏りがないよう、複数の視点(ピアレビューなど)を取り入れる
社員の自信回復のためのステップアップ方法として、以下の例が挙げられます。
- スキルアップ支援の強化
社内研修や外部セミナー、eラーニングなど、学びの機会を柔軟に提供する
- ポジティブなフィードバック文化の醸成
日常的に「ありがとう」「助かった」などの声かけが飛び交う職場づくりを心がける
ノルマや責任が重すぎたため
過剰なノルマや責任も離職理由の一つです。具体例には、以下の例が挙げられます。
- 過度な数値目標・売上ノルマ
未達成時に上司から厳しく詰められる文化がある
数値未達成の原因を、個人の責任ではなくチームで分析・共有する文化を育てる
- クレーム対応・顧客トラブルの精神的負荷
感情的なクレーム客の対応が続き、精神的に疲弊
顧客対応に関する判断基準をマニュアル化し、迷ったときに参照できる体制を整える
賃金の条件がよくなかったため – 給与水準や待遇面での不満
「賃金の条件」も離職理由になります。
賃金をモチベーションに働く人も少なからずいるため、業務に対する賃金に納得感が得られなければ離職につながってしまいます。
具体的な賃金の不満点は、以下の通りです。
- 基本給が低く、昇給幅も小さい
- 残業代・住宅手当・家族手当などの諸手当が整備されていない
- 等級や評価制度が不透明で、どのように昇給・昇格するのかわからない
社員から待遇改善を求められた場合は、以下のような対応が望ましいでしょう。
- 客観的な基準を共有する
評価項目、等級ごとの給与レンジ、昇給の条件などを、社員との共通認識にする
- 複数軸での評価・報酬設計を活用する
業績成果だけでなく、プロセス・貢献度・チームワーク・行動指針などを評価対象に含める
- 給与以外の報酬・支援策の提案をする
予算上の理由などで即時の給与アップが難しい場合は、「役職登用」「在宅手当」「資格取得補助」など代替的な報酬策も併せて提案する
会社に将来性がないため – キャリアリスクと判断基準
会社の将来性に不安を抱いて離職する人も少なくありません。
社員が将来性を判断するための具体的な指標には、以下のようなものがあります。
- 売上・利益の推移
- 業界の成長性・市場動向
- 経営陣のビジョンと発信力
- 新規事業や研究開発への投資状況
- 人的資本への投資状況
- 離職率や中途採用率の変化
こうした指標を、以下のポイントを押さえて社員へ共有することで、将来性への不安を軽減できるでしょう。
- 経営ビジョン・中期計画の共有
年次方針発表会や社内報などを通じて「この会社はどこに向かっているのか」をわかりやすく伝える
- 数字による健全性の可視化
売上・利益・投資額・成長事業の構成比などを社員向けに共有する
- 人的資本経営・キャリア支援の実行
キャリアパスやスキルアップ支援制度を明文化し、「成長の見える化」をおこなう
- 経営者・管理職との対話の場づくり
ミーティングでの対話などを通じ、現場と経営の距離を縮めて「会社の未来を共につくっている」という意識を醸成する
キャリアアップを目指した前向きな転職
キャリアアップのために離職する人もいます。
企業には、社員が思い描くキャリア自律のため、活躍できるポジションへの配置換えや研修制度の充実など、社員に対するキャリアアップ支援が求められています。
社員のキャリアアップを実現するための具体的な支援方法をご紹介します。
スキルアップに関する支援方法は以下の通りです。
- 資格取得支援
TOEICやIT系資格などの受験料補助・報奨金制度を設ける。自主的な学習意欲を後押しし、市場価値も向上できる
- 社内外の研修・講座の提供
リーダーシップ研修、デジタルスキル習得講座、ビジネスマナー研修など、職種別・階層別に体系的なプログラムを用意する
年収アップに関する支援方法は以下の通りです。
- 透明性のある等級・評価制度の導入
目標管理制度(MBO)や360度評価の導入、昇給基準の明確化。個人の努力と成長が正当に報われる仕組みを構築する
- 役職・職務グレードごとの年収モデル開示
将来の報酬像が見えることで、社員自身のキャリア意欲の向上につなげる
ポジションアップに関する支援方法は以下の通りです。
- 社内公募制度・キャリアチャレンジ制度の導入
自発的に新たなポジションへ挑戦できる風土を醸成する
- 部門横断プロジェクトのリーダーの任命
ポジションに依存しないリーダーシップ経験の場を提供する
- タイミングと個別性に配慮した機会提供
人事異動や昇進のタイミングを、一律ではなく個別の成長スピードに合わせる
退職につながる職場トラブルの実態と対処法
職場でのトラブルがきっかけで退職を決意する人もいます。
トラブルの例としては、パワーハラスメントやモラルハラスメント、セクシャルハラスメント、残業代未払い、契約違反、労働条件の不履行などです。
社員の対処として、社内の相談窓口に相談するほか、労働基準監督署や労働組合、外部機関に申告するなども考えられます。
場合によっては、弁護士と連携し訴訟や慰謝料請求に発展することもあるため、未然に防ぐことが重要です。
ここからは、「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」内の「『初めての正社員勤務先』で経験した職場トラブル」を参考に、離職につながった職場のトラブルを男女別にご紹介します。
男性の職場トラブルで最も多いのは「残業代の未払い」
男性で一番多いとされる職場トラブルは「残業代が支払われなかったことがあった」で、離職者では38.1%、勤続者でも25.2%の人が経験していることがわかりました。
残業代未払いの具体的な事例としては、以下が挙げられます。
- 「みなし残業」制度を乱用して残業代を支払わない
- 業務終了後の報告書作成や片付け時間が労働時間と認めない
しかし、労働基準法により「1日8時間、1週あたり40時間」を超える労働には残業代(割増賃金)の支払いが義務付けられています。
残業代の計算方法は、以下の通りです。
【残業代】
時間単価×割増率×残業時間
【時間単価】
月給÷1カ月の所定労働時間
【割増率】
通常の残業:25%増 ※大企業、中小企業ともに月60時間超の残業は50%増
深夜労働(22時~5時):25%増
法定休日労働:35%増
出典:厚生労働省『月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます』
2020年4月以降に発生した残業代の時効は「3年」となっています(2025年4月時点)。
残業代未払いのトラブルを防ぐために、企業では以下の事項に注意を払いましょう。
- 勤怠管理システムの導入・運用の透明化
- みなし残業制度の見直しと適正運用
- 残業発生の原因分析と業務改善の実施
女性の職場トラブルで最も多いのは「人手不足による業務過多」
一方、女性で一番多く回答された職場トラブルは「人手不足で一人でも仕事を休むと業務が立ちゆかなる状況があった」で、離職者では40.0%、勤続者でも33.1%の人が経験しています。
2023年に厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」の結果を見ると、一般労働者の月平均残業時間は13.8時間。
しかし、人手不足の職場では平均残業時間より長く残業している実態もあり、しわ寄せを受けている人も多いと推測できます。
また、人手不足から有給取得に消極的な職場風土が形成され、希望した日に休暇を取れないケースもあるようです。
そうした疲労蓄積、責任の偏重、孤立感などにより精神的な不調を訴える人も増加傾向にあり、メンタルヘルスへの影響も懸念されます。
業務過多による離職を防ぐための具体的な対策は、以下の通りです。
- タスクの分散
属人化を排除し、誰かが休んでも他の人がカバーできる体制づくり
- 業務のデジタル化
書類作成・日報・勤怠管理・予約対応などの作業をツールで省力化
- ヘルスケア対策の導入
ストレスチェックの定期実施と、カウンセリング制度の整備
出展:厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報』
【転職面接時】退職理由別の聞き方ガイドライン
自社への転職者の面接をする際に、前職の退職理由を聞く場合の適切な聞き方や知りたいポイントをリストにまとめました。
| 前職の退職理由 | 適切な聞き方 | 知りたいポイント |
| 健康上の理由 | 「現在のお体の状況はいかがですか?業務に影響がないか教えていただければと思います。」
「弊社の就業条件の中で、健康面で配慮が必要な点はありますか?」 |
|
| 家族の事情 | 「現在はその状況は落ち着いていますか?今後の就業に影響がないか教えていただけると助かります。」 |
|
| キャリアアップ | 「キャリアにおいて、弊社へ入社後にどのようなスキルや経験を積みたいと考えていますか?」 |
|
離職防止に向けた具体的な対策と実践方法
ランキングの上位に上がっている離職理由を、自社に置き換えて考え、正確な離職の原因を捉えることが重要です。
ここでは、離職防止に向けた課題の分析方法や具体的なアプローチのしかたをご紹介します。
離職理由から見える課題の分析方法
離職理由の適切な分析は組織改善の重要な起点となります。
3つの主要な観点から分析のポイントを解説します。
- データ分析
・離職率の時系列変化:
一定期間での変動パターンを確認し、特定の時期に離職が集中していないか分析する
・部署・職種別の離職傾向:
離職率の高い部署や職種を特定し、構造的な問題を把握する - 業界特性との関連
・業界平均との比較:
同業他社と比較した自社の離職率を確認する
・市場トレンドの影響:
新技術導入や業界再編など、外部環境の変化が離職に与える影響を調べる - 自社の状況との比較
・過去データとの比較:
自社の過去の離職率と比較し、変化の要因を探る
・組織変更との関連:
組織再編、新制度導入などの社内変化と離職の関連性を分析する
離職防止に向けた人事担当者・リーダーの役割と具体的なアプローチ
離職防止策を講じるにあたって、人事担当者やリーダーが担うべき役割と具体的なアプローチを詳しく説明します。
社員との1on1面談で離職の兆候を把握する
1on1を実施することで、社員の不満や転職の兆候を早い段階で察知し、適切な対応ができます。
基本的な実施頻度やヒアリング項目は、以下の通りです。
【実施頻度】
週1回~隔週~月1回:社員の勤続年数や状況に応じて調整
【ヒアリング項目】
- 業務状況と達成感:「最近の仕事で達成感を得たことは?」
- 業務上の課題と必要なサポート:「業務の中で困っていることは?」
- チーム内コミュニケーション状況:「チームメンバーとの関係で気になることは?」
- ワークライフバランス:「現在の業務量や勤務時間は適切ですか?」
- 短期的な目標の進捗「先日設定した目標の進み具合はどうですか?」
上記に加え、定期的にキャリア展望と成長感、評価・報酬への認識、組織への帰属意識なども確認できるとよりよいでしょう。
また、記録方法やチェックリストについても以下でご紹介します。
【記録方法】
専用の1on1管理ツールや社内システム、共有用のシートを使用して記録
【離職の予兆を把握するためのチェックリスト】
- 遅刻・早退・欠勤の増加
- 提案や意見表明の減少
- 将来の話題を避ける
- 成果物の質の低下
- フィードバックへの防衛的反応 など
待遇面の改善ポイント:給与・福利厚生・評価制度
離職防止に寄与する、待遇面での改善ポイントをご紹介します。
- 給与体系の見直し
・スキル手当の導入:
特定技能や資格に対して手当を支給
例:国家資格・社内認定資格に応じた3段階のスキル手当(月2〜5万円)を設定
・キャリアパスに連動した段階的昇給制度:
明確なキャリアステップと連動した給与テーブルの整備
例:キャリアステップを5段階に区分し、スキル要件と報酬を明確化
- 福利厚生の充実
・柔軟な働き方支援:
フレックスタイム、時短勤務、リモートワークなどの多様な働き方を支援
例:週3日出社+2日リモートなど、さまざまなパターンから選択可能
・家族支援制度:
育児・介護支援、家族手当、家族イベントなどを実施
例:小学生までの子を持つ社員への在宅勤務優先制度を導入 - 評価制度の整備
・多面評価の導入:
上司だけでなく同僚・部下・他部署からの評価を取り入れる
例:360度フィードバックを実施し、フィードバックスキル研修も併せて実施
・評価者トレーニングの徹底:
評価バイアスの排除と公平な評価スキル習得
例:全管理職に定期的な評価者研修を義務付け、評価の「ずれ」を統計的に検証・フィードバック
労働環境の改善ポイントと具体的な施策
労働環境を改善するポイントは、以下の4つです。
- 作業効率を上げるオフィスレイアウト
例:社内で集中作業用の個室ブースやチーム作業用の小会議室など、エリアを分ける。社員は業務内容によって自由に移動できる。 - 休憩スペースの確保
例:ソファーエリアやカフェテーブルエリア、仮眠ブースといった休憩スペースを各フロアに設置。社員は好きな場所で休憩が取れる。 - 適切な温度管理
例:春夏秋冬の基本設定に加え、朝・昼・夕の時間帯別設定を導入し、体感温度の変化に対応。常に快適な室温で仕事ができる。 - ハラスメント防止
例:定期的な匿名アンケートでハラスメントリスクスコアを算出し、高リスク部署には集中的な予防策を実施する。
公正な評価制度の確立
主な評価制度の種類と概要は以下の通りです。
| 評価制度 | 概要 | メリット | デメリット |
| 目標管理制度 (MBO) |
上司と部下が合意した目標の達成度を評価 |
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| 360度評価 | 上司・同僚・部下・顧客など多方面からの評価 |
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| コンピテンシー評価 | 行動特性や思考様式など、成果を生み出す能力を評価 |
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| 成果主義評価 | 定量的な成果・業績に基づく評価 |
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評価面談は、事前に十分な準備をおこなった上で実施し、SBIモデルなどを用いた効果的なフィードバックをしましょう。
また、評価に対する不満は主要な離職理由の一つであり、基準の透明化と納得性向上は極めて重要です。全評価項目と基準を社内サイトで公開するなど、評価基準や評価プロセスを透明化し、社員のモチベーションへとつなげていくのが大切です。
退職理由ランキングから見る離職防止のポイント
離職理由や職場で経験するトラブルは、男女の属性や個人の置かれた状況によって異なるため、実情をしっかり把握することがとても重要です。
ランキングで示した退職理由への対策としては、具体的に以下のような施策が有効でしょう。
- 定期的に業務の棚卸しを行い、業務負荷を上司や社員と共に見直す
- 業誰もが安心して休暇を取れる環境をつくる
- 残業代は正しく支払い、待遇改善を検討する
- 会社の指標を示し、経営ビジョンを共有する
一度にすべてを実施することは難しいため、今回ご紹介したランキングを参考に、自社の傾向にあう最善の改善策を見つけてみてください。
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