ハーブティー専門店Laima(ライマ)のオーナー・内堀宜江さんがブランドに込めた想い

Laimaのロゴ

ヨーロッパの北東部、バルト海沿いに位置するラトビア共和国は、人口約180万人が暮らす小さな国。国土の半分以上が森林に覆われ、手付かずの自然が広がる野原には、さまざまな種類のハーブや薬草が自生しています。

「ラトビアでは、ハーブティーが古来から薬として活用されてきました。ハーブの文化は、現在でも人々の生活に深く根づいているんです」

そう語るのは、伝統や文化が色濃く残るラトビアに魅了されたひとりの女性。ハーブティー専門店「Laima(ライマ)」のオーナー、内堀宜江さんです。

今回は、内堀さんがハーブティー専門店「Laima(ライマ)」を立ち上げたきっかけや店名に込められた想いに迫ります。

<Laima(ライマ)の公式HPはこちら

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ラトビアに恩返しがしたい

丸い雲と芝生

「ラトビアは、“ハーブ大国”と呼ばれ、現地の人々は日々の体調に合わせたハーブを日常的に取り入れています。ラトビア人にとって、ハーブは生活の一部となっているんです」

内堀さんがラトビアに興味を抱くようになったのは、約15年前に旅行で訪れたことがきっかけでした。

「当時、就活のことで頭がいっぱいだった私にとって、同世代の若者がラトビアの未来について語る姿がとても新鮮に映りました。日本で愛国心という言葉はネガティブに捉えられがちですが、彼らの目は私たちがこの国を作っていく! という強い想いに溢れていたんです」

若者たちの熱い情熱を目の当たりにし、祖国に対する誇りと深い愛情を持っている彼らが羨ましかったと、当時の心境をこう振り返ります。

「ラトビアは50年近くソビエト支配を受け、家族や親戚を失い独自の言語・文化までも禁止された辛い歴史があります。そうした背景から、民族文化の復興が活発であり国民は自身のラトビア文化を誇りに思っているんです。私は、ラトビアでの滞在を通じてアニメや漫画に限らず、日本独自の風習や文化をこの先も残していきたいと心から感じるようになりました」

日本人と自民族の文化に誇りを持つラトビア人の違いはどこにあるのだろうか。そんな彼らが大切にしている文化とは一体何なのか……。日本とラトビアのギャップに強く惹かれ、就職はせずに大学院へ進学。大学院時代はラトビア研究に没頭しました。

スイティの民族衣装

スイティの民族衣装。伝統的な模様をモチーフにした刺繍が施され、赤や黄色の明るい色合いが特徴。スイティ文化圏は、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された。写真中央の女性が内堀さん。

「文化人類学の修士論文を書くために訪れたのは、ラトビアの首都・リガからバスで約4時間ほどの場所にあるアルスンガ村。人口わずか200人ほどのラトビアで2番目に小さい村です。そこで、ブルドーンという即興歌を受け継ぐ民族『スイティ』に出会いました」

“歌の民族”と呼ばれるラトビアに伝わる民謡の数はなんと、120万曲以上。人々は、民謡の合唱を通じてラトビア語を学び生きる知恵を身につけていきます。

「ラトビアには多くの合唱団がありますが、なかでも私が興味を持ったのが『スイティ』。カラフルな民族衣装を身に纏い力強い歌声で民謡を歌うスイティは、ラトビアの文化と伝統を象徴する存在です。スイティが歌う民謡や即興歌に引き込まれ、日本帰国後も忘れられずにいました」

大きな池のある庭

ルッチおばあちゃんの自宅の庭。ルッチおばあちゃんと一緒に生活しながら、その土地の風習や文化、伝統を学んでいったという。

ラトビアらしさとは何か答えを見つけるため、日本からアルスンガ村の村長にメールを送り長期滞在を願い出た内堀さん。

「村長から『ぜひおいで!』と快諾をもらい、一人暮らしのおばあちゃん、ルッチの家に住まわせてもらうこととなりました。道も舗装されておらず、スマホの電波も入らない場所での生活は、私にとっては未知の体験でした」

ルッチおばあちゃんの自宅の庭に生えているミントを摘み取って、ハーブティーにして飲むのが毎朝の日課でした。

「ラトビアはハーブ大国と呼ばれるだけあって、自宅の庭にはさまざまな種類のハーブが自生しています。ラトビア人はハーブの知識が豊富で使い方も身についていて、風邪や腹痛、イライラ、眠れないときなど、その日の気分や体調に合わせて自分で調合していました」

「アルスンガ村での生活を通じて感じたことは、人々が生きるための知恵を持っているということです。料理に使う牛乳は直接牛から搾り、薪ストーブで火を起こし煮炊きするなど、村での生活はほぼ自給自足です。感謝の気持ちを忘れず限られた資源を大切にし、それらを日々の生活に活用しています。ルッチと過ごした時間を通じて、ずっと探し求めていた“ラトビアらしさ”が少しわかったような気がしました​」

アルスンガ村の映画広告

アルスンガ村には映画館がないため、村の小学校にある体育館で上映された。

その後も内堀さんは民謡合唱団に所属し、ルッチおばあちゃんと共に色々な場所で民謡を歌い、村の人々に溶け込んでいきました。修士論文を書き終え大学院を卒業した後も、アルスンガ村の人々との親交は続いたと言います。

「日本と行き来しながらではありますが、アルスンガ村で生活を始めてから約3年が経とうとしていたある時、ドキュメンタリー映画制作の話が舞い込んできました。ルッチの親戚にラトビアで有名な女性映画監督がおり、彼女が私たちの生活の様子を映画にしたいというのです。アルスンガ村の魅力とラトビアの美しさをより多くの人に伝える、絶好の機会になると思いました」

3年に及ぶ撮影期間を終え、2015年にドキュメンタリー映画『ルッチと宜江/Rucs un Norie』がラトビアで公開されました。この映画はラトビア国立映画祭(Lielais Kristaps)で高い評価を受け、最優秀長編ドキュメンタリー賞を含む数々の賞を受賞しています。

ハーブを乾燥している様子

摘み取った葉をそのまま乾燥させているラトビアのハーブは、茶葉が大きいのが特徴。

内堀さんは、無償の愛を注いでくれたラトビアに恩返しがしたいと続けます。

「将来は、ラトビアの伝統的なお菓子や料理、文化を楽しめるカフェを開く予定です。ラトビア文化を発信する場にできたらいいなと思っています」

その足がかりとして、2021年に友人と共にハーブティー専門店「Laima (ライマ)」をオープンしました。

2つのハーブのパッケージ

パッケージには柏やリンデンの木をモチーフにした模様、太陽神サウレなどが描かれ、内堀さんのこだわりがギュッと詰まっている。

「ブランド名であるLaima(ライマ)は、人々を幸せへ導くとされているラトビアの運命の女神の名前です。Laimaのハーブティーが、お客様を幸せな時間へ導けるようにと想い『Laima(ライマ)』と名付けました」

Laimaでは、ラトビア農家から直輸入したハーブを自社でブレンドし販売しています。

「ラトビアのハーブは、村の人々がひとつひとつ手摘みし丁寧に自然乾燥しています。すべて手作業のため、茶葉はやや大きめです。茶葉が大きいので蒸らす時間は通常よりも少し長くなりますが、雑味やエグ味などがなくハーブ本来の自然な香りと風味を楽しんでいただけます」

ラトビアの豊かな暮らしをひとりでも多くの方に広めていきたいと、意気込みを語る内堀さん。

「ラトビアは、思いやりや助け合いなど、忘れかけていた大切なものに気づかせてくれました。社会のルールを守ることは大事ですが、もっと人間らしい生き方をしても良いんだと自分を肯定できるようになった気がします。ラトビアで経験し学んだことを今後は私が、日本に伝えていきたいです」

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