地方移住×転職の2万人アンケート調査!経験者に聞いた年収変化と満足度

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生活の変化をきっかけに、ライフスタイルを見つめ直した人も多いのではないでしょうか。

内閣府が行なった「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(2022年7月)の結果では、地方移住について「強い関心がある」「関心がある」「やや関心がある」と答えた人の合計は全体の34.2%で、コロナ前を8ポイント強上回りました。この調査結果を見てもわかるように、東京圏から地方移住への関心が高まっています。

(出典:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」をもとに編集部が作成)

そこで、今回は全国の25~59歳の2万人にアンケート調査を実施し、移住と転職についての関心をうかがいました

2万人の中で実際に移住×転職をした人186人に、転職状況や収入、生活費の変化など移住先での生活の詳細についても調査。満足度やメリット・デメリットについて、生の声を紹介します。

さらに、実際に移住×転職を経験した3人で座談会を開催。移住を考えるようになったきっかけや移住先での仕事の探し方、移住×転職で変化した人生観について語ってもらいました。

調査概要

調査名 :地方への移住・転職に関するアンケート調査
調査方法:アイブリッジ株式会社「Freeasy」を用いたインターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2022年12月5~16日
調査対象:25~59歳の男女2万人
調査元 :株式会社キュービック

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2万人のうち13.5%が移住を検討。コロナ禍の状況は影響した?

コロナ禍(2020年以降)に他地方への移住を検討したことがあるかアンケート結果

25~59歳の2万人に、「コロナ禍(2020年以降)に他地方への移住を検討したことがあるか」について聞いたところ、「検討し、実際に移住した」「検討し、これから移住する予定」「検討したが、移住はしなかった」と回答した人は、合わせて13.5%(2700人)。これは、内閣府が行なった調査で、地方移住に「強い関心がある」または「関心がある」と回答した13.7%とほぼ同じ結果になりました。

年代別に見てみると、「検討し、実際に移住した」または「検討し、これから移住する予定」と答えた人は、20代(9.9%)、30代(8.1%)、40代(5.1%)、50代(3.1%)となり、若い年代ほど移住に対して前向きであることがわかりました。

さらに、「検討し、実際に移住した」「検討し、これから移住する予定」「検討したが、移住はしなかった」と回答した2700人に、移住を考えるきっかけに「コロナ禍の状況が影響したか」と聞いたところ、「きっかけになった」と答えた人が21.5%、「やや影響した」と答えた人は30.5%で、合計52.0%という結果に。半数以上の人にとって、コロナ禍の状況はライフスタイルを見つめ直すきっかけになったようです。

移住に対する検討材料は何?移住に関して起こしたアクション

新しい環境に飛び込む移住には、さまざまな準備が必要です。移住に関してどのようなことが気にかかり、どのような行動をとったのかを聞いたところ、以下のような結果になりました。

移住を検討するにあたって実際におこしたアクション(選択肢より、複数回答)
1 住居について調べた 37.8%
2 転職情報を調べた 29.4%
3 子どもの教育環境について調べた 17.6%
4 移住に向けて家族と具体的な相談をした 14.8%
5 引越資金の貯蓄を始めた 12.5%
6 移住のための相談窓口を利用した 11.8%
7 移住に特化した転職サイトを利用した 11.7%

インターネットで気軽にできる、住居や転職情報のリサーチだけでなく、移住のための相談窓口を訪れるといった行動に出た人も1割を超えていました。

また「転職情報を調べた」という人が約3割いたということで、移住に際して転職も一緒に検討する人が一定数いることもうかがえます。

移住先での仕事はどうする?年収の変化と満足度

移住への関心についての設問で、「検討し、実際に移住した」と答えた570人に、転職状況について調査。

さらに、移住にともない転職をした186人に、転職後の業種や年収・生活費の変化について調査しました。移住後の満足度とメリット・デメリットについてのリアルな本音も教えてもらっています。

44.4%が移住にともない転職を経験!異業種への転職も多い

移住に際して転職をしたかのアンケート結果

コロナ禍でテレワークが増えたことにより、同じ会社で働きながら移住する人が増えたイメージがありますが、実際は「転職した」人が44.4%、「転職せずに移住した」人が36.3%で、転職した人の割合が多くなっています。

さらに、転職後の業種について聞くと、「転職前と同じ業種に就いた」という人が40.3%で一番多くなりました。しかし、「転職前と違う職業に就いた(農林水産以外)」と答えた人も38.2%に上り、移住を機に業種そのものを変えた人も少なくないことがわかります。

また、「転職前と同じ業種に就いた」人と、「転職前と違う職業に就いた(農林水産以外)」人の割合は、年代別でも大きな違いはありませんでした。

気になる年収の変化。年収増が43%という結果に

移住と転職をした後の年収の変化

移住を考える際、大きな不安材料のひとつとなるのが収入の低下でしょう。地方で転職する場合、どうしても「収入減」のイメージがあります。

しかし今回の調査では、43%の人が「転職後に年収が上がった」と回答。29.6%の人が「年収に変化がない」という結果でした。「年収が下がった」と答えた人は27.4%にとどまりました。

また、移住後の生活費は、「下がった」と答えた人が61.3%で過半数となっていますが、「車がないと何もできず、車の維持費が高くついて生活費が上がった」「収入が少ないのに都市部と日用品や洋服、美容等の物価は変わらないので生活費が上がった」「光熱費が高くて生活費が上がった」などの回答もありました。

生活費の変化についてのコメントで目立ったのは「家賃が安い」「都会の賃貸の値段で住宅が購入できた」のように、住居費の値下がりについてでした。

移住×転職経験者のリアルな満足度

移住して転職した人のリアルな満足度

移住×転職後の満足度の平均は星4つと、高い結果に。年代や年収別に見ても、上記の割合にあまり差はなく、移住×転職後の生活に高い満足感を得ていることがわかりました。

移住×転職をしたことから感じるメリットとデメリットは、以下のような結果になりました。

移住したことについてどんなメリットを感じますか?
(回答数:186/選択肢から3つまで回答)
1 通勤ラッシュなど混雑のストレスがなくなった 45.2%
2 豊かな自然を感じられる 32.8%
3 のびのびとした環境で子育てができる 22.6%
4 生活費が抑えられる 18.3%
4 時間にゆとりができる 18.3%
6 良質な食材が手に入る 15.6%
7 気軽にアウトドアレジャーを楽しめる 14.0%
8 家族との時間が増えた 13.4%
9 家族以外の人との結びつきを感じられる 3.2%
10 起業にチャレンジしやすい 2.7%
11 自治体の移住者支援を受けられる 1.1%
移住したことについてどんなデメリットを感じますか?
(回答数:186/選択肢から3つまで回答)
1 就労先の選択肢が少ない 37.6%
2 キャリアアップの不安がある 25.3%
3 スーパーやコンビニが少なく買い物が不便 20.4%
4 イメージよりも生活コストがかかる 17.7%
4 交通の利便性が悪い 17.7%
6 子どもの教育に関する選択肢が少ない 10.2%
7 医療・福祉の設備が十分ではない 9.1%
8 地域社会での役割が多すぎる 6.5%
9 地域社会に溶け込みにくい 5.9%
10 実際に住んでみたら田舎暮らしが合わなかった 3.2%

地方移住で感じたメリットの1位は「通勤ラッシュなど混雑のストレスがなくなった」でした。

一方、デメリットの1位は「就労先の選択肢が少ない」、2位には「キャリアアップの不安がある」で、仕事に関するデメリットが上位2つを占めるという結果になりました。

4位の「イメージよりも生活コストがかかる」という回答に関連したコメントとして「物価が上がり生活が厳しい」「生活必需品の値上がりに苦労している」というように、近ごろの社会情勢が想定外となってしまったケースもあるようです。

ほかのコメントも見ると、「生活費以外の無駄な出費が減った」「コロナ禍の影響もあり、外食が減った」「物々交換で生活費が激減した」など、移住によってライフスタイルが変化した人もいるようです。

全体的には、移住の満足度平均が星4つと高いことから、多くの人が充実した移住ライフを送っていることがうかがえます。

座談会:移住×転職経験者が得た人生の新しい価値観

今回は、実際に関東圏から地方に移住し転職した3人に集まってもらい、座談会を開催しました。

移住をした理由や移住までの準備、また移住を機に変わった人生観など、経験者だからこその生の声をお届けします。

今回参加する3人は、たまたま同じ福岡県に移住していますが、現地での生活や価値観についてはまったく異なり、興味深いお話をうかがえました。

移住直後は年収ダウンもキャリアを積んでリカバリー

浦田さんの移住写真

浦田大輔さん(仮名)

「本当は沖縄に住んでみたいけど、仕事を見つけるのが難しそう」と、理想と現実を考慮し、以前から気に入っていた福岡県に移住した浦田さん。九州最大の繁華街である天神の近くに住む生活は、通勤時間が短くなり移住前より便利になっているそうです。

Web関連の仕事に新たにチャレンジし、さらに転職してキャリアアップ。移住前よりも年収が増える結果になったとのこと。

「Webの仕事はどこでもできるので、またいつでも引っ越せる身軽さがあるのもいいと思っています」

浦田さんのプロフィール写真
移住満足度:★★★★★
<プロフィール>
浦田大輔さん(仮名):神奈川県川崎市出身。36歳。
神奈川県でセールスエンジニアとして勤務後、2018年に福岡県福岡市に夫婦で移住。福岡県ではWeb関連の業種に転職。2020年にさらに転職し、Web広告のキャリアを積んでいる。

移住・転職・結婚を同時に経験。異世界転生した気分

大川さん夫婦の移住写真

大川さん夫婦(仮名)

同じ職場で働いていた2人は、季節感の少ない都会で会社員として働く生活が合わないと感じ、自然の豊かな土地への移住を選択したそうです。

「地域おこし協力隊(※)」に応募し、農業や狩猟に従事することに。移住を決めたタイミングで結婚したとのこと。「移住・転職・結婚を一気にしたので、すべてがガラリと変わりました。異世界転生ものの主人公になって、冒険しているような気分です」

※地域おこし協力隊:総務省主管の制度。各地方自治体の委嘱を受け、地場産品のPRや農林水産業への従事、住民支援などの活動を行いながらその地域に定住・定着を図る取り組み。出典:総務省「地域おこし協力隊」

大川さん夫婦のプロフィール写真
移住満足度:★★★★★
<プロフィール>
大川隆司さん(仮名)・夫:福岡県春日市出身。32歳。
大川美紀さん(仮名)・妻:埼玉県新座市出身。30歳。
2人とも、東京都でシステムエンジニアとして勤務していた。2022年に福岡県うきは市に「地域おこし協力隊」として移住。以前から興味のあった狩猟免許も取得し、地域おこし協力隊の任期終了後はジビエを扱うレストランの運営を計画している。

移住座談会!経験者が語る「地方移住のカタチ」

――移住・転職しようと決めたきっかけを教えてください

大川美紀さん(以下、美紀さん)

コロナ禍の影響もあって、自室にこもって深夜までPCと向き合う生活が続いていました。閉塞感が強くて季節感もない、そんな都会の会社員生活が、自分たちには合わないと感じていたんです。休日に野山に出かけることが増え、自然のそばで季節の移ろいを感じながら生活したいと思うようになりました。

大川隆司さん(以下、隆司さん)

2人の共通の趣味だった釣りを通して、自分たちで魚を捕って、さばいて、料理して食べるという一連の流れに充実感を覚えるようになりました。僕はどちらかといえば海より山のほうが好きなので、狩猟ができる環境に惹かれました。

昔から狩りにあこがれはあったのですが、都会での会社員生活との両立が難しそうでできずにいました。でも、このまま挑戦せずに一生、後悔し続けるのも嫌だと思ったんです。夫婦2人とも同じ考えだったので、すぐに移住を決断できました。

浦田大輔さん(以下、浦田さん)

僕は、夫婦で飼っていた猫が16歳で死んでしまったのが直接的なきっかけです。猫は家につくといわれているので、生きていればずっと引っ越さなかったと思います。いなくなってしまったし、アパートも手狭だったので、妻と「もうここにいる必要ないよね」という話になって。「どうせ引っ越すなら住みたい場所に引っ越したいね」というのが始まりです。

――それぞれ、福岡県に移住を決めた理由は?また移住・転職にあたり、どのような準備をされましたか?

浦田さん

神奈川県で仕事をしていたときに、出張でいろいろな県に行ったのですが、圧倒的に住みやすそうだと感じたのが福岡県です。その理由は、交通の便の良さや食べ物がおいしいことなどです。

また、それまでずっとパソコン関連の仕事をしてきたので、自分に合う求人があるかを事前に調べました。福岡県なら大丈夫そうだったので、移住を決めました。

まず、福岡県で住居を見つけてから会社を辞めて、その後正式に夫婦で引っ越し。仕事を探し始めたのは移住してからです。

夫婦そろって無職で越してきたので不安はありましたが、何回か転職を経験していたので、なんとかなるだろうという自信はありました。

美紀さん

私たちは、自然の豊かな場所に住むというのが絶対条件でしたが、どんな仕事をするかは決めていませんでした。仕事と住む場所、どちらか一方だけ見つかっても暮らしていけないので、どこからどう探せばいいのか、まったくわからない状態でした。

隆司さん

最初、ウェブサイトで北関東の製材所の求人を見つけて、すごく楽しそうだと思ったんですよ。でも、実際に現場に行って見てみると、イメージした雰囲気とはかなり違っていたので、選考を辞退しました。

美紀さん

自分たちが本当にやりたいことは何だろうと話し合いました。そんななか、夫婦で猟師をしながら農家もして、どぶろくとかお酒も作っているご夫婦のことを知り、自分たちの理想に近いと思いました。でも、私たちは転職経験もないうえに、それまでの仕事とまったく違う道なので、何から始めたらいいのか、まったくイメージできませんでした。

そこで、そのご夫婦が営んでいる岡山県の農家民宿までお話を聞きに行き、「地域おこし協力隊」という制度について教えていただきました。

自分たちもそこから探してみよう、と。そうやってひとつずつ道を見つけていった感じです。

隆司さん

僕は出身が福岡県なのですが、特に福岡にこだわったわけではありません。

「地域おこし協力隊」の求人情報を調べたときに、福岡県うきは市の「地域おこし協力隊」に求めるミッションや町の課題が明確でわかりやすく、応募前に訪れてみたときに、移住者に対して優しそうな街だと感じたんです。それで、安心して住めそうだと思って決めました。

――これまでに築いたキャリアを手放すことに抵抗はありませんでしたか?

美紀さん

確かに、7年間勤めて仕事の流れがわかるようになり、大きなプロジェクトを担当するようになってきた時期ではありました。でも「これから定年までこの仕事をずっと続けていくのは無理かもしれないな、変えるなら今じゃないか」と考えるようにもなっていました。そんな理由で、仕事をやめることに抵抗はありませんでした。

隆司さん

「丸9年間勤めたキャリアを投げ捨てていいのかな」とは思いましたが、それにしがみついていたら一生やりたいことをやれなくなってしまうだろうと。今までやってきたことよりも、これからやりたいことを重視して生きることを選択しました。

狩猟の仕事に就いて、農家の人たちが猪や鹿の食害に悩まされていること、また、駆除された獣のほとんどがそのまま利用されずに打ち捨てられているという事実を知りました。

「地域おこし協力隊」は任期3年の期限付きの仕事ですが、任期終了後は自分で捕らえたジビエを食べられるレストランを開きたいという新しい目標もできました。

浦田さん

僕の場合は転職を5回経験していて、そのうち4回は異業種への転職だったので、あまりキャリアにこだわりはありません。

それよりも隆司さんのように、「やってみたいことをやろう!」みたいな感じで、以前から興味のあった広告関係の仕事に就きました。

――移住されて変化したことはありますか?

浦田さん

福岡県に引っ越した当初は年収がかなり下がりましたが、通勤に時間がとられなくなった分、時間にゆとりができて妻との会話や睡眠時間が増えました。通勤のための満員電車に乗らなくてもよくなったので、ストレスもかなり減りましたね。

収入がダウンしても、このゆとりへの対価だとすると、全然安いと思いました。

また、あくまで僕の価値観ですが、関東はお金がないと楽しめないと感じていたんです。その点でも解放された気分です。

美紀さん

一番のメリットは、自然に近いところで季節の移り変わりを実感できること。

東京で働いていたときは、あまり変化のない日々を送り、いつの間にか季節が過ぎ去っていく感じがしていました。今は、自然のリズムに合わせて暮らしていることを実感できています。不便な場所だからこそ、周りの人たちとコミュニケーションを取って一緒に取り組まなければいけないこともたくさんあります。都会では感じることができなかった周囲のものすべてに対するリスペクトの思いが増えました。

――地方への移住をためらう要素のひとつとして「地域コミュニティになじめるか」という不安をもつ人もいるようですが、その点はいかがですか。

美紀さん

私たちはもともとコミュニケーションを取るのが好きなので、そこは心配していませんでした。

でも、「他人とのかかわりをなくして田舎でひっそりと暮らしたい」と思っている人がいるとしたら、理想と現実にずれが出てくるかもしれませんね。

人が少ない地域では、周りの人と助け合わなければならないことが多いので、近所の人たちとのコミュニケーションは都会よりも増えると思います。

浦田さん

僕は福岡でも都心部で暮らしていることもあって、地域コミュニティとのかかわり方については特に変化はありません。

もともとそういったコミュニティに積極的に参加する方ではないので、引っ越してきて5年ぐらい経ちますが、人とのつながりも増えていません。

「地方へ移住」とひと言でいってもいろいろなパターンがありますね。大川さん夫妻とはまるで状況が違う(笑)。

――実際に移住してみて、良かったことや困ったことなど感想を教えてください。

浦田さん

移住してきてからの生活には、とても満足しています。今の会社は本社が東京なんですが、もし本社に転勤しろと言われたら、転職するしかないと思っているほどです。

収入に関しては、移住当初は年収が150万円くらい下がりましたが、もう一度転職して今の会社でキャリアを積み、今は移住前よりも上がっています。

美紀さん

私もとても満足しています。収入は夫婦合わせて前職の4割程度になっていますが、今は市から住居費の補助が出ています。それに、野菜を近所の人からいただいたり、自分たちでも家庭菜園で野菜を育てたりして、食費がほとんどかかっていません。冷凍庫は狩猟で捕った猪と鹿の肉でパンパンです(笑)。

自分たちが食べていくだけならお金はあまりかからないので、収入半減でも困ることはありません。

隆司さん

自分たちはまだ新米猟師ですが、農家さんの依頼で害獣駆除をするとすごく感謝されます。それだけでなく、若い自分たちが移住してきただけで「来てくれてありがとう」と言ってもらえるので、移住してきて自己肯定感がとても高まりました。「自分はここにいていいんだな」と思えて、すごく幸せを感じます。

今は「地域おこし協力隊」で住居と職が保障されているので心配ごともあまりないのですが、任期終了後、お店を始めて自力で生計を立てるようになってから、本当の意味で苦労を知るかもしれません。

だけど、移住・転職で大きな一歩を踏み出したことが、これからもなんとかやっていけるだろうという自信につながっています。

――移住・転職を考えている方にアドバイス、メッセージをお願いします。

隆司さん

転職する際、これまでのキャリアと近い仕事を選ぶ場合は、理想と現実のギャップがあまり生まれないかもしれません。でも、それまでのキャリアとまったく異なる領域で新しい仕事をしようとするのなら、実際に現場に足を運んでみて、その場で感じたことを大事にしたほうがいいと思います。

浦田さん

移住したときには多少の不安もありましたが、僕はそうした不安や新しい生活へのワクワク感と高揚感が混ざった状況を「移住」と呼ぶんだろうと思っています。もしかしたら、今後またどこか別の場所に行くかもしれませんが、その時はただの「引っ越し」と感じるでしょう。

移住という思い切った決断はたった一度きりだと思います。今は自分で移住を決めて、自分が選んだ場所で生活することに幸福感を得られています。

座談会を終えて、編集部のまとめ

3人に移住×転職後の満足度について聞いたところ、3人とも「星5つ」と即答されました。

ひと口に地方移住といっても、それぞれの環境は違いますが、自分で決めて、実行に移したことが共通点です。

この経験が、自信につながり、高い満足度の理由となっているようです。

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。

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