籠屋ブルワリーが手掛ける日本の伝統製法・吉野杉の木桶で醸した新しいビール

籠屋ブルワリーのビール

創業120年以上の長い歴史を誇る地酒専門店「籠屋秋元商店」。地域の人にも気軽にお酒を楽しんでもらいたいと、2017年に狛江市では初となるクラフトビール醸造「籠屋ブルワリー」をオープンしました。籠屋ブルワリーが手がける商品は、国内の品評会で数々の賞を受賞しています。

「立ち上げから5年が経ち、改良を重ねながらようやくようやく形になってきたかなと思います」と話すのは、醸造責任者の江上裕士さん。

籠屋ブルワリーが造るクラフトビールのこだわりや今後の目標について話を聞きました。

<籠屋ブルワリーの公式HPはこちら

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鍋をかき混ぜる男性

高校卒業後、江上さんは東京農業大学に入学し、日本国内で醸造に特化した唯一の醸造学科へと進学しました。

「醸造に興味を持つようになったのは、高校生のときに東京農業大学名誉教授で微生物学者である小泉武夫さんの著書がきっかけです。自然界に存在しているあらゆる微生物の力を借りることで、環境問題の解決や食のおいしさに一役買っていることに感銘を受けました。微生物には無限の可能性があるんだと、ワクワクしましたね」

醸造学科では、酵母や微生物の生態に関する知識をはじめ、微生物の力を利用したビール・日本酒・焼酎など幅広い醸造技術を習得。中でも江上さんはビール醸造への興味関心が高く、大学卒業後は大手ビールメーカーに入社しました。

「おいしいビール作りには、微生物の一種であるビール酵母が欠かせません。そして、ビール酵母の働きによって、ビールの味や香りが大きく変化するんです。ビール酵母の奥深さにハマり、ビール製造に携わりたいと思うようになりました」

木の桶から立ち上る湯気

「籠屋ブルワリー」で使用している木桶。使用前は、古くなった表面をヤスリで削り取ってからお湯とタワシで丁寧に洗う。メンテナンスの状態は仕上がりにも大きく影響する。

醸造師としてビール製造や研究開発に携わるなかで、日本ならではの伝統技術を生かしたビールを作りたいという気持ちが強くなっていきました。

「日本酒をはじめ、味噌や醤油といった発酵に用いられてきた木桶は、古くから残る日本の伝統的な製造技術のひとつです。ステンレスやホーロータンクが台頭し、今や木桶で醸造する酒蔵は国内でも数える程度しかいません」

木桶を使ったビール製造は、人力に依存する部分が大きいことから醸造師の技術が仕上がりに大きく影響すると言います。

「木桶仕込みのビールは、品質が安定しにくく手間と時間がかかります。しかし、木桶に住み着いた無数の微生物の働きによって独特の味わいが生まれるんです」

日本の発酵・醸造文化を支えてきた伝統製法でのビール造りに挑戦するため、10年間勤めた大手ビールメーカーを退職。2016年、大学時代の先輩で、秋元商店の4代目・秋元慈一さんからの誘いで籠屋ブルワリーの立ち上げに携わることとなります。

酒樽をのぞき込む3人の男性

「子どもが生まれたばかりだったため、会社を辞めるという決断に至るまでには2〜3年近く悩みました。正直、定年後に自分のやりたいことにチャレンジしてみても良いかなと、そのときは思っていたんです」

悩む江上さんの背中を押したのは、母親が亡くなったことでした。

「癌が見つかるまで母は元気で仕事も精力的にこなしていましたが、発病から1年で亡くなりました。私たちが1年先も元気でいられる保証はないんだと痛感し、やりたいことがあるなら躊躇わずに挑戦しようと思ったんです」

江上さんは、籠屋ブルワリーの醸造責任者として、日本の伝統技術を用いた『つややかで奥深いビール』の醸造に全力を注いでいます。

緑色のビール瓶

2023年5月に一般販売がスタートした木桶仕込みビール『和轍 WADACHI』は、10月まで予約待ちになるほどの人気商品となっている。

「籠屋ブルワリーが目指すのは、“和食に合わせる日本のビール”です。繊細な日本食に合うビール造りを探求し、改良を重ねてようやく辿り着いたのが、吉野杉の木桶を使った発酵ビール『和轍 WADACHI』です」

『和轍 WADACHI』は、柑橘系の爽やかな香りが特徴のゴールデンエールをベースに、吉野杉の上品な香りがほのかに香る極上の逸品です。

「上質なスギの香りと芳醇な香りを感じられる一杯です。味噌や醤油、酒などの発酵食品をふんだんに使った日本食との相性も抜群なので、ぜひ多くの方にも飲んでいただきたいですね」

このほか、籠屋ブルワリーでは、オレンジピールとコリアンダーの風味がアクセントになった「遙風 -harukaze-Belgian White」、爽やかゆずの風味が効いた「和の彩-wanoiro-
Japanese Spices Ale」などを販売。今までにない新しいビール造りに挑戦しています。

「当ブルワリーでは地域に根差したビール造りにも力を入れており、『狛江CSAle(こまえシーエスエール)』にも参加しています。狛江CSAleは、狛江市民が育てたホップで狛江のローカルビールを作る2017年にスタートしたプロジェクトです。『狛江ホップ Golden Ale』は、地域のみなさんが大切に育ててくださったホップを贅沢に使用しています。地域の方々と協力しながら、『毎日でも飲みたい!』 と思えるようなビールを一緒に作っていきたいです」

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。

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