自家焙煎珈琲屋赤富士の誕生秘話。元会社員が老舗喫茶店に弟子入りし珈琲店オーナーに

自家焙煎珈琲屋赤富士のオーナー

静岡県富士宮の静かな住宅街に佇む、自家焙煎珈琲屋「赤富士珈琲」。アンティーク家具をしつらえた店内でコーヒーを堪能できる、非日常の空間が広がっています。

同店の売りは風味豊かで雑味がなく、スッキリとした味わいのコーヒーを楽しめること。店主が厳選した世界各国の豆を、豆の特徴に合わせて焙煎し一杯一杯丁寧にハンドドリップしています。

異業種から珈琲店開業にキャリアチェンジした、赤富士珈琲店主の清 勝紀さんに話を聞きました。

<赤富士珈琲の公式HPはこちら

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毎日飲みたくなるおいしいコーヒーを多くの人に提供したい

棚の中に飾られたたくさんのコーヒー

赤富士珈琲店の店主、清 勝紀さんがコーヒーに興味を持ちはじめたのは、大手喫茶チェーンでの勤務がきっかけでした。

「在職中、私は店長として、社員教育や担当エリアの店舗指導などマネジメント中心の業務を担当していました。喫茶店の経営知識を深められ新規店舗の立ち上げにも携わることができて楽しかったのですが、品質を疎かにし効率性や利益ばかりを重視する経営方針に違和感があったんです」

“自分が日本一おいしいコーヒーを提供できるようになりたい”。そう思った清さんは、東京都台東区にある老舗喫茶店『カフェバッハ』に弟子入りすることを決意します。

「カフェバッハのオーナーである田口護さんは、自家焙煎珈琲の第一人者。2000年の沖縄サミットでの晩餐会で、田口さんのコーヒーが提供され大きな話題となりました。1968年の創業以来、一貫して高い品質にこだわり続ける田口さんが淹れるコーヒーは、国内のみならず世界からも高い評価を得ています」

これまで多くの人が田口さんのもとで技術を学び、修行後は全国各地で珈琲店を運営しています。

「私がカフェバッハの存在を知ったのは、図書館で偶然見つけたオーナー田口さんの著書がきっかけです。本を読み進めるうちに、コーヒーの基礎知識からバッハの焙煎技術まで、コーヒーについて深く学びたいと思うようになりました」

そこで、清さんはバッハのオーナー田口さんが講師を勤めるコーヒー入門講座に参加することにしました。

「その後も何度か講座に参加し、独立して珈琲店を開業したいことや現在の状況について田口さんに相談したところ、『うちに勉強においでよ』と言ってくださいました。私を暖かく迎え入れてくださったオーナーの田口ご夫婦には、心から感謝の気持ちでいっぱいです」

「カフェバッハでは、豆の種類に適した焙煎方法や抽出法、豆の選別(ハンドピッキング)など、コーヒーに関するあらゆる知識と技術を基礎から丁寧に教えていただきました。前職の仕事を続けながらお店に通うのは大変でしたが、できることが増えるにつれて自分の成長を感じられワクワクしましたね」

清さんは3年間にわたり静岡とカフェバッハがある東京を行き来する生活を続け、開業の目処がついたタイミングで仕事を退職。その翌日、自身の焙煎珈琲店「赤富士珈琲」をオープンしました。

赤いコップに入ったコーヒー

赤富士珈琲店の定番メニュー「赤富士ブレンド」は、グァテマラ・コロンビア・ボリビア・エチオピア・東ティモールの5種類をブレンド。芳醇な香りと滑らかな口当たりが楽しめる1杯。

「お店をオープンしてからもっとも苦労したのが集客です。一度でもお客様にご来店いただければ、リピートの可能性が高まりますが、まずはお店の存在を知っていただかなければ何も始まりません。SNSを通じてお店の情報や新商品の紹介を発信し、地域の人々とのコミュニケーションを心がけていました」

また、どんなに苦しい状況でも“おいしいコーヒーを提供する”という信念は揺るがなかったと言います。

「前職では、効率や利益重視で品質は二の次という悔しい経験をしました。だからこそ、自分のお店では自分が自信を持って提供できるコーヒーを飲んでいただきたかった。本当においしいコーヒーは、爽やかな酸味とキレのある苦味があり、心地よいコーヒー感が甘さの感覚で消えてゆく.....そして雑味が無くすっきりとして香り高く、体に良いものです。当店では、毎日飲みたくなるさまざまな種類のコーヒーをご用意しています」

信念を貫いた結果、“近所においしいコーヒーを飲める珈琲店がある”と少しずつ口コミで広がり、いまでは全国各地や海外からもコーヒー豆の注文が入る人気店になりました。

「お客様からメッセージや直筆のお手紙をいただくこともあり、お店を開いて良かったなと心から思います。閉店する珈琲店が多いなかこうしてお店を続けていけるのは、お客様の存在があってこそです。コーヒーの味はもちろん、『また来たい』と思っていただける場所でありたいと思います」

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。

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