中堅社員育成

中堅社員向け研修とは?目的や具体的なカリキュラム例を徹底解説

中堅社員向け研修とは?目的や具体的なカリキュラム例を徹底解説

中堅社員は、実務に加えて、管理職と若手社員の橋渡しや新人の育成などを担う組織の要です。

しかし、中堅社員が求められるスキルを獲得できず、成長が停滞してしまうケースも少なくありません。

中堅社員の伸び悩みは、「若手社員にロールモデルを示せない」「プロジェクトが停滞する」といったマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

そこで今回は、中堅社員のポテンシャルを引き出す意義と方法を詳しく解説します。

本記事を参考に中堅社員のステップアップを促し、企業の活性化と持続的成長につなげてください。

中堅社員が担うべき役割とは?

中堅社員とは一般的に、入社6年目以上で、主任や課長といった役職についていない社員を指します。
入社2年〜5年目を指す若手社員とは異なり、自分の仕事だけでなく職場全体へと視野を広げることが期待されますが、主にどのような役割を担う必要があるのでしょうか。

若手社員の育成

中堅社員に求められる役割の一つは、若手社員の育成です。
若手社員に仕事を教えることはもちろん、一緒に目標を考えたり相談に乗ったりする役割を担います。

中でも目標設定は、若手社員の現状を把握した上で適切におこなう必要があり、中堅社員の重要な役割だと言えます。

中堅社員が若手社員に与える影響は大きく、今後若手社員の成長を促進するためには中堅社員のフォローが欠かせません。

若手社員と管理職の橋渡し

中堅社員は、若手社員と管理職の橋渡しをする役割も担います。

例えば役割として、若手社員と管理職、双方の要望などを伝えることが挙げられます。
またそれだけに留まらず、管理職から伝えられた組織の方針や目標を、若手社員にわかりやすく伝えることも求められる役割です。

組織目標などの重要性を十分に理解し、内容を噛み砕いて伝えるスキルが必要となります。

チームにおけるリーダーシップ

チームにおいてリーダーシップを発揮することも、中堅社員に求められる役割です。

中堅社員は、プロジェクトのリーダーを任されることも少なくありません。
社内の他部署などと関わる機会もあるため、周囲を巻き込み引っ張る力や、スケジュールなどの調整力が必要となります。

また、メンバーのモチベーション向上のために動機づけをおこなうなどチームによい影響を与え、成果をもたらす役割も担います。

中堅社員研修の目的とは?

基本的に、中堅社員研修では中堅社員の役割を果たすスキルを身に付けることを目的としています。具体的な目的について見ていきましょう。

若手社員を育成するスキルの習得

中堅社員研修の目的となるのは、若手社員の育成に役立つスキルの習得です。
基本の業務スキルのほか、業務内容や若手社員の特性を理解した上で、柔軟に指導をおこなうスキルも必要となります。

また、業務内容を教えるだけでなく、メンターとして寄り添うスキルも求められます。若手社員の相談役となりながら、成長を促せるようなスキルを習得することが大切です。

コミュニケーションスキルの習得

中堅社員は、若手社員と管理職の橋渡しだけでなく、他部署との調整を担うことも多いです。
プロジェクトの連絡事項を伝えたり、スケジュールの調整をしたりといった機会もあり、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が求められます。

自身の考えを正確に伝えたり、相手の気持ちを理解したりする必要もあります。
様々な人と関わる機会の増える中堅社員において、コミュニケーションスキルの習得は、研修の重要な目的となります。

リーダーシップを養うスキルの習得

プロジェクトのリーダーを担うには、リーダーシップのスキルが必要です。
誰もが最初からリーダーシップを発揮できる訳ではありません。
中堅社員研修では、リーダーの役割やリーダーシップの意味、その手法などについて学ぶことが大切です。

若手社員の見本となるためにも、リーダーシップを学ぶための研修が必要となります。

中堅社員向け研修におけるテーマごとの具体的な内容

中堅社員向け研修は、具体的なテーマに沿って実施することで、受講者が自分自身の課題を認識しやすくなります。

ここでは、中堅社員向け研修におけるテーマごとの内容を具体的にご紹介します。

(1)プロジェクトマネジメント能力

タスクの管理やチームの統率によって、個の力を組織の成果へと引き上げるプロジェクトマネジメント能力は、企業の実行力推進に不可欠です。

プロジェクトマネジメント能力の研修を通じて、リーダーシップやコミュニケーション能力、チームマネジメントなど、体系的なスキルを習得できます。

プロジェクト管理

目標設定・計画・実行・調整といった一連の工程を効率的におこなうプロジェクト管理は、管理職へのステップアップに欠かせません。

中堅社員は、自身の仕事に集中していたステージから、チーム全体の業務を管理するステージへの移行が迫られる立場です。

限られたリソースの中で成果を出すノウハウを学ぶことで、チーム横断型のプロジェクトや新規施策に関わった際も、効率的な運営が可能になります。

プロジェクト管理に役立つ概念の一つが「QCD」です。Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)のバランスを意識することが、生産性や顧客満足度の向上につながります。

コミュニケーション能力

プロジェクト進行を円滑化するには、中堅社員がコミュニケーション能力を発揮し、チーム内外の情報共有を促したり、風通しのよい職場環境を作ったりする必要があります。

適切な「報連相」をおこなうには、コミュニケーションツールの活用や多様性への配慮、過不足のない情報整理など、さまざまな点に留意しなければなりません。

また、「報連相スキル」だけでなく、ときには利害の対立を防ぐ「交渉力」が必要です。

相手の立場を慮りながら互いが納得の行く着地点を見出せるよう、建設的なコミュニケーションを図らねばなりません。

リーダーシップ

リーダーシップとは、メンバーの力を最大限に引き出すとともにチームを一致団結させ、目標達成に導く能力です。

「中堅社員の立場でリーダーになれるだろうか」と思う人もいるかもしれません。

しかし、現場の実務を理解し、管理職と部下の間に立つ中堅社員だからこそ、リーダーシップの発揮が求められます。

リーダーシップのある中堅社員は、ときにビジョンを指し示す羅針盤となり、ときにメンバーを奮起させる着火剤となってチームを動かします。

チームマネジメント

個人の価値観が多様化する中、チームをまとめ上げる難しさを実感している組織が増えており、中堅社員のチームマネジメント能力が求められています。

チームマネジメントとは、一人ひとりの強みや個性を活かしてタスクを適切に振り分け、チームのパフォーマンスを最大化する手法です。

メンバーのモチベーションを維持したり、コミュニケーションを促進したりと、メンバーが能力を発揮しやすい環境を整備することもチームマネジメントに含まれます。

チームマネジメントが機能するとメンバーが業務に集中できるため、生産性の向上やイノベーションの創出が実現可能です。

また、チームマネジメントはチームの自走力を高めるため、中堅社員はより重要な業務に時間を割けるようになります。

ファシリテーション能力

ファシリテーション能力とは、会議やミーティングといった議論の場で、質の高い結論を導き出す力のこと。

ファシリテーターは単なる進行役にとどまらず、活発な議論を促し、意見をまとめ、次の行動につなげるためのアクションプランを導き出す役割を担います。

そのためには、参加者が安心して意見を述べられるような心理的安全性を確保し、議論が脱線しないようコントロールしなければなりません。

さらに、その場で議論を構造化し、論点を整理する能力も求められます。

ファシリテーション能力は、形式だけの会議をなくし、組織の知的生産性を高めるために不可欠です。

(2)目標達成スキル

目標達成スキルとは、「自ら目標を設定し、達成に向けたプランを設計し、状況変化に対応しながら実行する力」です。

目標達成スキルを磨くには、効率的にプランを実行するタスクマネジメント能力や、状況変化に冷静に対応する問題解決能力など、複数のスキルを統合的に高めていく必要があります。

研修を通じて具体的なフレームワークを学ぶだけでなく、目標達成に対する意識の変容を促すことで、中堅社員の人材価値は格段に高まります。

タスクマネジメント能力

タスクマネジメント能力とは、複数のタスクを効率的に消化できるよう管理する能力です。

中堅社員が自己流の管理法に限界を感じ、長時間労働やストレスで疲弊しないよう、体系的なタスクマネジメント能力を身につける必要があります。

具体的には、「プロジェクト全体像の可視化」や「優先順位の明確化」、「進捗状況の監視」を的確におこなうノウハウが必要です。

すべてのタスクに目が行き届くことにより、タスクのヌケモレ防止や問題の早期発見、納期遅延の防止につながります。

目的思考

ある程度の経験を積んだ中堅社員の場合、日々の業務がルーティン化してしまう恐れがあります。

「この仕事は何のためにあるのか」という目的思考が欠如していると、仕事の優先順位を見誤ったり、仕事が完了しても達成感を得られなかったりと、業務の質が低下しかねません。

目的思考を育てることで、すべての行動が目的を起点としたものとなり、目標達成に向けて効率的なルートを描けるようになります。

問題解決能力

プロジェクトの遂行には、予想外のトラブルや状況変化に対応する問題解決能力が不可欠です。

基本的に、問題解決は「問題の定義」「原因の特定」「解決策の立案」「実行」「結果の評価」という5つのステップを踏みます。

さらに、事前の「リスク予測」や事後の「改善策の定着」までカバーすることで、組織自体の問題解決能力を底上げすることが可能です。

中堅社員は、幅広い視野と冷静な対応力によって問題と向き合い、問題解決能力の精度を高めていく姿勢が求められます。

トリプルシンキング

トリプルシンキングとは、「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「ラテラルシンキング」という3つで構成される思考法です。

3要素は、「物ごとを体系的に整理する力」「物ごとの本質を見極める力」「既存の枠にとらわれない自由な発想力」と言い換えることもできます。

中堅社員にとってトリプルシンキングは、「正解のない問題」に取り組む上で強力な武器となります。

セルフマネジメント

セルフマネジメントとは、目標達成や自己実現に向けて自分自身の感情と行動を管理すること。

「マネジメントの父」と呼ばれる ピーター・ドラッカーは、「まず自分をマネジメントできなければ、他者をマネジメントすることはできない」と説いています。

市場の変化が激しい現代においては、困難な状況にも適応するレジリエンス(精神的回復力)が重要。

「ABCDE理論」 などの心理療法を活用しながらポジティブな思考パターンを身につけると、失敗しても新たな施策を繰り出す精神力を養えます。

(3)部下育成スキル

部下育成スキルは、組織の将来を担う若手社員の能力や主体性を引き出し、早期の即戦力化を図る重要なスキルです。

研修を通じて、コーチングやフィードバック、メンタリングなど、部下の成長支援に向けた基本スキルの習得を促します。

研修の実施は、指導の属人化やパワハラの防止、社内における信頼関係の構築につながります。

傾聴力

傾聴力とは、話の内容を表面的に理解するだけでなく、その背景にある事情や感情まで汲み取り、共感する能力です。

ある程度の実務経験を重ねた中堅社員は、相手の話に耳を傾けることより自身の意見を伝えることに意識を向けがちですが、傾聴力を身につけることでより円滑なコミュニケーションが可能になります。

たとえば、部下が「自分には無理です」と発言したとき、どのような不安が隠されているのか読み解くことで、問題の本質が見えてくるはずです。

傾聴力のある中堅社員は、職場の心理的安全性を育みます。

コーチング

コーチングは、部下の自発的な課題発見と行動変容をサポートする能力です。

指示型のティーチングだけでは部下が指示待ち人間になりかねないため、部下の主体性を引き出すコーチングを併用し、自律的な人材を育成することが望まれます。

コーチングには、「質問技法」の習得が不可欠です。

問題の根本原因や解決策への気づきを促す質問技法「オープンクエスチョン」は、1on1や指導など幅広い場面で活用できます。

「なぜ」「どうやって」という5W1Hの思考法を養うコーチングは、変化への柔軟な対応力と主体的な業務遂行能力の伸長に有効です。

また、コーチングスキルはセルフコーチングにも応用できるため、研修の実施は若手社員のみならず中堅社員の行動変容にもつながります。

フィードバック

フィードバックとは、部下の行動や成果に対して、正しい評価や具体的なアドバイスをおこなうことによって、目標達成を促すコミュニケーションスキルです。

単なるダメ出しや具体性を欠いたフィードバックは、かえって部下の成長を阻害します。

部下が成果を挙げたときは的確な言語化によって承認し、失敗したときは叱責に終始せずリカバリ方法までアドバイスすることが重要。

質の高いフィードバックは、問題の早期解決や部下の成長促進に不可欠です。

メンタリング

メンタリングとは、1対1で対話を重ねながら、キャリアやメンタル面の課題を解決していく人材育成方法です。

対象の自発的な行動変容を促すという点でコーチングと類似しています。

ただし、実務的なサポートを主とするコーチングに対し、メンタリングは企業人としての姿勢や個人的な悩みといった精神面までカバーします。

人生の先輩として手本を示したり、相談役として寄り添ったりすることで、部下のエンゲージメント向上や職場定着を促進します。

キャリアデザイン

部下が望ましい職業人生を設計できるようキャリアデザインをサポートすることも、中堅社員に求められる役割です。

企業側が求めるキャリアと、部下が望む将来像がマッチングするよう、アドバイスすることが大切。

そのためには、仕事という枠を超えて部下一人ひとりの価値観や生活スタイルまで考慮に入れ、具体的なキャリアプランの作成を手助けする必要があります。

社員一人ひとりのキャリアプランが明確になると、会社はより戦略的な人材配置や育成計画を立てられるようになります。

中堅社員研修実施のカリキュラム例ごとの流れ

中堅社員研修は、どのような流れでおこなうのが効果的なのでしょうか。

人材採用・育成・定着の支援をワンストップでおこなう「カケハシスカイ」の研修例を基に、具体的なカリキュラムの流れをご紹介します。

中堅社員研修のカリキュラム例
  • ロジカルシンキング研修
  • 問題発見解決力研修
  • コミュニケーション研修

ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修では、実践的なワークを通じて「日々の業務に活かせるロジカルシンキング」を習得。

基本的には、以下の3ステップに沿ってロジカルシンキングを身につけていきます。

セクション1:ロジカルシンキングの意義を考える
セクション2:ロジカルシンキングの思考法とフレームを習得する
セクション3:相手や状況に合わせてチューニングする

セクション1では、まず「物ごとをわかりやすく整理する力」「道筋に則って思考を巡らせ結論を導く力」がなぜ必要なのか、考察を深めていきます。

さらに報連相ケースワークを通じ、どのような場面でロジカルシンキングが求められるのかを検証します。

セクション2では、ロジカルシンキングの基本をインプットした上で、アウトプットの方法を習得。

具体的には、「目的を明確にする」「情報を分類・ラベリング」「一目でわかるように構造化する」「判断基準を決めて、選択肢を可視化する」という流れで思考フレームを獲得します。

セクション3では、シチュエーションが変わっても習得した思考フレームを活かすポイントをレッスン。

上司やクライアントへのメッセージに説得力をもたせ、他者を納得させる力を養います。

問題発見解決力研修

問題の根本原因に目を向け、正しい解決策を立案・実行するまでの流れを学ぶことで、問題に対する当事者意識を養います。

実行後も定期的にモニタリングし、必要に応じて方向修正することが大切です。

これにより、問題が「不平不満の種」ではなくなり、自ら問題解決に向けたアクションを実行できるようになります。

カケハシスカイの問題発見解決力研修は、基本的に次のようなカリキュラムで構成します。

セクション1:問題とは何かを知る
セクション2:問題発見解決のフレーム習得
セクション3:具体的な行動を決める

セクション1では、「問題とは何か」「そもそもそれは本当に問題なのか」を再定義していきます。

問題とは、現状と理想像との間に存在するギャップや障壁のことであり、「理想」がなければ問題を解決しようという意欲は生じません。

マイナスをゼロに戻す問題解決ではなく、ゼロをプラスにする問題解決によって、会社に貢献し得る問題発見解決力を目指します。

セクション2では、実際に問題発見解決力を鍛えるトレーニングをおこないます。

具体的には、「バリューチェーン分析」や「SWOT分析」「3C分析」「7S分析」などの手法を用いて、情報収集や分析を実施。

広い視野で問題の全体像を明確にしたり、改善点を見出したりするプロセスを学習します。

前提を疑う「ゼロベース思考」によって、問題に潜む真因を探ることがポイントです。

そして、問題解決フレームワークを活用しながら真因の要素を分解し、解決策を立案。

その際、関係者間に共通認識が生まれるよう、施策の目標値や期限など具体的な数値を設定することも大切です。

セクション3では、研修で習得した知識やスキルを実際の職場で活かすためのアクションプランを作成します。

問題発見力が身についても、それを的確な表現で提言する力がなければ問題解決が先送りになりかねません。

そこで、上司に提案・報告する「業務改善提案シート」を作成し、建設的な対話を通じて問題解決を図れるよう、効果的な伝達方法も学びます。

この研修では、問題発見解決のフローを実際の業務に落とし込むプロセスを経て、職場の問題に対する自己責任の意識と、自発的にアクションを起こす姿勢を養います。

受講者が企業人としてもう一段階レベルアップするだけでなく、職場に問題発見解決の文化を根付かせることにより、業務の円滑化を実現できます。

コミュニケーション研修

中堅社員を対象としたコミュニケーション研修は、「傾聴力」「伝達力」「調整力」「関係構築力」など総合力の底上げを目的としています。

これらのスキルは、若手社員の指導や、管理職と若手社員の橋渡し、他部署との連携など、幅広い場面で潤滑油の役割を担います。

基本的には、以下の3ステップに沿って中堅社員に必要なスキルを身につけていきます。

セクション1:会社から求められる行動を知る
セクション2:自己整理(自身の強み・弱み)
セクション3:リーダーシップ発揮のためのコミュニケーションスキル強化

まずセクション1では、中堅社員に求められるものはリーダーシップであり、リーダーシップは 「誰もが発揮できる、周囲へのプラスの 影響力」であることを体感ワークなどを通して理解します。

なぜそれが期待されているのか、 具体的にどのような言動が求められているのかを言葉にし、会社(社長)から受講者の皆さんへの期待を伝えることで、共通認識を持ちます。

セクション2では、これまでの自信の経験の棚卸しと共有を通して、自身の現状の強みと弱みを整理、再認識します。

セクション3では、後輩支援(4つの支援)の関わり方や先輩としてできること、効果的な褒め方、指摘の仕方 、横(他部署)との連携強化の方法など、課題となっているコミュニケーションを中心にスキルを向上させるトレーニングをおこないます。

中堅社員の場合、組織のハブとして「縦・横・斜め」の関係を調整する必要があるため、さまざまなシチュエーションを想定したロールプレイングを実施。

「年上の部下への指導」や「利害が対立した相手との交渉」といった複雑な場面なども想定します。

スキルによっては体感ワークを交えながら、実践的な学びを促します。

中堅社員研修を効果的におこなうためのポイント

中堅社員研修を効果的におこなうためには、研修で学んだことをまず実践するとともに、その際に見つかった課題の原因を考え、再び研修で学び直すといったサイクルを回すことが大切です。

研修の効果を最大化するために、実践の場でどのような経験ができるとよいのかをご紹介します。

部下を持つ経験をする

中堅社員はゆくゆくは管理職となり、社員の育成に関わるポジションです。
ただし、部下を持った経験がない場合、育成の方法はもちろんのこと、部下との関わり方もわかりません。

実際に部下を持つ経験をしてもらうことで、育成方法の具体的なイメージが掴めます。
その経験を活かすことで、より中堅社員研修の効果を上げることができます。

責任のある立場を経験する

成長を感じやすい新入社員と比べ、中堅社員は成長を感じにくい側面があります。

一通りの業務をこなせるようになった一方、そこからのスキルアップの方法がわからないなど、伸び悩みが課題となるケースもあります。

そのため、中堅社員の成長を促すためには、責任のある立場に就いてもらうことも効果的です。
様々な困難を打破する経験を積むことで、成長速度が加速し、自身の限界を知ったり、キャリアを見つめ直したりすることにもつながります。

管理職の補佐役を経験する

中堅社員研修の効果を上げるためには、管理職の補佐役を経験することも一案です。

先述の通り、中堅社員には、組織の目標を達成するため管理職をサポートする役割があります。
管理職の考えを十分に理解し部下に伝えるだけでなく、時には上司に意見する場面もあるでしょう。

管理職の補佐役としてどのような行動を取るべきなのかを把握することで、組織の成長に貢献できます。

複数の職種や業務を経験する

将来組織を背負っていくことになる中堅社員には、多くの経験をさせ、知識を広げることが重要です。
職種や業務の経験が乏しいと、部下に対して適切なアドバイスをすることができないためです。

例えば、複数の職種や業務を経験するため、ジョブローテーションなどの制度を活用することもおすすめです。

中堅社員向け研修に関するQ&A

中堅社員向け研修に関してよくある質問についてまとめました。
回答内容は、研修をおこなう企業や研修内容などにより異なるため、実際に研修を依頼する企業にも内容を確認しましょう。

Q1.研修期間はどのくらいですか?

研修期間は、1日のほか、2日以上のケースもあります。また、3〜4時間程度の半日研修もおこなわれています。

Q2.オンライン研修はありますか?

一般的に、研修は講師と受講者が対面でおこなう「対面型研修」だけでなく、講師と受講者がWeb会議システムなどを使いオンライン上でおこなう「オンライン研修」も選べます。

対面型研修は、オンライン研修では困難な技術を習得する研修や、実際の実技を伴うビジネスマナー研修などでおこなわれるケースが多いです。
対面の場合、グループワークやディスカッションもしやすいのが特徴です。

一方、オンライン研修はパソコンなど最低限の準備が必要であるものの、全国どこからでも参加が可能で、研修会場への移動費用や時間がかからないという特徴があります。
「リアルタイム型(Web会議研修)」と「録画型(eラーニング研修)」の2つの種類があります。

Q3.研修後はどのようなフォローが必要ですか?

中堅社員は職場での中核を担う立場であるため職場に戻ると業務が忙しい人も多く、研修後のフォローは欠かせません。

例えば、研修後の行動がどう変化したかや業務にどのように適応したのか、研修後に見つかった課題などについて、1on1などを実施してフォローアップをするのが効果的です。

Q4.自社の状況を踏まえた研修内容にできますか?

研修内容は、依頼主の現状や予算といった要望を踏まえた上で、自社にとって適切な内容を提案してくれるケースがほとんどです。
会社の理念や目標、抱えている課題などを広く深く理解した上で、個社ごとにオリジナルの研修を作成してくれる会社もあるため、相談してみましょう。

中堅社員向け研修ならカケハシスカイ

中堅社員向け研修ならカケハシスカイ採用・育成・定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供しているカケハシスカイは、体感学習が多めで、受講者の「なぜ」に応える、様々な人材育成の研修プログラムをご用意しています。

定型のパッケージ研修だけではなく、個社ごとにオリジナル研修も実施。
対面型研修だけでなく、オンライン研修も選ぶことができます。まずは、お気軽にお問い合わせください。

おすすめの研修

中堅社員研修としておすすめの研修には、次期管理職候補として一段階上の仕事をするための考え方と、ものの見方をアップグレードする「中堅社員研修」があります。

また、実践を通してビジネスコミュニケーションにおける大切な論理的思考力を磨くための「ロジカルシンキング研修」のほか、課題発見解決のスキルを身に付け、組織で影響力を発揮できる人材育成を目指す「問題発見解決研修」なども実施しています。

ぜひ、自社の人材育成にご活用ください。

まとめ

中堅社員の伸び悩みが企業に与える影響は大きく、中堅社員に効果的な研修をおこなうことは、企業成長にとって大切だと言えます。

中堅社員は若手社員の育成やチームにおけるリーダー、若手社員と管理職との橋渡しといった役割を担うため、その役割を果たすためのスキルを研修で学ぶことをおすすめします。

ここで紹介した具体的な研修テーマと効果的に研修をおこなうポイントを参考に、自社での中堅社員の研修を計画・実行してみてはいかがでしょうか。

監修者情報
知恵袋編集部
「採用と育成の支援をとおして、人と組織の可能性を耕す。」というミッションのもと、人材施策の軸となる採用から育成までの支援をおこなうカケハシスカイならではの知見をお届けする記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く発信しています。
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