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転職エージェントの裏事情!信用できないって本当?実態をプロが解説
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「担当の転職エージェントが信用できない……。何か裏があるのでは?」
「転職エージェントはどうして無料でサポートしてくれるの?」
転職エージェントは、求人紹介はもちろんのこと、応募書類の添削や面接対策など、さまざまなサービスを無料で行ってくれます。
ありがたいサービスにも思えますが「無料ということは、何か裏事情があるのでは?」と思う人もいるでしょう。
転職エージェントを利用すると「希望していない求人ばかり紹介された」「すぐに応募するように急かされた」など、悪いイメージや疑問を持っている人もいるかもしれません。
実は、このような疑問が生まれる背景には、転職エージェントのビジネスモデルが根源にあります。
転職エージェントは「求職者の転職先企業から成果報酬をもらう」というビジネスモデルをとっています。
逆をいえば、転職エージェントは求職者に転職してもらわないと、報酬を得ることができないのです。
覚えておきたいポイント
- 成果報酬は転職者の年収の30~35%
- 求職者が転職先企業に入社した月、もしくはその翌月に報酬が発生する
例えば、転職者が年収500万円であれば、年収の30~35%にあたる150万~175万円が企業から転職エージェントに支払われるのです。
こうしたビジネスモデルを知っておくと、転職エージェントに関するさまざま疑問とその背景にある裏事情がわかりやすくなります。
この記事では、そんな転職エージェントの裏事情を解説し、合わせて上手に転職エージェントの活用する裏技などを解説していきます。
▼転職エージェントの裏事情をショート動画で解説しました。
▼転職エージェントの裏事情をショート動画で解説しました。
転職の家庭教師 キャリアコンサルタント
2級キャリアコンサルティング技能士(国家検定)・キャリアコンサルタント(国家資格)キャリアトランプ®ファシリテーター資格・GCS認定プロフェッショナルコーチ。4,000人以上の相談実績を持つキャリアコンサルタント。転職エージェントを備えたキャリア支援社会人向けスクールにてエリアマネージャー兼キャリアカウンセラーとして勤務後独立。転職エージェントでの面談業務を経て、現在は「やりたい仕事でなりたい自分」をテーマに転職の家庭教師として転職のサポートやコーチングを行う「大人が相談できる場所」として活動。転職・就活イベントでの講演や相談コーナーも担当。
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目次
【なぜ無料?】転職エージェントへの疑問と8つの裏事情
ここでは具体的な転職エージェントに関するよくある疑問と、その背景にある裏事情をセットで紹介していきます。
転職エージェントに関するよくある疑問
これらの疑問のなかには「なぜだろう?」と思った質問もあるのではないでしょうか。
疑問の背景にある裏事情を知って、転職エージェントへの理解を深めましょう。
裏事情1.なぜ無料で使えるの?
「なぜ転職エージェントは無料で使えるの?」という疑問の裏には、「転職エージェントは企業から報酬をもらっている」という事情があります。
転職エージェントの利用者が転職に成功すると、エージェントにもよりますが、入社した企業側から転職者の想定年収のおよそ30-35%が支払われる仕組みになっています。
例: 転職者の年収が500万円であれば、年収の30%~35%にあたる150万円~175万円が企業から転職エージェントへ支払われます。
つまり、そもそものビジネスモデルとして、転職エージェントは求職者からではなく、「求職者が転職した企業から成果報酬をもらう仕組み」なのです。
そのため「無料で使えるなんて怪しい・・・」などと思う必要はありません。むしろ、年収アップの交渉なども一生懸命企業側に掛け合ってくれることがあります。安心して転職エージェントを利用しましょう。
裏事情2.なぜ転職を急がせるの?
「転職を急かされるのはなぜ?」という疑問の裏には「求職者が転職したら報酬が発生するビジネスモデルをとっているから」という事情があります。
転職エージェントで働くキャリアアドバイザーの仕事は、求職者を転職させることです。転職させた人数などで自分の評価が決まったり、目標やノルマをもっていたりする場合もあります。
さて、ここでいう転職エージェントの目標とは以下の2つを指します。
転職エージェントの2つの目標
- 紹介手数料:転職させた企業からの紹介手数料(=成果報酬)を目標とする
- 転職した人数:サポートした結果、企業に転職させた人数を目標とする
大手転職エージェントは「転職した人数の目標」、中小転職エージェントが「紹介手数料の目標」を設定している傾向があります。
どちらの目標が設定されているにせよ、キーポイントは「いかに多くの人に転職してもらうか」です。そのため、キャリアアドバイザーによっては目標を達成するために、求職者に転職を急かすこともあります。
裏事情3.なぜ希望していない求人を紹介してくるの?
転職エージェントを利用していると、自分が希望していない業界・職種の求人も紹介されることがあります。ここにも「キャリアアドバイザーには目標やノルマがあるから」という裏事情があります。
そのため、求職者になるべく刺さる求人を紹介して転職してもらおうと、幅広い種類の求人を提案することがあります。そして、その多数ある求人のなかには「求職者が希望していない求人」が混じっていることがあるのです。
たしかにノルマに追われて、とりあえず求人をたくさん紹介するキャリアアドバイザーもいます。
一方で、「縁遠いと思っていた仕事にも挑戦してもらい、可能性を広げてほしい」という思いから、本人のことをよく考えた上で、本人が希望していない求人を紹介することもよくあります。
もし「希望と違う求人を紹介された」と思った際には、「なぜこの求人をご紹介していただいたんですか?」と一言質問して、理由を聞いてみても良いでしょう。
裏事情4.実質的に求人を紹介できないと言われたけどなぜ?
「現時点ではご紹介できそうな求人はございません。ご期待に添えず申し訳ございません」
転職エージェントの登録時や利用中に、このように、求人を紹介できないという趣旨の連絡を受けるケースがあります。
裏事情としては「職歴やスキルとマッチする求人がうちにはない」と判断された可能性があります。
キャリアアドバイザーの数が限られている以上、現実的に利用者全員へ平等にサービスを提供することはできません。
そのため、登録自体を拒否することはありませんが、利用者の職歴やスキルにマッチする求人情報を保有していない場合はサポートを断ることがあります。
ただ、未経験者向けの転職サイトもあります。まだ経験が浅い・スキルが低くても求人を見つけたいという方は以下の転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか?
※この記事で紹介する転職サイト・エージェントは当編集部選出です。監修者が選んだサービスではありません。
サポートを断られた人の転職体験談
JACリクルートメントの口コミ
30代前半女性の口コミ
担当の人がとても不親切
転職を考えていた時に利用しました。シンガポールでは永住権を持っているので、紹介件数は多かったのですが、担当の人がとても不親切でした。要望を伝えても「そんな良い条件の仕事は不可能」と言われるなど、とても不快な思いをしました。(シンガポール)
裏事情5.担当者のレベルが違うのはなぜ?
同じ転職エージェントの中でもキャリアアドバイザーのレベルはさまざまです。これは転職エージェントも他の企業と同様に、新卒からベテランまでさまざまな経験・実績をもつ人がいるからです。
「新卒がレベルが低い、ベテランはレベルが高い」とは一概には言えません。新卒でも一生懸命勉強したり、時に先輩に相談しながら、素晴らしい提案をしてくれるキャリアアドバイザーもたくさんいます。
一方、ベテランでも、経験があるがゆえに求職者の意向ではなく、自分の提案を強く推そうとするキャリアアドバイザーもいるでしょう。
もし「このキャリアアドバイザーとは合わないな」と思ったら担当者変更をお願いすれば良いだけです。担当者の年齢や経験に対する先入観はなるべく持たずに、対応や提案の内容でキャリアアドバイザーを判断するようにしましょう。
良い転職エージェントを見極める方法は「良い転職エージェントを見極める5つのポイント」にて解説しています。
裏事情6.なぜ大量のスカウトメールが送られてくるの?
転職エージェントと併せて転職サイトを登録している人は、「転職エージェントから大量のスカウトメールが送られてきて少し迷惑」と思っている人もいるでしょう。
ここには「専門業者がスカウトメールを大量送信していることがある」という裏事情があります。送信数や返信数などのノルマが設定されているケースもあり、一人でも多くの応募を求めてスカウトメールを大量に送っているのです。
求職者の経歴や志向と関係なく求人を紹介している場合もあります。スカウトメールの文面で自分の経歴やスキルについて触れられていない場合は、大量送信されたものである可能性があります。
ただし「スカウトメール=悪いもの」という訳ではありません。本当に求職者にマッチする求人を紹介しているスカウトメールもあります。優秀な転職エージェントからのスカウトメールはぜひ参考にしましょう。
スカウトメールに関する体験談
ビズリーチの口コミ
30代後半男性の口コミ
スカウトメールで自分の市場価値がわかる
転職後1年がたちますが、いまだにビズリーチから月に1通はスカウトメールが届きます。すぐに転職する気はありませんが、どんな企業が自分に興味をもっているかを知れるため、登録したままにしています。魅力的なスカウトを受けとるために、ビズリーチに登録している職務経歴は常に更新するようにしています。
裏事情7.人によってサポートの手厚さが異なるのはなぜ?
「なぜ人によってサポートが異なるの?」という疑問の答えには、「求職者と求人のマッチングが難しい」という裏事情があります。
求職者と求人をマッチングさせるためには、以下のハードルを乗り越えなければいけません。
マッチングするためにクリアすべきハードル
- 求職者のニーズに添った求人があるかどうか
- 紹介したとして求職者は応募するかどうか
- 求職者が受かりそうな求人かどうか
上記のハードルをクリアできる求人数は人によっては非常に限られます。
そのため、マッチングする求人数が多い求職者と少ない求職者で、紹介できる求人数が異なり、その結果サポートの手厚さに差が出てしまうのです。
また、「年収の高い求職者の方が転職エージェントの稼ぎが大きいことからサポートが手厚いのではないか?」という疑問をもつ人がいるかもしれません。
しかし、年収の高低によるサポートの手厚さ具合については、マッチングをクリアした後の事情になります。あくまでまずは「マッチングできる求人があるかどうか」がサポートの手厚さに直結します。
裏事情8.転職エージェントになんでも相談していいの?
転職エージェントは「困ったことがあったら、なんでも相談してください」と言ってきますが、言葉通りなんでも相談するのは少し危険です。
ビジネスモデルから、転職エージェントにとって、企業は大切なクライアントといえます。
紹介した後に「要望していた人材と違った」となればクレームにもなりますし、会社の評判を落とすことにもなりかねません。
このため、転職エージェントは求職者の相談を受けながら、ある程度ランク付けを行っているものです。
転職について困っていることは、正直に相談すべきですし故意に隠す必要はありませんが、プライベートなことやデリケートな問題までは相談しない方が無難でしょう。
必要以上に伝えてしまうと、本来はマッチする求人も、転職エージェントのフィルターによって紹介されなくなってしまうといったこともあり得るからです。
転職エージェントの初回面談は、一種の面接と一緒です。
もちろん、精神面や体調面に不安などを抱えているのであれば、素直に相談した方がいいですし、転職エージェントはそれを考慮して求人を紹介してくれます。
しかし、転職とは関係ないデリケートなことまで相談してしまうと、転職が不利になってしまうことがあります。
相談するにしても転職に関わる内容に留め、あくまで目的は求人紹介という点を忘れないようにしましょう。
【裏事情に左右されない!】転職エージェントの上手な活用方法
「良い転職エージェントを見極めること」と併せて、転職エージェントの上手な活用方法を実践することで、裏事情に関係なく満足感の高い転職活動を進めることができます。
最後に転職エージェントの上手な活用方法を以下3つのステージに分けて解説していきます。
転職エージェントを上手に活用するためには、転職エージェントを使う前から準備が必要です。ここで上手な活用方法を学び、転職エージェントを使い倒して理想の転職を実現させましょう。
転職エージェント利用前
上手に転職エージェントを活用するために、まずは【転職エージェント利用前】にしておきたい以下2つの事前準備を紹介します。
転職エージェント利用前にしておきたい事前準備
- 転職の条件やキャリアプランを整理しておく
- 転職エージェントの口コミも参考程度に調べておく
転職先の条件やキャリアプランを整理しておく
転職エージェントを利用する前に、自分が重視する「転職の条件」や「キャリアプラン」を整理しておきましょう。
「転職先の条件」については、例えば以下の項目をチェックしておきます。
転職先の条件チェック項目
- 年収
- 勤務時間
- 勤務場所
- 平均残業時間
- 定着率
- リモートワークの有無
- 副業の可否
- 退職金制度の有無
- 会社の雰囲気
- 産休・育休・介護休暇の取得率など
転職先の条件やキャリアプランを事前に整理しておかないと、面談時にキャリアアドバイザーへ正しく自分のことを伝えられず、適切な求人紹介を受けられないリスクが出てきてしまいます。
できるだけ具体的に転職先の条件とキャリアプランは整理しておきましょう。
転職エージェントの口コミも参考程度に調べておく
同じ転職エージェントであっても、キャリアアドバイザーにより対応や知識量が異なるため参考程度ではありますが、転職エージェントの口コミも調べておきましょう。
良い口コミだけではなく、悪い口コミも知ることで、自分に合った転職エージェントなのかを見極めることができます。
ただし、転職エージェントに限らず、インターネット上では良い口コミよりも悪い口コミが書かれやすい傾向があります。あくまで参考程度に留めておくのがポイントです。
【面談~内定獲得前】転職エージェント利用中
続いて【面談~内定獲得前】の、転職エージェント利用中の上手な活用方法を4つ紹介します。
【面談~内定獲得前】転職エージェントの上手な活用方法
- 複数の転職エージェントを利用する
- 転職エージェントのサポートを最大限利用する
- 気になることはキャリアアドバイザーに積極的に質問する
- キャリアアドバイザーに「サポートしたい」と思わせる
複数の転職エージェントを利用する
転職エージェントは複数利用するようにしましょう。なぜなら、転職エージェントによって、得意な業界や取り扱っている求人情報が異なるからです。
さらに複数の転職エージェントに所属するキャリアアドバイザーとキャリアプランについて話し合うことで、異なる視点から自分を見直すことができ、キャリアの選択肢も増えるかもしれません。
なお、利用する転職エージェントが最初から多すぎても迷ってしまいますので、まずは2~4社程度を目安に利用してみてはいかがでしょうか。
複数登録に関する体験談
30代 | 女性
dodaとマイナビエージェントを併用しました
リクルートエージェントの担当者には模擬面接対策を行っていただき、企業面接に安心して臨めました。dodaの担当者は連絡を小まめにくれたので、その時々の状況や転職活動の方針変更など、柔軟に考えて行動できました。 自分では見つけられなかった長所や短所、アピールポイントなどをアドバイザーから複数引き出せました。特にdodaのアドバイザーには職務経歴書を丁寧に添削していただき、書類選考通過率が格段に上がりました。 アドバイザーによって対応も異なり、また相性もあるので、ぜひ複数のエージェントに登録して、自分に合うところを探してほしいです。複数併用したほうが情報量も圧倒的に多くなり、業種や職種の視野も広がります。
(30代後半/女性)
各社持っている求人が違うので複数登録したほうがよい
一つに絞らず、何ヵ所か確認してみるのがいいと思います。担当者とのやりとりは大変になる部分もありますが、それぞれ持っている求人が異なるので、自分で検索して気になる求人があったらまずは問い合わせてみるのがいいと思います。また、地域の広報誌などに載ってる求人も転職サイトで相談すると、「今までやり取りしている病院なので問い合わせできますよ」と詳細情報を確認してくれるので、とても良いですよ。
転職エージェントのサポートを最大限利用する
転職エージェントは以下のようなサポートをしてくれることがあります。
- 推薦状の作成
- 企業側と希望条件の交渉(年収アップなど)
- 履歴書、職務経歴書の添削
- 面接の練習
転職エージェントは多くの求職者を転職に導いたサポート実績から企業側との関係性もしっかり構築されており、交渉がしやすかったり、面接の質問をあらかじめ予想できたりすることがあります。
一人で転職準備を進めることに不安を感じている場合は転職エージェントにこのようなサポートを頼んでみてはいかがでしょうか。
気になることはキャリアアドバイザーに積極的に質問する
転職エージェントの情報量はピカイチです。転職市場の動向や会社の内部事情など、インターネット上で手に入れるのが難しい情報をたくさんもっています。
ただキャリアアドバイザーからすると、情報はもっていても、求職者がどのような情報を求めているのかが分からないと、提供しようがありません。
そのため求職者は、「異動の頻度はどれくらいですか?」「ノルマを達成している人はどれくらいいますか?」など、どんな些細なことであっても気になることはどんどん質問するようにしましょう。
キャリアアドバイザーに「サポートしたい」と思わせる
キャリアアドバイザーの仕事は求職者を転職成功に導くことです。そのため「結局は転職しないかもしれない」と判断されてしまうと、サポートが手薄になってしまう恐れがあります。
逆に考えると、「転職する可能性が高い」と判断されれば、手厚いサポートを受けられるかもしれません。具体的には以下の対応を心掛け、「この人をサポートしたい」と思ってもらいましょう。
「サポートしたい」と思ってもらうコツ
- 連絡をひんぱんに行う
- 提出物は必ず提出する
- 丁寧な対応をとる
- 転職先の条件を明確に伝える
個人的には以下のような求職者は「しっかりサポートしたい」と感じます。
- やる気がある方
- 礼儀正しくマナーがきちんとしている方
- やりたいことが明確な方
- 一生懸命な方
- 企業への面接に胸を張って送り出せる方
キャリアアドバイザーと接する際はぜひ参考にしてください。
【内定獲得後】転職エージェント利用中
最後に企業の面接を受けて、内定を獲得した後の、上手な活用方法を2つ紹介します。
【内定獲得後】転職エージェントの上手な活用方法
- 内定を受けるかどうか、自分の軸をもっておく
- 内定先に「自分が求められていること」を質問する
内定を受けるかどうか、自分の軸をもっておく
内定を獲得したあとのボールは求職者が握っています。納得できない転職をしないためにも、どのような条件なら内定受諾をするのか、自分の軸をもっておきましょう。
自分の軸がないと、キャリアアドバイザーへ内定の条件を伝えられませんよね。キャリアアドバイザーが返事を促してきた際に、よく考えないまま内定を受けてしまう事態にもなりかねません。
こうした状況を避けるためにも、内定を受けるかどうかの軸を持つことが大切です。
内定先に「自分が求められていること」を聞く
内定先に「自分が転職して何を求められているか」を転職エージェント経由で聞くようにしましょう。
もし「内定先が求められていること」と「自分がやりたいこと・できること」に大きなずれが生じている場合はミスマッチになる可能性が高く、転職失敗のリスクが高まってしまいます。
逆に「内定先が自分に求めていること」と「自分がやりたいこと・できること」に大きな乖離がない場合には、転職先として前向きに検討しても良いでしょう。
裏事情をふまえておすすめしたい信頼できる転職エージェント3選
これまで解説してきた裏事情があるため、どの転職エージェントを利用するかはとても大切です。
そこで実績や評判から、編集部が選んだ信頼できる転職エージェント3社を紹介します。
キャリアアドバイザーの支援も手厚いため、今使っている転職エージェントに不満や不信感がある人も、ぜひ検討してみてください。
※この記事で紹介する転職エージェントは当編集部選出です。監修者が選んだサービスではありません。
リクルートエージェント
メリット
- 求人数が業界トップクラス
- カバーしている職種や業種が豊富
- 充実した面接対策
デメリット
- 支援期間が約3ヶ月と短い
リクルートエージェントは、業界・職種を問わず様々な求人を保有しています。そのため、キャリアアドバイザーが求職者に対して多くの選択肢を提案することが可能になっています。扱う求人数の少ない中小規模の人材紹介会社と比較すると、自分の希望と異なる求人への転職を無理にすすめられるリスクは低いといえるでしょう。
doda
メリット
- IT・Web業界やエンジニア向けの求人を多く保有
- 未経験から地方の求人まで幅広い求人を取り扱う
デメリット
- 3ヶ月のサポート期限があるため、長期の転職活動を考えている方には向かない
dodaは、リクルートエージェントやマイナビエージェントと同じく業界最大級の求人数を誇る大手転職エージェントです。
職務経歴書を簡単に作成できる「レジュメビルダー」や16の質問に答えるだけでアピールポイントがわかる「『自己PR』発掘診断」など、転職活動に役立つサービスが豊富に用意されています。
ビズリーチ
ビズリーチは、高年収求人を主に取り扱うスカウト型転職サイトです。求職者が全国の優良企業やヘッドハンターから直接スカウトを受けられるという特徴があります。
スカウトのメールには転職支援実績や求職者のアンケートをもとにヘッドハンターを評価した「ヘッドハンタースコア」やプロフィールが掲載されています。転職を希望する業界に詳しいヘッドハンターを「逆指名」することで、効果的に転職活動を進められるでしょう。
年収1,000万円以上の求人が3分の1以上を占めており(公式サイトより/2021年1月現在)、ハイクラスでの転職を希望している人におすすめのサイトです。
さらに多くの転職エージェント比較を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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良い転職エージェントを見極める5つのポイント
転職エージェントの裏事情を求職者が変えられない以上、理想の転職をするためには、良いキャリアアドバイザーと出会うことが重要なポイントになります。
ここでは良い転職エージェントとキャリアアドバイザーを見極める5つのポイントを解説します。
良い転職エージェントを見極める5つのポイント
これら5つのポイントを頭に入れてキャリアアドバイザーとコミュニケーションを取ることで、良い転職エージェントかどうか見極めることができます。
自分とキャリアアドバイザーの相性が良い
キャリアアドバイザーとはひんぱんにコミュニケーションを取ることになるため、相性が合う合わないは重要です。感覚によるところもありますが、以下2点を押さえているキャリアアドバイザーとは、相性が合うケースが多いでしょう。
相性が合うキャリアアドバイザーの特徴
- 求職者の希望や気持ちをよく聞き、尊重してくれる
- 自分の希望や条件に沿った求人もしっかり紹介してくれる
相性はそのキャリアアドバイザーと何度かやり取りをすればなんとなく感じるものがあると思います。また複数の転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーの比較もできます。
もし「相性が悪い」と感じたら、担当者の変更を申し出ましょう。その際は「担当の○○様のご意見と私の意見とにズレがあり、宜しければ他の担当者の方ともお話ししたい」というように、具体的な理由を沿える点がポイントです。
業界・企業について豊富な知識・情報をもっている
業界や企業について豊富な知識・情報をもっている人は、その業界・企業に精通した良いキャリアアドバイザーの可能性が高いです。
- 社員はおおよそ18時頃には退社しているが、○○部だけは忙しくて21時頃に退社している
- ○○業界は今後政府の方針もあり、拡大が見込める。あまり目立った存在ではないが、△△の技術をもったA社は非常に有望だ
上記のように業界・企業について詳しくなければわからない情報をもっているキャリアアドバイザーは、優秀だと見なすことができるでしょう。
キャリアアドバイザーは求人票からは分からない、社風や募集背景に詳しいことが多いです。
例えば、募集する部署の様子やメンバー構成、過去の面接でどのような質問が出たのかなども把握している場合があります。気になることはどんどん質問してみましょう。
未来のイメージを描いてくれる
求職者の「未来のイメージを描いてくれる」キャリアアドバイザーは優秀な可能性が高いです。未来のイメージを描いてもらえた求職者は、モチベーション高く転職活動をすることができます。
- 応募する業界・企業は今後どのように発展していきそうか
- 転職先でどのようなスキルを身につけられるのか
- 転職したあとのキャリアはどのような選択肢があるのか
上記について知識に裏付けされたビジョンをもち、転職後の未来を具体的にイメージさせてくれるようなキャリアアドバイザーは求職者にとって力強いパートナーになってくれるでしょう。
求職者について知ろうと質問をたくさんしてくれる
良いキャリアアドバイザーは求職者について、経歴やキャリアプラン、仕事観など幅広いテーマについて知ろうと質問をたくさんしてくれます。
なぜなら、求職者の情報を知れば知るほど、その人によりマッチした求人を提案できるからです。
また求職者側としてもキャリアアドバイザーからのさまざまな質問に答えることによって、「自覚していなかった志向性や可能性に気付くことがある」というメリットもあります。
例えば求職者の本音や潜在ニーズを引き出すために、キャリアアドバイザーは以下のような質問をすることがあります。
- 今回の転職で1番解決したいことは何ですか?
- 転職後はどのようになっていたら嬉しいですか?
- 転職先の条件の優先順位を教えてください
- 転職後のキャリアプランはお考えですか?
これらの質問をされた場合は、求職者についてよく知ろうとしてくれるキャリアアドバイザーの可能性があります。
またキャリアアドバイザーによっては求職者が無意識に発しているキーワードを拾い上げ、フィードバックを行うことで、本人も気付いていない本音に迫ることもあります。
求職者の話を鵜呑みにしない
良いキャリアアドバイザーは求職者の話を鵜呑みにしない傾向にあります。
求職者は転職活動に関して必ずしも詳しくありません。そのため、求職者が話す希望やニーズは必ずしも正しいとは限らず、深掘りができていないケースも少なくないからです。
例えば「年収アップをしたいから経験を活かせる同じ業界に転職したい」と話す求職者がいたとします。その際に単純に同業界でも年収の高い求人を紹介するキャリアアドバイザーはただ「求職者の話を鵜呑みにしている」と見ることもできます。
そうではなく、例えば「その業界の給与水準は決して高くありません。経験も多少活かせる別の業界でよりスキルを付け、年収アップを目指しませんか?」など、知識に裏付けされた新たな視点を提供してくれるキャリアアドバイザーは優秀だと判断できるでしょう。
求職者の意向と必ずしも合致しないキャリアアドバイザーの対応として、応募しようか迷っている求職者に応募を促すケースもあります。理由としてはおもに以下の2つがあります。
求職者に応募を促す理由
- 悩んでいる求職者の背中を押すため
- 応募しても通らない可能性の高い企業はたくさんあり、一つひとつ悩んでいても時間がもったいないため
まずは応募してみて、書類選考が通ってから考えたほうがよいケースも往々にしてありますよ。
良くない転職エージェントを見極める4つのポイント
良い転職エージェントの見極め方がわかったところで、続いて、良くない転職エージェントを見極める4つのポイントを紹介します。
良くない転職エージェントを見極める4つのポイント
これらのポイントを踏まえて自分に合った転職エージェントを見極めましょう。
希望しない求人ばかりを紹介してくる
希望しない求人ばかり紹介される場合、キャリアアドバイザーが求職者のことをあまり考えていないか、転職しやすい求人情報ばかりをおすすめしている可能性があります。
気になったら「自分は○○という条件を希望しているのですが、なぜこの求人なんですか?」と質問してみることをおすすめします。
質問に対して納得のいく理由が返ってこなかったら、担当者の変更を検討しましょう。
レスポンスが遅い
レスポンスが遅いキャリアアドバイザーは注意が必要です。
レスポンスが遅いキャリアアドバイザーの特徴
- 連絡がなかなか返ってこない
- お願いしていた対応をなかなかしてくれない
上記のようにレスポンスが遅いキャリアアドバイザーは担当する求職者が多すぎて、対応に追われている可能性があります。
担当する求職者が多いと、一人ひとりに丁寧な対応をするのが難しく、十分な対応を受けられないかもしれません。あまりにもレスポンスが遅い場合は、担当者変更も検討しましょう。
上から目線での対応など態度が良くない
「あなたに合っているのはA社。だから、A社を受けたほうが良い」など、上から目線で対応してくるキャリアアドバイザーには注意しましょう。
キャリアアドバイザーと求職者の間に上下関係はなく、理想の転職を目指すパートナーです。その関係性から外れ、上から目線で指示してくるキャリアアドバイザーとは、良いコミュニケーションを取ることは難しいでしょう。
「強引に応募させようとする」「応募したら辞退させない」など、あまりに強引な対応をしてくるキャリアアドバイザーは避けたほうが良いでしょう。
またごく稀にですが、「応募の意思を示していないのにもかかわらず、勝手に応募をされていた」などのトラブルも聞いたことがあります。そのような転職エージェントは利用をやめましょう。
良くないキャリアアドバイザーが担当者になった時の改善案
転職エージェントから良くない対応を受けた場合、以下の改善案を試してみるのがおすすめです。
- 希望条件を明確化し、希望からかけ離れた転職先の紹介を減らす
- 複数登録をして、自分に合った転職エージェントを見つける
- 担当キャリアアドバイザーの変更をお願いする
担当者はスキルや経験値によって対応に違いが出ることがあります。改善案を試し、しっかりと自分にあった信頼できる転職エージェントを見つけましょう。
まとめ
転職エージェントは「転職させた企業から成果報酬をもらう」というビジネスモデルのため、「希望していない求人を紹介する場合がある」「人によってサポートが異なる」などの裏事情があります。
ただ裏事情は求職者がどうにかして変えられるものではありません。なるべく良い転職エージェントに担当してもらい、上手に転職エージェントを活用するようにしましょう。
良い転職エージェントを見極めるポイント
- 相性が合う
- 業界・企業について豊富な知識・情報を持っている
- 未来のイメージを描いてくれる
- 求職者について知ろうと質問をたくさんしてくれる
- 求職者の話を鵜呑みにしない
上手な転職エージェントの活用方法
- 転職の条件やキャリアプランを整理しておく
- 人材紹介会社の口コミも参考程度に調べておく
- 複数の転職エージェントを利用する
- 気になることはキャリアアドバイザーに積極的に質問する
- キャリアドバイザーに「サポートしたい」と思わせる
- 内定を受けるかどうか、自分の軸を持っておく
- 内定先に「自分が求められていること」を聞いてもらう
また、転職エージェントを複数利用することで、キャリアアドバイザーの比較もできるようになります。裏事情を理解した上で、上手に転職エージェントを利用し、理想の転職を目指しましょう。
転職エージェントにもよりますが、近年無理に転職を勧める風潮が和らいできています。
これは無理に転職や入社を勧めても、転職者がすぐに辞めてしまっては、報酬が入ってこないばかりか、企業からの信頼を失いかねないためです。
加えて、SNSなどで「○○の転職エージェントの対応が悪かった」「○○で無理に転職を勧められた」と容易に拡散されてしまう恐れもあります。
これらの要因から転職を急がせるキャリアアドバイザーは以前ほど多くはなくなってきています。